2024年4月9日(火)『バイバイ千綿』

いよいよ今日、新天地である東京に飛び立つ。

23年間すごしてきた千綿に別れを告げる。

圧倒的田舎である千綿。

もちろん名前を出したとこでポカンとされるだけで誰も知らない場所。県民ですらわからないのに県外なんてもう圏外論外。田舎すぎて不便すぎて何度も嫌いになることも勿論。なんの罪もない親を何度も憎んだ。

それでもそんな千綿が大好きだった。

自然が豊かなところも、夕陽が綺麗なところも、鳥が多いところも、いい人たちに恵まれていたことも、終電が早すぎることも、快速が止まらないところも、それなのに駅だけは人気があったことも、コンビニまで徒歩20分なところも、高校でのあだ名が”千綿”になることも、そんな千綿が大好きだった。

それだけ千綿を好きになるのはやっぱり実家の居酒屋である”居酒家まつうら”の存在が大きかったと思う。

居酒屋という性質上、家に帰っても親はお店にいるため家にはいない。幼い時はそれが寂しくて嫌で嫌で仕方なかった。一般家庭に強く憧れてた。でも大きくなるにつれて常連客と仲良くなり、だんだんそこに安心感を感じるようになった。

一回りも二回りも年上のおじさんたち。いつも酔っ払っててカウンター席で飲んでいる。そんな常連客と喋れていたことが少しずつ寂しさを緩和させてくれた。普段生活してる上で関われない人と多く関われて自分の価値観も知見も大きく広がった。剣道の試合で勝てば祝ってくれたし、受験で合格した時も喜んでくれた。そして芸人を志すことを告げた時も応援してくれた。

いつも親密に接してくれるそんな常連客たちをいつのまにか家族のように思っていたのかもしれない。常連客はそんなこと思ってないかもしれないけど、ぼくからしたら兄貴でも父親でもないまた別の家族のかたち。そんなみんなと過ごせたこの20年間は楽しかった。常連客のおかげで居酒屋も千綿も大好きになった。

そして昨日の晩御飯。

この長崎で食べる最後のご飯。

選んだのはもちろん”居酒家まつうら”。

先日のnoteにも書いたが、20年以上住んでいたが実家の居酒屋のご飯をちゃんと食べたことなんておそらく10数回しかない。そのたまに食べれるご飯が嬉しすぎて美味しすぎて、最後はここのご飯を食べると決めていた。

最初は1人で食べる予定が、最後を聞きつけて常連客が数人来てくれた。一緒に飲んで楽しんで、美味しいご飯をお腹いっぱい食べて最高の時間だった。楽しくなりすぎて飲みすぎて吐いたのも最後らしい終わり方。

やっぱりうちの居酒屋が一番だな。

美味しいご飯もお酒も集まってくる人たちもそのお店の雰囲気も。

実家がこの居酒屋で本当に良かった。

この1ヶ月くらいで多くのプレゼントや餞別をいただいた。本当に嬉しい。ありがとうございます。本当にいい人たちに恵まれている。その人達のおかげで今のぼくがある。全てを東京での糧に。この千綿で過ごした23年間を胸に東京でまた頑張ろう。みんなの期待に答えれるように。いつか長崎に帰ってきてみんなを笑わせれるようにね。

両親も心配だろうけど、この道を許してくれたこと本当に感謝してる。最後まで自分勝手で申し訳ないけどこれがぼくだってわかってくれるはず。だって母上に似ちゃったんだから仕方ないよね。見た目は父上似だけど。これ以上は言わない。結果で示すから待っててくれ。父上母上今までありがとう。これからもよろしくね。千綿でよかったよ。松浦家でよかったよ。最高の家庭だったよ。ありがとう。バカ兄上もな。

23年間ありがとうございました!

お世話になりました!

みんなと出会えて良かった!

東京でも頑張ってくるね!

立派な芸人になって売れてやるからね!

誇れる存在になるからね!

千綿のスターになるからね!

また会おうね!

東京に来たら連絡ちょうだいね!

バイバイ長崎!

バイバイ千綿!

バイバイ居酒家まつうら!!

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