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役にたつ、躍進する年にしよう。

2024年1月1日の午前中、五島列島に住まう従姉妹から電話がかかってきました。新年最初の電話とはいえ、なかなか電話を掛け合う仲でもないので、そういう相手から着信があった時は、薄々案じるものがあるわけで、その予感は的中し、祖母が他界したという訃報だったのでした。2ヶ月前に祖母の米寿を祝うべく親族総出で集まり「まだまだ元気でね」と声をかけたところだったのですが、祖母が弱まる姿を見るにつけ、親族皆この日が決して遠くないことを薄々覚悟させられてはいて。祖母の最後が、苦しまずに他界し、叔母一家と共におせちが最後の晩餐となったと聞いてむしろホッとしましたし、この電話を受けて数時間後、世の中が私たち家族の不幸など可愛いものだと思わせてくるほどに大きな災いに見舞われ続けていて、葬儀準備の傍ら、心の置き所がなかなか定まらない新年を迎えています。

6年前のばあちゃん。かわいいおばあちゃんでした。

そもそも、20年近く住んだ東京を離れて福岡に移住した2023年後半は、自身の心が浮ついているのを切に感じていました。「人生後半戦」と銘打って新しい住処・福岡を選び移住したわけですが、この主たる理由は、新しく始まった一大事業によるものが大きく、ある意味転勤の要素も強いため、まだまだ暮らす場所としての福岡は、僕にとっては未知数です。いくら同級生が多かったたり、いろんな縁が他の地域に比べて多分にあるとはいえ、いつでも会えるコミュニティが20年住んだ東京と同じ程度にあるかというとそういうわけでもなく、またゼロから作っていかねばならないとなると、それはそれで、なかなかのこと。移住者を応援する仕事につきながら、いざ自ら移住してみると感じるものが全然違います。今年はもう少し、福岡に腰を据え、福岡の住民として、心から落ち着く仲間たちを福岡、九州、そしてアジアへ、広げていこうと思っています。またこれまでとは違う動き方になりそうで、僕自身、とても楽しみにしているところです。

デジタルノマドの可能性について語る機会が増えてきました

昨年は、僕にとっては人生で一番のハイライトがたくさんありました。40歳という「不惑」の節目において、まさに惑いをなくし、進むべき方向を見つめ直す良いきっかけがたくさんありました。5年前から言い続けた、デジタルノマド(場所にとらわれず働くスタイルで国境をこえて移動しうるプロフェッショナル)の可能性。これに不惑の道を見出し、突き進んだ結果、福岡市がこれに手を差し伸べてくれたのです。デジタルノマドの誘致を通じて、経済的、社会的なインパクトを生み出す取り組みは、当初の期待値を大きく超える結果を生み出すことができました。

同時に30名以上の外国人(総勢49名)を抱えて、1ヶ月の間、福岡市で共に暮らすという前代未聞のプログラムがColive Fukuokaです。昼はリモートワークで海外のクライアントと繋ぎ、プライベート時間は、福岡の住民として暮らすように楽しむ仕組み。とはいえ、1ヶ月は長いようで短いですから、その中に、福岡そして九州の魅力を伝えていく。観光だけではなく、より地域に根ざした、持続可能な関係性にしていくべく、スタートアップとのビジネスマッチングや、空き家問題のような社会課題との接点まで、1ヶ月の間に我々が用意したコンテンツは数えれば60ありました。

めちゃくちゃやりがいがあり、めちゃくちゃに意義も感じ、めちゃくちゃに個人的な楽しさがあったのですが、いやぁ、これは本当に大変でした。何が大変って思っていた何百倍も、翻訳が大変でした。直訳ではきっと理解が進まない、共有知のない相手に伝える「日本」の難しさたるや。これが30人いるわけで。10日経った頃には、体調も崩し、声を失いました。声が全く出なくなったのです。あれこれ丁寧に僕が英語に翻訳するもんだから、参加者からも冗談混じりに「Ryoがまた翻訳させられている!申し訳ない!」と心配されるくらい。

