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読んでいない本について堂々と語る  [どうでもいい話]

 ※本書の関係者、愛読者の方、先に謝っておきます。申し訳ありません!

 今回はどうでもいい話です。……[今回は]って書いたけど、普段から重要なことなんて何も書いてないよな……いやそもそも世の中に重要なことなんてそんなにないよな……。

 いつも本の感想を書いている書店員のR.S.です。感想やレビュー、書評も創作と同じで基本的にはルールは(それが優れているかどうかは別として)存在しない、と私は思っています。小説形式にしようが、自分語りのツールにしようが……etc。ただ唯一ルールに近いものがあるとすれば、その本を読んでいる、ということくらいでしょうか。すくなくとも私は、感想の対象にする本は、その作品を否定する場合であっても、最初から最後まで読み切ることを絶対条件にしていました。

 何、当たり前のことを言ってるんだ、と思うかもしれませんが、私は今回、その自分の中にある絶対的なルールを破ろうとしているのです。

 何故か?

 この本のタイトルを見た時、私は絶対に読みたいと思い、中身はすこし確認しましたが結局は読まず、でも今でも読みたくて読みたくて仕方ないのです。でも読んだら負けのような気がするのです。

 そのタイトルは、

 ピエール・バイヤール著/大浦康介訳『読んでいない本について堂々と語る方法』(ちくま学芸文庫)

 ね、面白そうでしょ。この本を読めば、名作とされているけどいまだに読めていない『重力の虹』も『失われた時を求めて』も『アレクサンドリア四重奏』も『豊饒の海』も『ユリシーズ』も『ベルリン・アレクサンダー広場』も『白鯨』も『戦争と平和』も読まずに自在に語れるようになるんですよ!

 読んでみたいなぁ。なんかタイトルに反して内容は超硬派って感じだし……。でも、読むと負けた気が(そもそも本に〈勝ち負け〉って、どういうことだよ、とも思うけど)。

 というわけで、

 面白いよ!(読んでないけど……)。ジェイムズ・ジョイスやウンベルト・エーコなど、ときには難解と称される書物とそれをめぐる読書に関するあれこれを明快に語り尽くした必読の名著だ(多分……)。

 ※読んだ際は、改めて感想書きます。だから許して下さい……。