10月24日(火)『第5回単独ライブJAM・下』

〜最高の単独ライブ編〜

11時に部室に入る。

いつものように一番乗り。

それからコントで使う小道具や衣装をまとめる。

38マイクやその備品、アンケート類などライブに必要なものもまとめる。

のぶはらとはらぐちがやってきた。

3人で荷物を中部講堂に移動させ会場入りする。

つちだもやってきた。

初めての中部講堂。

開演までまだ6時間以上もあるのに緊張が大きくなってきた。

そこからばみりとかマイクなどを繋げる。

ひと通り終わってネタ合わせ。

なんなく通せれる。

他の部員もちらほら。

相方が来るたびにネタ合わせをしてまた確認。

それの繰り返し。

気分が上がる曲を聴いて気持ちを静め高める。

開演1時間半前となる。

演者が全員揃ったためコーナーのリハをやる。

これも充分。

開演30分前となる。

最後にセットの転換の調整をしスムーズにできるように。

開場時間となった。

ずっと来場数を知るのが怖かった。前回のM-1対策ライブで100人弱のお客さんに来て頂きとても嬉しい思いをしたが、その分今回の単独でその数を下回ったらという不安が一番大きかった。

ハードルというのは常に存在するけど、それを超えていけるかはその時にならないとわからない。嬉しいことだけど怖さや不安は積み重なってしまう。

しかも今回は中部講堂。スカイホールの100人と中部講堂の100人はまるで違う。箱の規模が2倍以上になっている分なおさら来場数を下げるわけにはいかない。

袖から客席を見ることもできず、開演時間が近づいていく。

緊張がいつにもなく増している。

それもそう。今回の単独は9ネタ中4ネタを占めているため責任感が尋常じゃない。もうやるしかないのだがなかなかに抑えられない。

そして開演時間ほぼちょうどくらいで前説が始まった。

いつもは5分くらい遅れるのだが、今回は違った。ほぼ時間通りに前説が始めらるという成長。誘導や受付のみんなが捌けていたのだろう。ありがたい。

でも緊張はありえないくらい肥大している。

周りを見れば初めての舞台に緊張する一年生の姿。本来ならぼくが気を配り声をかけたりしないといけないのだが、そんな余裕微塵もない。とても追い込まれていた。

前説が盛り上がっているのか笑い声が袖にまで聞こえてくる。本当にすごい。ここまで温めてもらえると一本目のネタがとてもやりやすい。途中、お客さんに座席の移動をしてもらうような軽いハプニングも起きたけど柔軟に対応してもらい、お客さんにも頭が上がらない前説に。

そして暗転し、オープニング映像が流れる。

正直毎回このオープニングに映りたいから単独に出たいってのもあるくらい素晴らしいもの。今回は特に過去一の作品だったんじゃないかと思う。途中経過版はすでに見ていたが、完成版を見た時には鳥肌が止まらなかった。

こんなにいいものを作ってもらった。次はぼくらの番。あとはやるだけ。やってやる。

ここで一つ気合いが入り直したと思う。

最高の前説とオープニングで幕を開けた単独ライブJAM。

黒子がコントのセットをし、出囃子が鳴り始める。

自分の位置についてその時を待つ。

明転。

うーーーーーーわ。人多っ。

袖の段階で100人くらいいると聞いて懸念していた来場数は杞憂に終わった。もちろん嬉しいし安堵する。ただその大勢を改めて正面から見た時に、少し気圧されてしまった。圧というかみんなの視線がぼくら一点に集まっているのが久しぶりの感覚でいい舞台に立てたなと思った。これこれ!これが欲しいのよと言わんばかりエンジンがかかる。

M-1対策ライブやM-1本番でも同じくらいの人数の前に立ったけど、やはり単独ライブということも相まってか、余計に客席からの期待と興味が強く押し寄せた。

単独ライブとして一本目のネタを飾るのは、すぱろうで「JAM」というネタ。

気づいた人も多いと思うが、今回の単独のタイトルと同じネタ名。

好きな芸人の単独ライブでは、一本目はオープニングコントとしてその単独のタイトルにちなんだネタをよくされる。ぼくはそのオシャレさとかっこよさに強い憧れがあり、やってみようと思い立った。この単独のオープニングコントに抜擢されるようにやってやる。そう息巻いていた。

そして今回の単独のタイトルが「JAM」ということ、その意味も「渋滞」の意味だと聞いた。

そこからネタを作り始めたのだが、意外とスムーズだった。渋滞を想像した時に時間潰しでなにかできないかなと考えて、すぐ隣の車の人と会話してもいいじゃんと思って、喋るだけじゃなくて乗り込んできたら面白いか〜でできたネタ。

