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道東の魅力、気持ちのいい「公平感」

生まれながらにして「ちがい」がある世界に暮らすことが所与でありながら「不平等」「不公平」だと声を上げたものが権利を勝ち取るパラドックスに僕たちは暮らしている。「ちがい」が正当な世界と、「ちがい」が不当な世界は、奇しくも同じ次元に存在していて、僕たちは、人と違う自分を正当化し、人と違う自分に不満を抱いて暮らしている。時と場合で使い分け、時と場合で理解を超えたことが起きる。

誰かと比較しながら「ちがい」を感じて暮らす日々、これがどれほどにちっぽけなのだろうか。そう感じさせてくれるのが、この道東という大地だなぁ、と1か月過ごして、改めて。この地球(ほし)に生きる、既知の生物総種数、約175万種。その175万分の1でしかないヒトという生物は、ヒグマの前に出れば生態系ヒエラルキーに従うべく食われ、大寒波に遭えば他の生き物と同じように凍え死んでしまうんですよね。

美しく、そして恐ろしい  photo by @merahiroyuki

180センチだろうと、150センチだろうと、オス(男)だろうと、メス(女)だろうと、ヒトという生物が、ここ数千年の間に作り出した資本主義だの、デジタル技術だのと言った能書きは、クマの前には意味をなさず、太陽の前では無力でしかない。1億円を献上しようと、明日の天気は変えられない(今のところ)。100円しか持っておらずとも1億円持っている人が見れなかったような絶景に出くわすかもしれない。

日本の原風景もとい、この地球(ほし)の原風景が広がる、道東の大地を眺めていると、お金を持つ、持たないの社会とは異なる世界線がえがかれていることを、まざまざと気付かされるんです。

流氷の上に足を踏み入れた瞬間に青空が広がった「流氷ウォーク」 photo by @photographer_yukiueda

誰しもが公平で平等に、この地の恩恵を受けられる。
誰しもが公平で平等に、この地の荒ぶりを耐えなければならない。
日々絶景を届けてくれる、道東という大地の「表情」に
一喜一憂する世界線。
そこには一銭の支払いも発生しようがない世界が、あるんです。

道東の魅力は、我々が、日々どこそこで感じている現代社会への小さな違和感を、思い切り朗らかに「It's a piece of cake!(どーでもよ!)」と伝えてくれるところにあり、そしてその平等の世界に暮らすヒトが、とてもカッコ良くみえ、憧れるのです。

#余白をえがく道東旅


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