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【WEEKLY留学記⑱】(12/17~12/23)

毎週日曜日更新のWEEKLY留学記、今週は大きく遅れてごめんなさい。

しっかりと腰を据えて、ゆっくりと振り返る時間と気分を週末にうまく作れなかったので。言い訳と言えば、言い訳なんですが。

さてさて、もう年の瀬ですね。

節目となる時期が近づくと、ついつい振り返りたくなってしまいます。

今週のWEEKLYはテーマをかっちりと決めずに、8月から始まった留学を振り返ってみたいと思います。

徒然なるままに、スクリーンにむかひて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなくキーボードで書きつけていくので、少々読みづらいかもしれません。

アメリカに上陸する前から小さなトラブルの連続(財政証明、VISA再申請、航空券キャンセルetc)でしたが、秋学期が始まる二日前に着くことができてとりあえずひと安心したのを覚えています。

人生で初めての留学。初めてのアメリカ。初めての時差ボケ。飛行機から降り立ってしばらくの間はなにもかも新鮮に見えました。

それまで自分の中で持ってたアメリカに関する情報やイメージと、アメリカに来て実際に見聞きしたものを、ひとつずつ確認していく作業が楽しくてしょうがなかったです。

アメリカは自由な国だ。多様性がある。みんなフランクで気軽。でも、アジア人に対して差別的なところもある。何でも大きい。食べ物はあんまり美味しくないぞ。ニューヨークは金融の街だ。マンハッタンはアメリカにあるけど、一番アメリカらしくない。アメリカの大学の授業は活発的だ。ジムが大好き。学生はみんな積極的でよく勉強する。

これらのネットで検索すれば出てきそうな薄っぺらい情報を持ってアメリカに来たのですが、正しいものもあれば、あれは意外とそうでもなかったなと生活の中で気付くものもあります。

一例を挙げるなら、アジア人に対する差別。これは正しいけど、間違っていた。

僕が日本を離れる前、留学することに興味ないどころか批判的に考えていた友達と留学の話をしたことがあります。

彼は、世界史で習った、欧米諸国で強く根付いていると言われる白人至上主義や、アメリカでの暮らしている日本人ユーチューバーの体験談を引き合いに出しながら、「理不尽な理由で差別されるような嫌な思いをするなら、俺は別に無理して留学に行かない」と彼なりの意見を言ってくれました。

ほんとにそんなことが頻繫にあるのかもしれない、とアメリカに来るまではぼくも少し心配をしていました。

いざニューヨークに来て、4ヶ月が経ちましたが、悲しいかな、差別はあるっちゃあります。大学の寮の同じ部屋をシェアしていたルームメイトが割とレイシスト(人種差別者)ということが分かりました。

彼は事あるごとに、「あれは南米人だから」とか「君は日本人だから」とロジックが通っていない主張を押しつけたりしてしまう。あ、人種差別ってこれのことかとその時は思いました。

一方、他のスイートメイトはしっかり話が分かる方たちで、それは違うだろと言うところはしっかり言ってくれる。最初の方はぼくも言い返していましたが、そこにエネルギーを割くのは大変だなと思って流すようになりました。

アジア人を差別的に見る人はアメリカにいるという事実は正しい。ですが、アメリカだから、ヨーロッパだから、白人至上主義という思想がそういう地域にはびこっているから、というのは、理由にはならず、むしろそう先入観を持つことが差別的だと気付きました。このルームメイトの彼も、デンマークからの交換留学生ですが、デンマークだからどうこうと言うつもりは全くないです。

つまり、ある人が他人を差別的に扱うかどうかは、その人が国籍や住んでる地域に全く関係なく、それまで受けてきた教育にかかっていると思うのです。

また逆もしかりで、多様性と言った時に、アメリカ全体が多様性溢れる社会だと言い切ってしまうのも、やはり配慮が足りないと思うようになりましたね。

大学や会社など、社会の各組織を企画運営する一人ひとりが、マイノリティが暮らしやすくなるにはどうすればいいかなと考えに考えた設備やサービスが目に見える形で現れているのであって、多様性を広げるも狭めるも個人レベルの話であるはずです。

そう、たしかに国によって、差別的だったり公平的だったりの傾向はあるかもしれないが、国や大陸単位でそういうことを語るのは新たな差別だなと考えるようになりました。(そうやって分けた方がラクなのはたしかなのですが。。。)

