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おっぱいオジサンになった瞬間

ドッジボールチームで同じ学年の親子で練習の後、花見をする事になった。
新しいメンバーが2人増えたので親睦を深めようとカミさんが誘ったのだ。
父親は2人。はじめましてでもプシューッと缶ビールを一口飲むとオジサン同士で仕事の話やら出身地の話やらで盛り上がる。

ご飯を食べ終わると子供達はキャッチボールをはじめる。元気なものだ。
ゆっくり飲んでいられるはずもなく、相手をしろと言われる。人数が少ないのと同級生同士だと物足りないからだ。
明日は筋肉痛だろうなと思いながら、子供達を鍛える。いや、筋肉痛になるのは明後日だろうか。
ずっとやってる子の球はやっぱり早い。ちょっと怖いくらい。こっちもちょっと本気になる。
酔いも回る。事あるごとに、
「酔っ払いオジサン!」
といじられる。
酔っ払いオジサンをいじるのは楽しいらしい。対等な感じになるんだろうか。

子供らみんなが酔っ払いオジサンと呼びはじめたころ、メンバーの弟、3歳男性がジーっと目を見て笑顔で大きな声で言った。
「おっぱいオジサン!」
球の早い子と目が合った。
彼女は宝物でも見つけたような顔をこっちを指差して言った。
「おっぱいオジサン!」
その時から、おっぱいオジサンになった。

明日は大会だ。応援に行くので、当然みんなと会う。
明日もまだ、自分はおっぱいオジサンなのだろうか?

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