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アキレスを守れ!!!

私はこれまでバスケットボールやバレーボールなどの現場に行く中で

『ジャンプ力を上げてほしい』

と依頼されることが数多くあります。



そういった依頼をされる度に指導者にお話するネタがある。

それは

『実は自分、アキレス腱断裂したことあるんです。』

という話だ。


理学療法士の養成校学生時代、

まだ現役でバスケットボールの競技していて

夜間部の学校だったので昼間はスポーツトレーナーとして

アルバイトをしていた。


私は自分の選手としての長所はジャンプ力にあると自負していた。


アスレティックトレーナーの養成校時代も

縄跳びの3重跳びが学校で一番回数が重ねられ

当時楽々50回以上、調子のいい時には100回近く跳べていた。


スポーツトレーナーとして様々なトレーニングを自身の身体で実践していた時

もっとジャンプ力を上げたいと思い

腱の弾性を更に活かすようなプライオメトリクストレーニングを

積極的に導入していた。


徐々にジャンプ力が上がってきたなと感じていた頃

ちょうど今くらいの季節だったと思う。


バスケットの試合中、終盤の場面でバックランからの切り返しで

『バン!!!』

後ろから思いっきり足を蹴られたように感じて振り返ると

誰もいない

自分の足をみて・・・。

天を見上げた。



足も痛かったが

心が痛かった。

時間帯や場面的にアップ不足という要因は考えにくく

単に過度な負担がかかっており遅かれ早かれ受傷していたと思う。



もちろんそれは強化トレーニングに対して

まったくケアを怠っていたからである。



そういった経験があったこともありスポーツ整形外科に

理学療法士として勤務してからは積極的にアキレス腱断裂の症例を担当した。


身近に感じることができたし、何より少しでも再受賞のリスクを抑えながら

復帰して欲しいと、他の怪我よりも思えた。


バスケット、バレーボール、バドミントン、テニス、やり投げという選手もいた。


スポーツ現場に出て、ジャンプ力を上げてほしいと言われても

すぐにプライオメトリクストレーニングや

縄跳びなどを導入することはなくなった。



それ以外の方法でジャンプ力が上げられる方法を学び

ケア方法やアキレス腱以外に身体にあるバネ機能を最大化する方法を伝えた。
※実際にそういった手法は数多くあり、今後noteでもご紹介していきたいと思う


アキレス腱は一度断裂すると本来に意味では元どおりにはならない。


それどころか、リハビリ期に反対側にかかる負荷の問題で

特に反対側の再受傷リスクがある。

ちなみに私はアキレス腱を断裂した反対側の膝を高校時代に手術しており

松葉杖期間中に動きすぎた影響で古傷の左膝の状態を悪化させてしまった。



アキレス腱に対する負荷をかければ

一時的にジャンプ力はあがるだろう。


でもアキレス腱を切ってしまっては本末転倒だ。


強化には常にリスクが付き纏うが、そのリスクを最小化する為の

身体環境作りや前提条件を整えること、局所への強化以外の手法習得など

十分に考慮してアキレスと向き合ってほしい。



私は今、自分がアキレス腱を断裂してよかったと

心の底から思っている。


ほぼ毎日自分のアキレス腱を触り、ケアをしている。


まだまだ、もっともっと

跳ねていきたいから。



そして私は今までスポーツトレーナーとして活動して16年近くになるが

サポートチームからアキレス腱断裂の選手を1名も出していない。



長くなりましたが、最後までお読み頂きありがとうございました。


GMを務めるフィットネス複合施設

LibreBody(リブレボディ)


統括部長を務めるスポーツトレーナー協会

(株)JARTA international


代表を務めるうどん県うんどう会HP


http://udonken-undoukai.com

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