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【居抜きは難しい】飲食店経営の成功ノウハウ!最低限必要な知識その4

一応今回はこれで最後です(笑)

ちょっと情報が重めかもしれませんが頑張ってくださいね。


もくじ

1 撤退条件を決めておく
1.1 経営母体の利益を棄損するなかれ
1.2 有用な税金対策は借金の利息費用のみ
1.3 本業が別の飲食店オーナーは感覚が緩い
2 M&Aを活用する
2.1 始める時に飲食店を買って、撤退する時も飲食店を売る
3 赤字の実態は2つある
3.1 1つ目は会計的な期間損益が赤字のケース
3.2 ヤベェのは2つ目、ランニングコストが赤字のケース
3.3 何をどうやって勉強すれば理解が深まるか?
3.4 以上の事を踏まえた上で成すべきことは
4 粉飾決算は税理士がそそのかす
4.1 その辺のカフェで普通に相談している
4.2 銀行の信用失ったらどうなるかは不明


撤退条件を決めておく

経営母体の利益を棄損するなかれ
たまに「税金対策」と言って財務連結した飲食店の赤字を放置する経営者が居たりしますが、感覚的にヤバいと思います。

世の中には稼げる人稼げない人が居ますし、私はみんなが同じように経済活動すべきだとも思いませんが、本来の税金対策とはかけ離れた単なる怠慢なので、これは国に目を付けられても仕方ないような気がします。

有用な税金対策は借金の利息費用のみ
市場シェアを広げるためとか経営をより強固にするための税金対策というのがあり、これは巨額の借金を抱えることによって発生する利息費用で利益を食い潰すというもので、巨額の資金を必要とするM&Aをやるような会社がよく使う手法なんですね。

先日、ZOZOの前澤社長が「ツイッターを通じて一億円のお年玉を配る(実質的な寄付)」と宣言し、これにより税金を圧縮しつつフォロワー数を記録的に伸ばすことに成功しました。

税金など国に支払っても一銭の得もありませんので、資金調達費用を支払うべき税金から捻出するというのが本来の税金対策なわけです。

本業が別の飲食店オーナーは感覚が緩い
まぁ緩くなけりゃ飲食店に投資しようなんて思いませんわな。

しかし本業が飲食業で、オーナー経営者は話が別です。

死ぬ気で繁盛させなければ後がありませんので、期間的にも資金的にも撤退条件を決めておいた方が良いでしょう。

銀座コリドー街に半年くらいずーっと閑古鳥が鳴いていたのに、いつの間にか大繁盛していた店があります。

もともとカッコイイお店だったから「私もいつか行ってみたい」とは思っていたのですが、未だに行っていないので何があったのかは知りません(笑)

撤退条件は各自で決めていただくとして、少しばかり経営に必要な会計のお話にお付き合いください。

M&Aを活用する

始める時に飲食店を買って、撤退する時も飲食店を売る
その1にてなかなか居抜きの良い案件がないと述べましたが、無いなら居抜きではなくリアルタイムで経営している飲食店を買うというのも1つの手だと思います。

つまり中小企業のM&Aですね。

赤字ギリギリや赤字でやっている飲食店は少なくありません。

また、人材確保や新規顧客の開拓も費用や労力が馬鹿にならないのでそれらをまとめ買いするというのはかなり有用な方法なんじゃないかと私は思うんですね。

要するに中古プライスで飲食店を購入し、売却する時にも中古プライスでキャッシュ(現金)を回収する事が出来るので、実質的な持ち出しがほとんど無いわけです。

中古でROLEXの腕時計を100万円で買って、100万円で売る事が出来れば実質無料で使用出来た事と同じでしょ?

赤字の実態は2つある

1つ目は会計的な期間損益が赤字のケース
利益の計算は会計期間で損益を区切るので、上場企業などは四半期決算が義務付けられていますが、個人の飲食店など中小企業は銀行に提出するための財務諸表を半期か一年で区切ると思います。

中には財務状態を細かく把握したいからと自ら四半期で決算するような奇特な経営者も居るようですが、これは義務ではありません。

期間損益には減価償却費が含まれるのですが、減価償却というのはイニシャルコスト(=初期投資)として機械や設備の購入のために既に支払った費用を国に定められた耐用年数に応じて分割して計上する分のことでして、100万円の機材を購入して耐用年数が5年なら100万円÷5で毎年20万円ずつ費用が生じたことにしましょうねというものです。

支払ったその年に全額を費用として計上するのではなく、毎年分割して発生したことにするというところが期間損益と言われる所以なんですね。

逆に言えば、翌年以降は現金の出費が無いのにも拘わらず20万円費用が発生している事になるので、利益を20万円分圧縮してくれるから支払うべき税金の額がその分だけ小さくなる(≒最初に支払った現金が少しばかり還って来る)というものです。

