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THE W 2022 感想

 昨年の大会から打って変わり、今大会は公式サポーターが就き、決勝進出者が10組→12組に増え、ブロック分けも3ブロック制になるなど変更点が増え、開催が進むにつれて私自身とても熱を帯びていた。決勝進出者の顔ぶれを見ても、名実ともに優れたコンビ今大会をきっかけに大きく羽ばたきそうな者まで揃っておりとても楽しみにしていた。

A-1 TEAM BANANA 漫才
 オンナにしか描けないダークな部分のやりとりを見せつつも「私事ですが」といった言葉の綾を使った技巧派な漫才で面白かった。みなが知る有名人の名前を出すことでネタに幅ができ、想像を何倍にも膨らませる面白さもあった。

A-2 ヨネダ2000  コント
 このネタの時、我が家も絶賛夕飯時であった。先が読めなさすぎる展開が続くネタで展開が起きるたびに笑った。物語が進むにつれてスポットライト愛さん誠さんの両方を行き来してそれぞれのストーリーに奥行きが増し、面白かった。

A-3 さとなかほがらか コント
 日常に潜んでいる細かいけどわかりやすいネタで面白かった。短い分数の中であそこまで描けて、オーケストラ紹介や周りの人を巻き込んだ展開を作り発想力が秀でていると感じた。あのネタをもっと長尺で見てみたい

A-4 Aマッソ  コント
 時世をうまく取り入れたネタでさすがAマッソと感じさせる内容であった。移動時の勢いや履歴書の出し方など箱の中にいることを存分に使ったネタ、箱の中にいる人にしかできない動きでそこの展開で笑いを取りに行くのもさすがと感じた。村上さんの表情も相まってとても面白かった。

※Aブロック決勝進出はヨネダ2000

B-1 天才ピアニスト  コント
 どこかにいそうな、ありそうな情景コント。心地よい速度でくる小ボケ視聴者目線で訴えかけてくるツッコミで笑いが倍増していた。親近感の湧きやすい設定の上、ボケ・ツッコミ・テンポ・展開のすべてが見事にハマっていて賞レースにおいて理想的なコントだった。

B-2 爛々  漫才
 コテコテの大阪漫才年齢や職業というものに対する世間の概念・固定観念をうまくネタに織り込み使っていた。テンポやテンションの抑揚を少し変えたら、大化けしそうな感じを受けた。

B-3 スパイク  コント
 憑依型のコント。日常の世界観の松浦さん非日常のお嬢様の小川さんとの対比がうまく現れていた。すごくありそうな人柄の設定が感情移入しやすく面白みが増した点であった。個人的には、鳥を大事にしているところがすごく好き。

B-4 フタリシズカかりこる  コント
 現代をうまく活かした設定のコント。ボイスチェンジャーや途中のトラブルありきで進んでいき展開の幅を持たせてすごく練り込まれていたと思う。かりこるさんの生の声を生かしてネタに取り入れるともっと跳ねたのかなといった印象も受けた。

※Bブロック決勝進出は天才ピアニスト

C-1 河邑ミク  コント
 河邑ミクの持つあざとさが最大に活きたネタ。お笑いの賞レースなのにきゅんきゅんする要素満載で一時賞レースということを忘れてしまうほどであった。BGMも相まって余計にキャラが際立っていて彼女だからこそ輝くネタだなぁと感心した。

C-2 エルフ  コント
 ギャルキャラの強みを思いっきり利用したネタですんなりと視聴者にネタの世界へ誘った。「わからん!」の一言で場の空気感が変わった感じがした。「わかったのあとに当たり前に思ってそうなことを溜めてハッキリと言うことであんな面白くなるんだという新発見もあった。温もりを感じたときのはるさんの顔、好き

C-3 紅しょうが  コント
 オトコには描けない女子目線ならではの世界観かつ紅しょうが二人のパワフルさも絶妙にマッチしてとても面白かった。華やかなTHE Wの舞台上なのに夜更けの薄暗い路地裏が見えた。細かく張られた伏線もうまく回収していき厚みが増して面白かった。

C-4 にぼしいわし  漫才
 一つ一つのワードのパンチ力がえげつなかった。ワードのインパクトや世界観そのものが強すぎて場にうまくハマらなかった感は否めないが、個人的にはすごく好きな漫才。ワードの持つ意味や言葉がすべて伝わりきった時には大大大化けすると思った

※Cブロック決勝進出は紅しょうが

<最終決戦>
紅しょうが  漫才
 喋るテンションの温度差の緩急を利用したネタで後半にかけてヒートアップしていきこれぞ紅しょうがといったネタ。小さなあるあるネタを織り込んで観客を巻き込むスタイルで面白かった。ワンマンプレーでなく、二人のパワフルさが全面に出てたところもよかった。

天才ピアニスト  コント
 現実逃避でVRに逃げるという発想が天才的細かなツッコミが毎回ピンポイントで的を得てきて、やりとりが心地よく好きな笑いであった。一瞬ボケとツッコミが入れ替わる展開もあって幅が効いているなぁと感心した。

ヨネダ2000  コント
 初っ端からインパクト大。帽子を何番目に被せるかなどモヒカンを有効に使った小ボケもあり、大胆なように見えて緻密なネタのようにも感じた。最後にはパラパラを持ってきて視聴者を大いに引き込んでいた。

 出場したファイナリスト全組が得点に差はついていたもののそれぞれの個性を全面に出せていたと思う。目に現れる点数ほど全組の差はない。優勝を勝ち取った天才ピアニスト以外にもこれから各メディアで多く取り上げられる組はいると思う。むしろ多くのメディアで取り上げてほしい

 何はともあれ天才ピアニスト、優勝おめでとう!!

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