【後編】12のデザインリサーチメソッド

共感体験

共感体験とは「ユーザー」の身になって考えるということです。

私のお気に入りの事例は、癌の薬を開発する製薬会社のプロジェクトです。私たちは、薬を飲むという体験を理解したかったのですがクライアントもデザイナーの誰も、癌の症状ではありませんでした。つまり実際に患者が日々どのような変化があるのかを感じ、理解するのは難しかったのです。

患者へのインタビューのあと、その「薬自体」が予測不可能な結果の「原因」だとはっきり分かったのです。日々の症状が、単なる風邪症状であったり、激しい嘔吐であったりと様々だったのです。

同様の体験を作るために、薬に風味付きのジェリービーンズを混ぜた試作品を作りました。薬を飲むたびに、チェリー味か、ブルーチーズ味、もしくは、ドックフード味を「体験」するのです。

この体験の結果、依然として類似の体験ではあるとは言え、 クライアントとデザイナー両者に、患者の観点からモノゴトを見ることに役立ったのです。「深い共感」の視点からデザインしていくことは、謙虚さとインスピレーションがあります。

デスクリサーチ

リサーチプロセスで重要なことは、文献やネットから「知識」を集めることです。もともとの知識が少ない場合、早めに必要な知識を把握することは大切です。関連する有益な情報は豊富にあります。

プロジェクトに関連する「別の調査」を調べてみてください。現在取り掛かっているプロジェクトを「探求」し「理解」する時間を作ることもとても大切です。またそれに関連する文献、ブログやプロジェクトページなどは、どれも役に立つでしょう。

クライアントが、以前の調査やインスピレーションになる情報をもっているかもしれません。 与えられた情報を「分析する」時間を作り、もし可能であれば、クライアントに今ある情報、素材について、プレゼンをしてもらいましょう。

複雑な情報を素早く理解する上で、インフォグラフィックスは便利です。しかし、深いデータを理解するためには「情報源」を探すのです。よいデスクサーチはインタビューで聞く「質問」を形どってくれます。ですから、なるべく早く始めるのがいいでしょう。他のリサーチ手法を通して、新しいことを学ぶために続いていく活動です。

データマイニング

デザインプロセスでデータを使うことは既存の情報源からインスピレーションを見つける新しい方法です。専門のソフトやスキルが無ければ直接データを扱うことは難しいですが「生のデータ」を扱うことを恐れてはいけません。

個人的な直感ですが、近い将来データサイエンスがデザインの中心のパートになるでしょう。特にデザイナーにはおすすめしています。

データから意味を見出すには「何を」伝えているのか?をつかむため、視覚化する「遊び」をするのです。ExcelかGoogle sheetを使って、円グラフ、または棒グラフを作ることは広いテーマを示し、データと「にらめっこ」するのを簡単にしてくれます。

こちらに詳しく書いています。

行動トラッキング

行動トラッキングは、リサーチのための「実験的な分野」で、リサーチとデザインプロジェクトの探索的段階で始めるものです。 定量化されたアプリや製品が増える中で以前より、より「簡単に」人の行動を記録しておくことができるようになりました。

FitbitWithingのような製品ですでに自分を「トラッキング」している人を見つけられるでしょう。もし彼らがトラッキングしていなくても、人々はこの考えにオープンになりつつあり、プロジェクトへ関わる方法の1つとして抵抗感を持たなくなります。

ベストプラクティスはまだ定義づけられていません。この手のリサーチにオープンな特定のグループがベストプラクティスになるかもしれません。注意深く進め、ベストな対象者は誰か考えるのです。

アンケート調査

1対1のインタビューを通して常にインスピレーションやインサイトを探している間に、アンケート調査は顧客ニーズの「広い視点」をもたらしてくれます。SurveyMonkeyGoogle Formsは安価でアンケートを多くの人に配布することができます。もちろん、あなたが直接会える人より多く。

IDEOでは定性的な一対一のインタビューを終えた後、アンケート調査を行います。インタビューから得られた観察は、より広いグループに定量化ができるのです。

質問を作り、対象者への質問の仕方をテストしましょう。誘導的な質問は避けて、複数の選択肢を選ぶ質問は「慎重に」考えましょう。 インタビューのように、アンケート調査のデザインを扱い、インタビューガイドを作っている時と同じように時間を使います。

どの「分析結果」が当てはまるのかを理解するために、各参加者に関しての情報を確実に捉えておきましょう。

対象者を代表するような参加者を予め選別するために、アンケートの導入の最初に「参加者のタイプ」を特定しておくのもいいでしょう。ここは気をつけましょう。人はより「個人的な情報」を聞かれれば聞かれるほど、遠ざかる傾向にあります。必要以上に個人情報を聞くべきではありません。

アンケート調査を開始して、10から20の回答が集まったら、回答者がどう答えているか見てみましょう。もし質問を誤解しているような回答が見つかれば、質問フォームを改善してください。

これは「誤解リスク」を減らすプロトタイプのアプローチです。

ゲリラ調査

これは1つの特定のテクニックというよりも、より「創意的な方法」で調査する様々なアプローチが含まれています。これらの方法は全てリアルな「現実世界」で行われ、素早く、安価に観察とインサイトを集めることが目的です。目的は「日常的な生活」を送っている人々から「正直な反応」を得ることです。

Google Adwordsを使って新規製品戦略をテストする際に使った成功例を紹介します。何種類ものキャッチコピーを設定し、どれが一番クリックされるか測定しました。 無料ではないですが、とても格安な方法です。

特に専門家のコミュニティーの人々とコミュニケーションをとるために、RedditQuoraも使いました。もちろんこの場合、自身のアカウントを使うことになります。他のコミュニティーのメンバーが、どんな風にあなたが「コミュニティ」を使っているか見られていることに「注意」して使わなければいけません。

デザインの要素を早く試せる方法を考えましょう。目標は「素早い検証」であり、思考を素早く「反復」することです

詳しくはこちらに書いています。

これらの手法がどのように役に立ったか、また、他に何か追加するべきことがあると思う部分があれば、ぜひ教えてください。

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Special thanks to A.C-W for her editorial input

Original article posted by Matt Cooper-Wright on Design Research Methods, translated by Ryo Kobiyama with permission. Supervision by Lina Nakama:)

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こびー

デザインリサーチ

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