僕は帰国子女でもなければ、留学経験もないですから、みなさんと同じ高校英語教育のみで彼らに挑んでいました。それでも温泉に行けば「これはナトリウムが、硫黄が」と説明し、お茶畑に行けば「旨味と苦味のバランスに、渋みが相まって」と説明し(「渋み」と「苦味」の違いは、もはや日本語でも説明ができなくないですか?笑)城に行けば、江戸幕府の歴史背景を説明しないと通じないわけで、九州にいながら一気に英語力の特訓になったというのが、まずもって、単純に、成長や変化を感じるポイントだったりします。

Osera Ryo on Instagram: "改めて地元・九州に感動したのが、嬉野温泉での茶体験。夕焼けの黄昏時に、丘上の茶畑の真ん中に用意された舞台で、実際にお茶を育てる茶農家さんが茶師となり、3種のお茶を入れてくれるんです。 いろんなしがらみがあって茶葉自体の値段が上げられない茶業界。そうなれば、茶を飲む体験に付加価値をつけようという取り組みです。神秘的で、日本人の僕にも最高の「高付加価値化」の成功例を感じられた感じ。こゆことか、高付加価値化とは!と。 #ColiveFukuoka に滞在する訪日外国人たちをお連れしたのはよかったものの、通訳をしなきゃいけないから大変。茶の世界を事前勉強も無しに通訳に臨むなんて、そもそも無理難題で、さらに味覚の話になると、もうお手上げ。「苦味」が出ないように「渋み」を残しながら、温度を抑えて「旨み」をだす????さぁ、何と英語で説明すればいいやら。w (いまだに答えはわからない) こうもああもしながら、日本語でも説明ができない表現を、英語にさせられる経験。笑 世界と日本の境目をなくすべく、 今日も僕は英語で頑張ります。 📍Tea Tourism @soejimaen @wayayabesso_official 🏷️ #colivefukuoka #teaceremony #teatourism ureshino #嬉野茶 #副島園 #天茶台" 122 likes, 4 comments - ryosera_jp on November 6, 2023: "改めて地 www.instagram.com

英語にすると見えてくる「日本」再発見。外国人の友人と神社に行ってみてください。そして伊弉諾命、伊邪那美命、天照大神、大和武尊命について、我々は、どれほどに(日本語だとしても)説明ができるだろうか。「外」と触れてこそ「内」を知れる。日本が好きなら、外に出ろ。きっともっと日本を好きになる。日本を知れる。生まれた国のことを、日本人はもっと知るべきだと、自戒の念も込めて、切に感じます。アウェイに自分の身を置くことこそ、成長の最良・最速メソッドです。

あれだけ大変だったColive Fukuokaは、なんだかんだ今年も開催をする予定です。世界中から場所にとらわれずに働くプロフェッショナルが福岡に集まります。ぜひ、この機会をみなさんの今年の成長につなげてください。人口減少、少子高齢の国の内需だけで経済を維持するのは、到底不可能です。必ず、国境を越えた活動から目を背けては行けないし、既に世界はその中で経済活動を行なっています。そして、海を超えることこそ、母国を振り返り、強くするきっかけになると信じています。

厄年だから払ったほうがいいんじゃないか、などと思っていたところ、払う必要なんかないよというエピソードを聞きました。役に立つ年なんだから、払ったらもったいない、と。世界に躍び周る飛躍の年なんだから、払ったら躍べなくなるよ、と。わお、そういうの、大好きだ。地震も、事故も、それをどう捉えるかは人次第ですが、僕は「変化のきっかけ」として前向きに捉える方を良しと思います。

福岡から始まる、飛躍が、東京とはどう違ってくるのか、楽しみにしながら、新しい2024年のチャレンジを続けていきたいと思います。どうぞ今年もよろしくお願いいたします。

Be where you are meant to be.

Ryo Osera




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