部下が事故を起こしてしまったら?

とある土曜日の夜。夕食を終え自室でテレビを見ながらくつろいでいると、一本の電話が鳴ります。休日はめったに鳴らない電話。発信者を見ると部下の名前です。

不思議に思いつつ電話にでると、なにやら重たい空気。「どうした?」と尋ねたところ、「・・・実は、たったいま事故を起こしてしまいまして・・・」。

部下からこのような報告を受けました。あなたなら第一声、なんと声をかけますか?

これは私が実際に自衛隊時代の教官だった幹部から問われたものです。当時の私は悩みながらも、「もう警察には通報したか?」というような回答をした記憶があります。

上司としてこのときのベストな回答は何でしょうか。教官が教えてくれた回答は、「怪我はないか?」「大丈夫か?」などの部下の身を案じる言葉です。

よく考えてみれば当たり前のことに思えますが、事故を起こしたという第一報を受け、状況が全然わからない中でこの言葉をかけるのは、なかなか難しいのではないでしょうか。

警察に通報したかとか、相手がいるのかなどは二の次。まずは部下の心配をしてあげることが大切です。いきなり叱りつけたりするのはもってのほか。

そしてもう一つ大切なことがあります。それは電話を切る前に、「ちゃんと報告してくれてありがとう」と伝えることです。

部下は事故を起こして気が動転している中、怒られるかなと不安になりながら恐る恐る上司に電話をかけています。かなりの勇気を必要とすることです。

重大なことが起きたら上司に報告するのは当然ですが、なかには言いにくいこともあるでしょう。部下が上司に怒られるのを恐れて報告しなかったり、報告が遅くなるというケースが結構あります。

そうならないためには普段から部下が報告しやすい雰囲気づくりが大切です。この人なら何を報告してもちゃんと受け止めてくれると思ってもらえるようになりましょう。話を最後まで聞かず頭ごなしに否定するのは論外です。

部下がきちんと報・連・相できないと悩んでいる人は、このあたりに問題があるのかもしれません。




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