軸が決まり装飾をしてまず台本が完成して読み合わせてすぐ弱いことがわかった。

軸はいいけど、中身が弱い。

他のコンビのネタが面白いとわかってたからこそ、そこからの練り直しは必死だった。

なんとか作り直してネタ合わせするが、まだ納得できない。

そこからしょうがなくアドリブチックに楽しくふざけながらいろいろやってたらいいところが見つかった。ファンファンの件、最後のアフレコの件、大学の件、煙草の件個人的にも気に入っているところは全てそこから生まれた。

この時のネタ合わせはめちゃくちゃ楽しくて、どんどんアイデアが出てくるし、相方もそれで笑ってくれるしでこんなネタ合わせをこれからもやっていきたいなと強く思った。

そして本番も一本目にしてはちゃんとウケていた。

欲しいところで全部帰ってきて、いいスタートを切れたと思う。ライブのトップバッターとしての努めは全うした。「マジックミラー号の彼氏みたいな」というセリフで男のお客さんがめちゃくちゃ笑っているのを聞いて思わずガッツポーズをしてしまいそうになった。

ただ後半ミスってしまってそれが心残り。相方の対応に感謝したい。言葉は間違えてても、体は覚えていて、セリフとジェスチャーが異なっていた。ネタが身体に染み込むとはこのことなのかと初めての体験に少しだけ喜びがそこにあった。

最終順位も2位。1位と大差をつけられてしまったけど、「JAM」という単独で「JAM」というネタでオープニングコントを飾る。ぼくのやりたいことが全てできたし、自分でも凄くてかっこいいことをやったなと思う。だから実質1位だな。よくやった。

そしてライブとしては3本目、ぼくとしては2本目のネタ。七対子で「合コン」。

七対子はもともと漫才をやる予定だったのだが、ネタ締め切りの1週間前くらいにコントがやりたいと言われてそっから急遽作ることになったネタ。

占い番組を見ている時に、占い師って好きな人ができてもその人との相性が悪かったら行かないのかな、行っちゃうのかなと疑問を抱いたのが始まり。そこから占い師の恋愛に焦点を当てて一番面白そうになった合コンと組み合わせてみた。

相方にその時にあったコントの設定を10見せた時にこの占い師の合コンが面白そうということでこれになった。

ただその時はそれが一番まとまっておらず、本当に一からの作り始めただったから一番時間のかかったネタ。大変どころの話じゃなかった。このネタ作るの無理かとと思い、相方に保険のネタを準備させてしまう次第。

悩みに悩み考えた末のあのネタで個人的には初めての女役というものあり結構好きなネタ。オチを思いついた時は電気が走ったくらいの衝撃でニヤニヤが止まらなかった。

ライブでもよくウケていたと思う。大きなボケを溜めて溜めてドン!溜めて溜めてドン!みたいなネタで最初のドン!もちゃんとウケたし、そこから勢いに乗ってやり切ることができた。欲を言えばもっと欲しかった。ドン!がすかしてしまうとネタとしての見応えに欠けるし笑いがそうポンポンあるわけでもないから離れていってしまう。そこはボケの威力、間などがまだまだだったなと実感。

ネタ覚えが大変なネタだったと思うけどしっかりやってくれた相方には感謝をしている。直前までネタが完璧に入ってなかったけど、本番は完璧だった。ありがとう。

オーディションで振るわず、+α枠としてネタができたわけだが結果は7位。オーディションの結果には納得いってなかったが、この結果を見て全て納得した。オーディションで落ちた他のコンビに示しは付かないけど、ぼくはこのネタを単独でやれたことに誇りを持っている。

そして前半戦最後5本目となる、なべぶたで「メリーさん」。

今回ぼくの新コンビとなるなべぶた。コンビ名がとりあえず可愛いのは置いといて、このメリーさんというネタはとにかく部員からの評価が厚かった。

もともと相方とAマッソさんのライブに行く時のバスの中でお化けのネタを考えてるみたいな話をしていたら、メリーさんの話になって、じゃあメリーさんを誑かそう、メリーさんを女にしてやろうと思いついた。

そっからスムーズにネタもできていろんな人に見てもらったけど絶賛。めちゃくちゃ褒められた。シンプルに台本を評価してもらったのがものすごく嬉しくて自分でもそんなにいいのかと焦るくらい。

ただこのネタは爆発する笑いがあるわけでなく、声を出して笑うような感じでもなく、ずっとむずむずとした笑いがあるようなネタとして作っているからその分不安もあった。

いっさい笑い声が返ってこない可能性もあるし、理解が追いつかない可能性もあるかなと。

それでも相方の演技や表現がズバ抜けていたからこそ、あれだけ笑いも取れたし、ハズレがなかった。一つのネタとして見た時に個人的には一番満足感を与えられるネタにできたんじゃないかなと。