と一例を挙げると言ったのに長々と。

ともかく言いたいのは、こうして日本で得た直接的ではない二次情報と、実際に海外で生活する時に直接感じる一次情報を比べたりするのは学び甲斐があって楽しいです。


とは言っても、良くも悪くも新しい環境に慣れてしまいます。


最初に一ヶ月、二ヶ月は、授業も楽しいし、休日も何しようかなって考えたりして、もう毎日ワクワクしてました。なにか新しいことをしたくて仕方がなかった。

そう言えば、買った自転車で、寮からニューヨークシティの間(約200㎞)を一日で往復したりもしたなあ(笑)結局その自転車は10月上旬にパクられちゃいましたが。。

実際新しいことはいっぱい始めました。日本語のティーチングアシスタント(TA)、サークル活動としての和太鼓、中→日の翻訳の仕事、プログラミング言語学習。同時に二つの研究室に顔を出すようになりました。

ここが自分のダメなところでもありますが、ある程度面白いところが分かったなと思ったら、そこで熱がサァーと引いてしまいます。翻訳の仕事も、プログラミングも途中でやめちゃったし。

留学前はね、トビタテのグループで互いの留学計画について話し合いをした時に、メンバーの方から「専門バカになるのはやめよう」というアドバイスをもらいました。

僕自身も、その言葉の意味を理解しているつもりで、この留学は視野を広げるためのステージだと今も思っています。

一方で、好奇心に従ってあれやこれやと色んなものに手を出したのはいいが、深さがないのは、ふとした時に空虚感を感じてしまうことも。自分はこの分野なら誰にも負けないというものない。

やっぱり自分の軸になる専門性はよそ見をせずにじっくりと育てていくものだなと改めて感じますね。まあ、それは大学院の時でもいいかな。


秋学期の後半、だんだんと新しい発見は減って来るんですよね。寮ー教室ー図書館ー食堂の四点移動で、たまにスイートメイトとジムに行くぐらい。刺激的だと思っていた景色もいつの間にか日常のワンシーンへと変わっていきました。

この頃から、あ、積極的に探しにいかないとなと考えるようになりました。

最初に来た時とは動機が違うんですよね。最初は高揚感とともに何でもいいから新しいものを始めてみよう、それで新しいものを吸収しよう、だったけど、ネタ切れになってからは、自分で探しに行ってみたい、に変わりました。

微妙な違いだけど、分かりますかね。いや、自分でもよくわかってないので、あまり考えなくて大丈夫です(笑)

それで、ボスキャリに行こうと思ったり(留学当初は行くつもりはなかった)、ドキュメンタリー作りを始めようと思いましたね。

ボスキャリで出会った、ある会社が僕の中ですごく衝撃的でした。もうすぐ一ヶ月半経つ今でも、じわじわと衝撃を受けているぐらいです。

一番大きかったのは、こんな方たちと一緒に働きたいなと強く思わせてくれたことでした。真っ直ぐ博士課程に進んで、アカデミア就職しか考えていなかった僕ですが、大学卒業後にギャップイヤーを設けて、もっと実社会を見てみたいと思うようになりましたね。

ほんとの意味でこれは視界が広がったなと思います。

あれこれしてるうちに、期末試験が目の前に。

留学当初は、「ネイティブのこいつらに負けないぞ」と意気込んでいたのも、テスト前には弱気になって、「せめて単位は取ろう」へと成り下がってしまったのは、我ながら情けないなと思います。

無事取っていた全部の授業と研究の単位を頂くことができて、GPAも良くはないが、悪くない程度に取れて安心しました。来学期はどうなるかな。


そして、気が付けば別れの時期です。

寮でも、クラスルームでも、できる友達は留学生が多かったです。その三分の一はみんな今学期でそれぞれの国に帰ってしまうので、フェアウェルパーティーを開いたりと、どうしても湿っぽくなっちゃう場面が多い。

学期を通して、英語でお互いの感情を伝えあうことができたのは、自分にとって大切な経験になりました。海外で友達を作るハードルが下がったように思えます。いつも思うけど、友達に教えてもらえることって自分では気づかないことばかりなんですよねぇ。あれ、何の話だ。

とにかく、ニューヨークで最高の友達に出会えて良かったです。あと、言語はほんとに気持ちを伝え合うためのツールで、それ以上でもそれ以下でもないということです。


とまた長々と今週のWEEKLYが終わろうとしています。

WEEKLYという名の自己満になっていないか心配ですが、これを読んでくれた誰かがちょっとやる気になってくれたり、留学に対して興味を持ってくれたら嬉しいですね。

年末年始に向けて忙しくしてる中、立ち止まって読んでくれてありがとう。

また来週!!(来週はちゃんと期限を守るようにしよう笑)

噂のルームメイト なんだかんだ言ってナイスガイなんだけどね







 

君に幸あれ!!!