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独身だからそれでいいじゃんほっとけ

かつて居酒屋が普通に開いていた頃、会社の人と飲みに行った。メンバーは同世代の男性ひとり(かばくん)、ひとまわり年上の男性(メガネさん)、そして私。仕事終わりにお声がけ頂き、せっかくお誘いいただいたので社内人脈作りも兼ねて行ったけど、今でも思い出すとモヤッとすることが印象に残る会になった。

※前置きすると、私は比較的冗談が通じないタイプです。

大丈夫、40過ぎて結婚した人もいるから諦めないで!

酒がまわって結婚の話題が出てきた。

正直、嫌だった。親戚とお酒を飲んでいる時のような嫌悪感。話す側は話題作りのひとつとして言っていることを知っているけど、仕事と結婚はまったく関係ないのに聞かれるとモヤッとする。

「緑茶さんは結婚とかどうなの?」と聞かれてもさ。見ての通り独身ですよ。それでいいじゃん。仕事になんか影響あるか?…なんて言えないしめんどくさいので、「そうですねぇ〜今は結婚とかいいやって思ってますよ!相手も見つからないし」と話題をそれとなくはぐらかした…つもりだった。

つもりだったけど。

「大丈夫ですよ!僕の姉、40過ぎて結婚したんですよ〜!すっごくイケメンの人と!!」

と急に言われた。

・・・え? だい?じょ??うぶ???? え???

何言ってんだこのメガネ・・・と思ったけど、すごく熱弁していたのでウンウンと聞いていた。メガネの姉はあまり垢抜けないタイプだったしそんなにモテるタイプじゃなかったけど、仕事に生きていたらいきなり良い出会いがあったらしい。しかもお相手が贔屓目抜きでも年下イケメンだったらしい。

気遣って言ってくれていたのだろうけど、私はフォローされたいなんて微塵も思っていなかったのでびっくりした。この人が同じ立場の場合はフォローされたいんだな、と今は感じる。

そして、「だから緑茶さんも大丈夫! きっと良い人と出会えるよ!!」と励ましていただいた。全然嬉しくない。

40で結婚した人を批判したいわけではないものの、メガネは「結婚が難しい属性の人でも結婚できた。君も若干結婚は難しい属性かもしれないけど、結婚いけるよ。君みたいなタイプでも諦めるな」というニュアンスで言ったような印象が強く、非モテにアドバイスしてやった感があって嫌だった。そりゃ美人じゃないし洗練されてないからって、こんな攻撃するなんてないよ・・・

ちなみにこの後、メガネは自分がモテていた頃の話をしていた。どうやら社会人になってから女性との縁が途切れずモテモテだったらしい。すごいことですねぇ(棒)。いかにモテたか、いかに昔すごかったか。そんな話ばかりだった。私がこう言う話に免疫なくて「すご〜い!」とでも言うと思ったかクソメガネがキャバクラ行け。・・・あっ口が悪くなっちゃった☆

いま思うと「本当にモテたの? こんな不快になるトークをぶちかましておいてモテると豪語するの勇者だね。あと、モテる人はモテが日常だから、自分をモテると言わないでしょ…」という気持ちになるけど、当時はいきなり謎のウエメセマウントからの助言をいただいたのでびっくりして対応できなかった。(お前の武勇伝なんて露ほど興味ないんで。って今は思うけど、当時は「社内の人と仲良くなっておきたい」という気持ちが大きかったので我慢していた・・・)

かばくんのこともらってやってよ〜(ニコニコ)

結婚の話のムーブメントはまだ続いた。ありがたいアドバイスに加えて武勇伝を聞いて、色々話して気持ち良くなっちゃったのかな〜と今なら思う。そして、HPはそこそこガリガリに削られていた。

そんな中、メガネが「かばくんと緑茶さん、同い年くらいだよね?」「じゃあさ、緑茶さんかばくんのこともらってやってよぉ〜」とか言い出した。職場の人にそういう話するのはちょっとやめてほしいしかばさん困るでしょ…と思っていたら、かばくんもベロベロに酔ってて「りょくちゃさぁ〜ん、僕どうですかぁ? 料理とかがんばるよ」とゲラゲラ笑いながら言われた。ちょっとだけ口から唾が飛んできたのが見えた。

かばくんは、結婚したいのか恋愛したいのかわからないけど、マッチングアプリを使っている話を聞いていた。だから彼女が欲しかった時期で、メガネとかばくんは仲良しだったのでその手の話題を冗談として二人で話していたのかも知れない。ただ、ふたりの空気感も知らない中でいきなりそんなことを言われて、おまけにカバくんがノリノリだったので「本当に勘弁してください・・・」という気持ちでいっぱいになった。

メガネに「本当は結婚したいけどいい人がいないから結婚できなくて、でも正直に言えない人」扱いされた上に「僕が君とくっつけばいいよ(結婚したいならくっついてあげてもいいよ)」と言われているような気がして、不快指数100だった。

本当こいつら何なの? と思ったけど、どういう反応をしていいかわからず「え〜・・・アハハ😅」と言っていたら5回くらい「りょくちゃさぁ〜ん、僕どうですかぁ?」「かばくんはいいやつなんだよ!なぜならばxxxでyyyで・・・」を繰り出され、根負けして「そうですねぇ〜ご縁があったらいいですよねぇ(大嘘)」と言ってしまった自分が嫌いになった。

かばくんは酔っ払い特有のゲラゲラした笑いを繰り出して「ほんとに〜!? 嬉しいわぁ!! ぼく家事とか得意だし、ギャンブルもしないよォ」と酔っ払い特有の大声で言っていた。素面だともっと落ち着いている印象だったのに、酒を飲んだという言い訳でこういう本性が出るんだね…と残念な気持ちになった。

人の心を勝手に推測して、おもちゃにして、ガハハと言ってくるようなタイプの人間とくっつかなければいけないんですか? 私はあなたたちに、一度でもそういった扱いをしたことがありましたか?

と、今なら思う。

一連の会話で、精神が穢れた気がして、めちゃくちゃに疲労した。こんなにコテコテの昭和の結婚攻撃みたいなものに遭遇するのが久しぶりで免疫がなかった。こういう話題をサラーっと流してダメージを喰らわない程度の強かさや世渡り上手さもなかった。言葉を言葉のまま受け取って、受け流せなくて、ダメージを受けた。

おわり

この件、いま思い出しても体力消耗する。無理。この飲み会でメガネのことが嫌いになった。一緒に仕事したくない。

独身はマウント取って勝手にかわいそうと決めつけて講釈たれる材料なんでしょうか? こう思わない人がいることも知っているけど、こういう人がいることを思うと、飲み会とか行くの嫌だなと思う・・・

独身でいいじゃんほっとけ。と心から思う。

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