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転調について

最近、おうち時間は専ら話題のアニメを見ることで暇を潰している。

つい先日、遅ればせながら「東京卍リベンジャーズ」を見た。不良が活躍するアニメなのだが、今流行りのタイムリープ要素も盛り込まれており、1日で最新話まで一気見してしまった。

不良とは無縁の学生時代を過ごしてきた訳だが、登場人物がカッコよくて、完全にハマってしまった。アニメの先の話が気になり、思わず単行本を大人買いしてしまった。

そんな「東京卍リベンジャーズ」なのだが、アニメのオープニングをOfficial髭男dismが歌っている。「Cry Baby」という曲なのだが、この曲がとにかく凄い。

初めて聞いた時は、どことなくメロディーラインが気持ち悪いなと思った。なんかグニャグニャしているというか、一定ではないというか、とてつもない不安定さを感じる。実際、歌詞中に「不安定な」というワードが出てくるのだが、この時のメロディーの不安定感もえげつない。

しかし、オープニングの映像やストーリーの内容と照らし合わせると、その不安定さやグニャグニャ感は、素晴らしいほどフィットしている。回を追うごとにどんどんこの曲にもハマっていった。

この不思議な魅力の根源を探り当てる為に、YouTuberが上げている楽曲解説を見てみた。すると「転調」というワードがたくさん出てきた。

音楽への造詣は深くないのだが、昔父親から長調とか単調とかの話を聞いた気がする。今やその話は忘却の彼方へ行ってしまった訳だが、要は曲の途中で長調やら単調やらを行ったり来たりすることだと理解している。

JPOPなんかでも、終盤の大サビで転調する曲はよく聞く。そういう曲はここで転調したなというのが分かりやすい。ただ「Cry Baby」は4分程度の長さの間に10回以上転調しているらしい。不安定さやグニャグニャ感は、この頻発する転調に由来するらしい。

タイムリープものなので、この曲の転調の如く、主人公達の運命もグニャグニャと変わる。過去と現代を行ったり来たりする様と、長調や単調を行ったり来たりする様がピタッとハマる。

当然、髭男さんもアニメのストーリーを聞いた上で曲を作ったと思うのだが、転調を散りばめることで、世界観を作り上げるという発想が天才的だと改めて実感した。


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