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家族とお金と幸せと#3 「日本の相続税高すぎる問題」

こんにちは!
ENMANの今井です。

前回のnoteはいかがだったでしょうか?
「まだ読んでいないよ」という方、
「どんな話だったっけ?」という方は
ぜひこちらから!

今回は「家族とお金と幸せと」の連載第3弾として、
相続税の話について書いていきたいと思います。
第2弾で予告してから少し時間空いてしまってすみません、、、汗

生前の間は資産の凍結を防いだり、適切に管理・運用するということが大事ですが、死後の相続もやはり皆さん気になる部分かなと思います。

というわけで、
「日本の相続税って、どのくらいなの?」
「どうすれば相続税を抑えられるの?」
などについて初歩的な部分をできるだけ分かりやすく、ご紹介できればと思います。

なお、今回法律の話が多く出てきます。
関心がある方はご自身で調べたり、弁護士さんなど法律家の方にお問い合わせいただくようよろしくお願いいたします。

今回は5分程度で読める分量になっています。
お手すきの際に楽しんでください。

それでは本編どうぞ!


日本の相続税は高いの?

前回のnoteでも日米比較をしましたが、日本の相続税って世界的に見てどのくらい高いかご存じですか?

以下はOECD加盟国の主だった国を比較した表になります。

比べてみると、なんと最高税率は日本が55%と最も高いです…!
また、基礎控除や配偶者控除などの金額も限定的です。
例えば、フランス・アメリカ・イギリスは配偶者については全額控除になるなど、日本とは大きく異なります。

ちなみに、世界で最も低い相続税率は何%かご存じですか?

ちょっと意地悪な質問でしたが、実は相続税がない国(0%)の国がいくつも存在します。

相続税がない国として有名なのはシンガポールやマレーシア、香港、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、スウェーデンなどです。
この中には、もともと相続税があったけれど廃止した、という国もあります。
オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、スウェーデンなど。
うらやましいですね、、、笑

NISAや投資信託など長期投資は複利で資産が膨らんでいきますが、親から子、子から孫へと引き継がれる資産もいわば長期投資なわけですから、いかに資産を守るか(税金で持っていかれないか)は大事な視点だと思います。

ちなみに、日本の相続税は2015年に改正されました。

改正前後の比較をすると、

 改正前:5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)
 ↓
 改正後:3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

と明らかな改悪…

これにより相続税の課税対象となる方は2倍になりました。
今後さらなる相続税の改正(改悪)もないとは言い切れません。
「自分はそんなに持っていないから関係ない」と勉強しておかないと痛い目に遭うかもしれませんので、くれぐれもお気を付けを。

どうやって相続税を抑える?

では、どうやって相続税を抑えるか、です。

まず真っ先に思うのは相続税がない国に引っ越すことです。
有名な話でいうと、「武富士贈与税事件」ですね!
武富士の会長が長男に対し、外国法人にかかる出資持分を贈与したのですが、その際、長男は香港に滞在し、「生活の本拠は日本にはない」という外形を整えたことで無償で1,653億円もの莫大な経済的価値を親から承継しました。

国税が最高裁まで争いましたが、結局敗訴。
鮮やかな税逃れ(脱税ではない)ができたケースになります。

ただし、この武富士事件を機に、海外移住による税逃れを防ぐ方向で制度が厳しくなりました。
実際に海外移住を検討される方は、法制度の確認も含めて慎重に対応されることをお勧めします。

では、国内にいながら、相続税を抑える方法はどのようなものがあるでしょうか?
基礎控除の計算式を思い返すと、大きく2つの方向性で相続税を抑えることが考えられます。

【相続する財産】ー【基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)】ですから、そもそもの相続する財産を減らしたり、基礎控除額を増やせば相続税の対象が小さくなる=相続税対策になる、というわけです。

では、以下でそれぞれもう少し詳しく見ていきましょう。

①相続する財産を減らす

相続する財産を減らすには、以下のような手法があります。

  1. 生前贈与

  2. お墓や仏具を生前に購入

  3. 所有している土地に賃貸アパートを建設

  4. タワーマンション(タワマン)の購入

  5. 保険の非課税枠活用

  6. 子どもや孫に保険

  7. 保険金を一時所得として収受

  8. 相続税申告のための税理士報酬の前払い

  9. 日々の消費額を増加(旅行、食事など)

一つ一つ紹介すると、膨大な量になってしまいますので、
まずは「へぇそんなのがあるんだ」でも構いません。
色々あること、ご自身の希望や資産の持ち方に合わせて組み合わせていただくことが出来ることを知っていただければ幸いです。

また、前回のnoteでも触れましたが、タワマン購入による相続税対策にはメスが入ります。
武富士事件を機に海外移住による税逃れに対策が講じられたのと同様、今後も相続税対策と相続税の制度変更のいたちごっこが起きる可能性がありますので、気になる方は早めに対策をして、改悪前にできるだけ多くのメリットを受けていただければと思います。

②法定相続人の数を増やす

法定相続人を増やす手段として、養子縁組の活用があります。
「法定相続人になれない人(代表例としては孫)」と養子縁組することで、法定相続人にすることが出来るのです。

ただし、養子縁組の活用にも一定の制限があるので注意が必要です。
民法上は養子が何人いても問題ないのですが、
相続税法上で認められる養子の人数には制限があります。

【相続税法上の養子の取扱い】
・実子がいる場合:養子は1人まで法定相続人として計算される
・実子がいない場合:養子は2人まで法定相続人として計算される

なので、極端な話、「養子は何人いてもいいはず!」と思い、相続税対策で養子縁組で養子を10人増やしても、お子さんがいらっしゃればそのうちの1人しか法定相続人にならない、ということですのでお気を付けください。

親子で幸せな相続にするには?

ここまで、日本の相続税の重さ、それを回避するための対策についてお話してきました。
ただ、残念ながら多くのご家庭では親世代(相続される側)はこのあたりの関心をお持ちでも子世代(相続する側)の関心が高くないことが多いです。

そのため、親世代が必死に相続税対策をしたのに、娘・息子からなんでそんな無駄遣いするんだと怒られてしまい、なんてケースも…

また、「相続する財産を減らす」のコーナーでも書きましたが、子世代に財産を渡していく他にも、ご自身(親世代)のために使っていただくことももちろん相続する財産を減らす手段として考えていただきたいです。

これまでお話を伺った方も、「結婚してから色んな我慢をして生きてきた。子どもが生まれてから色んなことを我慢して生きてきた。でもパートナーのため、子のためを思えば頑張れた」とおっしゃる方が本当に多かったです。

そんな自分に、パートナーの方にご褒美があってもいいのではないでしょうか?


いかがでしたでしょうか?

今回は相続税対策について簡単に書かせていただきました。

ただ、子世代が何をどのくらい残してほしいのかも不明な中で、とにかく対策、対策というのもちょっと寂しいかもしれません。
是非、資産の残し方と使い方、双方を親子でお話いただければと思います。
それが、幸せな相続につながるはずです。

次回は、「資産について親子で話す方法」について改めて書いてみようと思います。

今回も読んでいただきありがとうございました!
発見があった、分かりやすかった、などあれば是非スキ・フォロー、Twitter(X)のDMなどよろしくお願いいたします!

では、また次回のnoteで!

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