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NEW GUNてどんな感じ?〜vol.32〜

6月。

ずっとマスク生活をしていた喉に都会の空気はキツかったのか、喉の調子が徐々に悪くなる。

なんかあったらすぐ先生に報告。何か薬を処方してもらう、という生活。

(土)

このときも抗生物質やら風邪薬やら処方してもらった。薬は毎日何かしら飲むのが習慣になっていて、飲み忘れもほとんどない。真面目に全部飲んだのだけれど、週末の忙しい職場でだんだんと調子が悪くなり、家に着いたらバタンキューだった。

寝起きに検温すると38.8度。その時点で上司にメールし、明日働けないかも…と伝える。

その後どんどん熱は上昇し、39.7度まで上がった。これは人生初の最高数値!元々低体温で、子どもの頃に39度出したのが一番高い熱だったと記憶しているのだが、もう体質も何もかも変わってしまったのだなー、と実感させられる。

体温だけではない。薬は効かないわ、熱は下がらないわ、病気前だったら寝てれば治ったのに免疫という奴が落ちまくっている。40年以上付き合って来た自分の身体に対する理解は何ひとつ役立たない。

(日)

そのまま熱は下がらず、仕事を休んだ。夜中になっても39.6度。これは無理だと旦那に救急外来を探してもらうも大体断られた。
最後のところに電話をした時だけ、電話を代わる。
相手が伝えてくることはどこも
「充分な手当が出来ない」
の一点張り。そこは最後の病院も変わらなかった。

「乳ガンの治療中で先月抗がん剤が終了したばかりなんです。風邪だとは思うんですが、重症化してしまっているんだと思います」

と伝えるも、受け入れてくれる様子はなく、しゃべっていることがしんどくなり、こちらから
「もういいです」
と断ってしまった。すると
「本当に大丈夫?」
と何度も確認され、
(なら最初から受け入れてくれよ!)
と思ったけれど、もう一度様子を見てみると電話を切った。

まあ、大丈夫じゃなくなったら救急車呼ぶわ!という気持ちで電話を切ったんですけどね。

(月)

その後、朝までなんとか寝られて、通常の通院日。旦那に車で送ってもらい病院へ。

ハーセプチンの日だが、これは副作用でまれに発熱がある薬なので、元々熱がある場合は受けられず、診察だけ受けて薬をもらう。

のどの炎症用の抗生物質と風邪薬、汗をかくための漢方をもらって帰宅。

その漢方薬が効いたおかげか、その日は更に記録を更新し39.8度まで上昇!まさに地獄を見る辛さだった。

(火)

38.8度スタート。その後徐々に熱は下がり平熱並に戻って来た。

じゃあ、明日は仕事に行くか!と思うも、まだまだ辛い抗がん剤の副作用の関節痛が熱で悪化し、普通に歩くことがままならず、咳もひどいのでもう一日休むことにした。

(水)

4日間も高熱に冒されたのも人生初だと思う。
仕事に行くためにひたすら寝る。


抗生物質は身体に良くないんじゃないかとか健康なときは思っていたけれど、乳ガンになってからは何かあれば抗生物質だ。命に関わるから断れない。自分で菌を殺す力がないのだから仕方がない。

加齢なんだか、病気なんだか…。

身体の中にはガンはなくても私はガン患者で、ガン患者というのはなんていうか、こういう見えない敵と闘うような生活なんだな、と自分なりに理解するきっかけになった。

また、最近はガン患者というよりもガンサバイバーという言い方をすることが多いのだけれど、まさにサバイバー。生き残るという目的があってこそ!というのはすごく的を得た言葉だな、と思っている。



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