期間損益と現金収支(キャッシュフロー)は異なるのはこのためなんですね。

期間損益計算においては原価というのも実は商品が売れて初めて費用として計上されるものですので、仕入れに掛かった出費が即費用になるわけじゃないんです。

「じゃ何になるの?オレの現金どこ行ったの?!」と思うでしょうが、これは現金が仕入れた野菜なり肉なりといった資産に交換されたと考えるのです。

まぁイニシャルコスト(初期投資)が多額過ぎて期間利益を圧迫している飲食店がほとんどだと思いますが、投資家にとってはこのような飲食店を安く買い叩く事が出来れば利益を上げやすい、という話になるんです。

売却する方も、ランニングコスト(運営経費)がトントンなら多額過ぎた初期投資の分だけ買い叩かれる程度で済みます。

新築で買った不動産を売るといきなり3割引きになってしまうのと似ていますね(笑)

ヤベェのは2つ目、ランニングコストが赤字のケース
これは分かりやすいと思いますが、ランニングコストが赤字なのはヤバいです。

売上高に対して人件費や家賃、光熱費、売上原価などが過多である場合、減価償却費を計上するまでもなく収支は赤!!

原価償却費を計上してももちろん赤!!

利益が出ていないのでそもそも所得税が発生せず、せっかく原価償却費で圧縮された税金分の現金の還付が受けられるはずのところ、受けられない!!という事にもなってしまうわけです。

死ぬ気で黒字を目指しましょう。

M&Aで飲食店を買うにしても、このようなケースでは顧客、人材、提携金融機関などが確保されてはいるものの使いものにならないので、経営を健全化させるためには真っ先にリストラクチャーが必要になります。

これでは投資家にとって全く投資妙味がありません。

オーナー自らシェフになり利益を上げるためにメニューを刷新しようとしても……顧客層も変わってしまいますし、使えないスタッフが正社員だったりすると簡単に辞めさせるわけにも行かず、資金を投じた側は毎月資金が流出するばかりで気が狂う事になります(笑)

詰み。

何をどうやって勉強すれば理解が深まるか?
中小企業の財務諸表なんて単純なもんですから、飲食店を始める前にみっちり簿記3級をマスターして簡単な財務諸表くらいなら読めるようにしとくと良いでしょうね。

案外、期間損益とキャッシュフローの違いが分かっていなかったり、利益と費用が発生主義でカウントされる事が分かっていなかったりする経営者はメッチャ多いです。

しかし大企業を切り盛りするような経営者には会計のコモンセンスは必須ですので、こんな人は居ないと思います。

中小企業の経営者は自分にも理解出来る目先の税金の事ばかり、キャッシュフローの事ばかりで物を考えがちですが、期間損益計算も同時に考えられなければ数字で経営課題を把握することは出来ないと思います。

以上の事を踏まえた上で成すべきことは
売上を上げることです(笑)

広告し、集客し、そしてたくさんの売上を上げる事が出来ればキャッシュは回りますのでどうにかなるでしょう。

あくまで以上の事を踏まえた上での話ですけども。

粗利益率がなんぼ高くても売上が上がらないことにはどうしようもありませんからね。

粉飾決算は税理士がそそのかす

その辺のカフェで普通に相談している
私が苦学生だった頃ですが、カフェで勉強していると隣で

税理士「じゃ、この辺の数字ちょちょっと弄っときますんで、よろしいですか?」

飲食店経営者「はい、よろしくお願いします!」

という声が聞こえてきて、だいぶ手に汗を握った記憶があります。

考えてもみれば税理士は国の番犬のようなもので、さしずめ会計士は銀行の番犬です。

国は企業が銀行からお金を引っ張って来てでも税金を納めさせる事に成功すれば食いっぱぐれがないわけで、経営者が銀行を騙してでもお金を作る事を是としているんですね。

その証拠に、自己破産すれば銀行からの借金は踏み倒せますが、税金の支払いは逃れる事が出来ません。

数年は赤字のまま経営しておいて、納税額が小さくなるまで銀行を騙して生き延びろって事なんでしょうかね?

誰も粉飾決算した後どうランディングするのかなんて教えてはくれませんから、想像するしかありません。

銀行の信用失ったらどうなるかは不明
ただし、もちろんそんな事をすれば銀行からの信用は失いますし、下手すりゃ銀行まで大損することになるわけですが、税理士ってば手慣れたもんで「大丈夫ですよ、ハイやっときますねー」みたいな顔しているんです。

経営母体が無く、自分自身の信用1つでやって行こうとするとこんな状況にもなるものかと驚きましたが、これがリアルだと思うとゾッとしましたね。

まぁ大事なのは国民生活ですから、国はいざとなれば造幣局に指示して輪転機回してお札を刷ればいいだけという感覚なのでしょう。

苦学の末に銀行の犬に成りたかった私は、その日を境にとっても大人になった気がしたのでした。

その先の事は私には分かりません。

カイジやらナニワ金融道などで一生懸命勉強してみたんですが、まるで希望がなく暗い気持ちになるばかりだったので逃げ切るしかないと思う次第です。

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