見出し画像

存在もしていないし、もちろん読めるはずもない本について堂々と語る 番外 「世紀の大駄作」への反論

 先に、こちらを……。

(※ここからはすべて存在しない小説について語っています。)

 前月号にて本誌に寄稿されました書評家、青原由梨氏の書評に対して、作者の都留州戸井氏から反論文が届きました。都留州戸井氏に了承を得て本誌にて掲載することになりました。

 青原由梨様、先日の拙著に対する書評なのですが、わざわざ私の作品のために筆を費やしてくれたことには感謝しますが、あまりに不誠実な内容でしたので反論させていただくことにしました。あれで書評家を名乗れるなんて楽な商売ですね、と思わず言いたくなりましたが、そう言ってしまえば他の書評家の方々に失礼になるのでやめておきます。

 はじめに言っておきますが、私は何も厳しいことを言われたから怒っているのではありません。それはあなたもご存知でしょう? たとえ厳しくても誠実なものであれば、私は甘んじて受けます。私が怒っているのは、恣意的な(あるいは悪意のある)誤読と不誠実な言動に対して怒っているのです。私が言っている意味分かりますよね。もし分からないなら、この仕事辞めたほうがいいと思いますよ。いや、たとえ分かっていたとしても廃業すべきだとは思いますが。

 誤読に関してですが、何故、主人公の妻を《自堕落で鬼嫁タイプ》と書いたのですか。作中からまったく読み取れないと思いますが。わざわざ私は《献身的》で《ときに古臭い考えを相手に押し付ける》という文章まで使って主人公の妻を表現しているのに。

 書き分けが下手とか、主人公に魅力が無いとか、人間が書けていないとかは、主観的な批評としてしっかり受け止め、さらに研鑽していきたいと思っております。ただ、仁奈について《恋人と別れてまで追い掛ける美少女の情熱的な恋》と書かれていましたが、恋人と別れたのは仁奈ではなく、別の登場人物です、本気かそうでないのかは知りませんが、こういう誤読のせいで主観的な批評の信頼性がなくなっていることを肝に命じたほうがいいですよ。

 そして誤読もそうですが、不誠実な態度もひどい。まずラストのネタバレを注意書きもなく行うのは問題だと思います。ミステリじゃないからって良いという理屈にはなりません。まぁそれに関しては嫌だけど倫理感の問題なので我慢します。それよりも許せないのが、あなたへの信用が失墜したあの文章です。《もともと大した著作の無い作家の受け狙いとしか思えない。すくなくとも私が評価することなんて絶対ないだろう、下手くそな作家だ。》という文章。何故、そうやって嘘を吐くんですか? あなたは私の別名義も知っているでしょう? 私への書評いっぱい書いてくれたじゃないですか。それも絶賛の。あれは私の夢だったのですか?

 私の知っているあなたは、作品は批判しても読者を馬鹿にすることなんて無かったのに……。

(編集部注)編集部と都留州戸井氏との話し合いによって削除された一文があります。

[全文が掲載された都留州戸井氏のブログより、最後の一文を抜粋]

 知ってますよ、あなたと今作での私の相方である編集者との噂……それが原因なんでしょうか?