完璧なメリーさんをやってくれた相方、マリーさんをやってくれたスタッフ、音響をやってくれたスタッフみんなに多大なる感謝を。ありがとう。

結果も3位と大健闘。こんなネタはもっと作っていきたいなと思えたし、このネタのおかげで自分の可能性を広げることができたと思う。

最後はあらいで「生き別れ」というライブでは休憩明けの6本目のネタ。

休憩明けということでここでまた一つお客さんの心を掴みギアをあげれるようにしなければならないという責任があった。

このネタは第2回単独ライブの時に作っていたネタで、今回やるにあたって掘り起こしたもの。前半はほぼ変えずに後半を一新するくらい。

それでも自分のやるネタの中で個人的には弱く見えた。他のみんなと戦えるには、自分の他のネタと戦えるにはと試行錯誤。それであのスクリーンに思い立った。

オーディションもそこがハネて1位、そしてこの本番でもスクリーンを使ってしっかりハネていた。なんなら拍手笑いがあったんじゃなかいかってくらい。実際他の部員に唯一拍手ありましたよと言われるくらい。それはものすごく嬉しかった。

スクリーンもたまに不備がでるということを耳にしていたため、怖さもあった。テンポよく出したいのにトラブルでスクリーンに映らないこともあるかもしれない。そうなるとこのネタが終わってしまうのは目に見えていた。そのためハプニングが起きても対応できるようにホワイトボード版も用意した。

幸い本番はそのホワイトボードも出番はなく、最高のタイミングでスクリーンを映し出すことができた。このネタを一緒にやってくれた相方はもちろん、照明とスクリーンもやってくれたスタッフにもありがとうと伝えたい。

こうしてぼくの全4ネタが終わり、他のネタもウケにウケ全9ネタが終了。

最後にコーナー。コーナーMCも自分の中ではこれでもかというくらいよくできたし、みんなもお客さんも楽しんで貰えたんじゃないかなと思う。コーナーも一緒に考えてくれたみんなにありがとう。楽しかったね。個人的に平場に課題があったけど、だいぶ克服できたし、MCうまいんかいというお褒めの言葉もあり嬉しかった。自信に変えていこうと思う。

そしてコーナーのMCの時に改めてお客さんの顔を見れた。コント中は見せ方は意識するものの、お客さんの顔色表情なんかは全く見れないので、この時に雲が晴れたようにゆっくりみれた。

あ、あの人きてくれてる!あの人もいる!と全員を把握できなかったものの、誘った人が来てくれていてものすごく嬉しかった。とんでもなく嬉しかった。

そして全体写真をとって第5回単独ライブ「JAM」は幕を閉じた。

お見送りの際も、本当にたくさんの人が来てくれていた。途中で帰るかもと言っていた人が最後まで残ってくれていたり、招待してもこないと思っていた人が来てくれたり、久しぶりに見にきてくれたりと本当に嬉しくて嬉しくて涙が出そうになった。こんなに多くの人に来てくれたのかと。今でも涙が出そうになる。

今までと違い今回のライブは特に自信があったからいつもより強めに来てねと告知して回ったけど、その分多くの人が来てくれて、みんな満足してくれたみたいで死ぬまでお笑いやっていたいなと思った。

「このライブはこないと後悔する」や「過去一で面白かった」とライブをとても評価してくれたり、「コントまじ面白かった」とか「すごすぎた面白すぎたよ」と言ってくれる人も多くて、自己肯定感は上がるし、自信になるし、今までの疲労が回復するし、とても満たされた。

コントを褒めてくれる中で、漫才が見れないの寂しいという声もあり、いつか漫才でもこんなに満足させられるネタを作ってやると決意した。

きてくださった皆さん。本当にありがとうございました。

もしよろしければまた次回以降のライブもCCCもよろしくおねがいします。

いや〜最高のライブだった。

楽しかった。

CCCとして過去一のライブになったと思うし、ぼくもそう思う。新しい歴史の始まり。そんなことすら言えるレベルだったと思う。自分の可能性を見つけることもできたし、自分としても大きく成長できるライブとなった。

しかしここまで大成功に終わってしまうと、次のライブのハードルがバカ上がる。11月の学祭、12月の単独全てでこのライブを上回れるように、もっとグレードアップ、進化できるようにサークル全体で成長していきたいものだ。

もちろんぼくもまだまだ足りていない。

ここで満足せず次のライブに向けてまた頑張ろう。少しでも多くの人を笑顔にできるように、笑わせれるように、今できることを楽しんでやっていこう。

まつうらのこれからも是非お楽しみに。


「第5回単独ライブJAM・下」完。

ここまでご愛読ありがとうございました。

第5回単独ライブJAM・全上中下。とても長かったと思いますが読んで頂き嬉しく思います。書いてよかったと思えます。

感想なんかもあれば言ってくださるとこれからの活力になりますので是非。

また明日からnoteで日記をいつものようになんてことない内容でも書いていきますので、みなさんの隙間時間の暇つぶしにでもなれば嬉しいです。

ありがとうございました。

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