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会社の生き残りをかけて、印刷業からマーケティング業への転換の軌跡

実は50歳の会社

まずは自己紹介から。ワンマーケティングという名前でBtoB企業のマーケティングをご支援している会社の代表を務めているものです。

当社は、僕の父が印刷業として創業した会社で、去年50歳を迎えた実は古い会社です。50周年というと26684社(東京商工リサーチ調査)だそうです。東京商工リサーチのデータだと410万社が日本の法人数ですから、自分で言うのも何ですが大したもんです。というか親父スゲーよ、と言わざるを得ません。ちなみに左がうちの親父でいまは会長で在籍いただいてます。

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僕自身は大学卒業後は新卒で、自然の成り行きで中堅の某印刷会社に就職したわけですが、この会社が結構やばい会社で大変でした。その反面、営業ってめっちゃ面白い、と思ったのもその会社のおかげでした。

当時は四季報片手に飛び込みばっかり。とにかく会社からもらったお客さんは皆無の環境だったから、とにかく新規営業です。しかもリストもターゲット企業も武器もない状態からです。
先輩に教えてもらったのは受付行ったら、まず周りを見回して、ファーストコンタクトのネタを見つけろと言われたこと。名刺を目の前で捨てられたこともあるし、めっちゃ怒られたことも山ほどありました。

それでも、とにかく仕事が獲れた時の嬉しさと、そして自分なりに法則みたいなものがわかり出してからは、営業がめっちゃ面白くなりました。

そんなこんなで、何も考えずにひたすら営業を続けていくことから始めて、うちのお客さんってどんな人?お客さんってどうやって会えるのか?に変わって、お客さんは何を求めてるのかなーって、悩んで、考えて、試していって、やればやらほど、どんどん効率が良くなっていくことに気づき始めたのが、営業を10年くらいやってからです。

気づくのが遅い!

ですが、知らずに、まぁマーケティング的なことをやってたんです。

お客さんってどんな人、どうやって会う?

当時、僕が考えたお客さんのイメージって、明確にありまして、『製造業で展示会の出展計画をしている人』でした。この人の多くはカタログなども発注していることが多かったので、そんなお客さんって電話とか飛び込みだと、なかなか会えないよなーって。

じゃあ、どうやって会う?って考えた末、展示会に行けばいいじゃん、ということになりまして、展示会の初日に行って、逆営業しまくり^_^
これは楽勝だわー!さらに担当者に会うために、展示会当日ではなく、前日の立て込み中に行ったりなんかして、営業をしていったのを覚えてます。

実は、この営業手法、展示会業者なら、まぁ当たり前にやっている営業活動なんですが、当時の私にとって営業に成功法があることに気づいた瞬間でした。そこからは印刷だけでなく、展示会の担当者だから、展示会の仕事もいただくようになって、お手伝いできることの幅がかなりひろがっていきました。

とにかく当時の僕は、千ミツ、百ミツという世界をいかに効率よく営業ができるか、をゲームのように追い求めていたのです。

内なるニーズを探し当てる

どんな人に、何を提案すれば買ってくれるのか?
つまりお客さんが何を求めているか?が重要なわけです。

至極、当たり前の話ですが、でもお客さんがすでに求めているものを提案したところでインパクトは無いわけです。たとえ、提案ができてもガチンコの競合・・・。印刷のようなコモディティ化した業界の中で、これは当社のなかでも大きな課題でした。そう、いかに競合を外していくか、です。

でも待てよ、競争相手は誰かが重要ではなく、お客さんが誰で、その人は何を欲しているのか、漠然としてて、モヤっとしていてまだ、明快な解決策がないこと、それが重要なんじゃないの?とふと気づいたんです。

ずっと長い間、悩みつづけ、モヤモヤしたころに出会ったのが、マーケティングでした。

しかもBtoBです。
大阪ということもあり、製造業が多く、その悩みは、自分たちが今までやってきた展示会や印刷物の成果が、よく分からないということでした。

名刺を獲得しても営業に繋がらない。
格好いいブースを作っても自己満足に過ぎない。
何のための展示会出展なのかわからない。

けっこうな費用をかけて何のためにやっているのか、とにかく次に何をしてよいかよく分からないというのが、彼らの悩みだったのです。

これはビジネスになる!という直感。
しかもそこに気づいている会社は、まだまだ少ないんじゃ無いか、という期待感。

それでも事業を転換するといのは一大事。父が作り上げたものを壊すわけですから。そりゃ、議論もしましたし、時には大ゲンカも^_^

BtoBマーケティング会社への転身

最終的に「事業を転換」することに対して、背中を押したのは、何回か社外報を作って、既存のお客様に届けてみたら、これがけっこうな反響をいただいたこと。今見ればチープな内容ですが、面白いっていうメッセージをたくさんいただきました。

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そしてもう一つは出会いと体験。
マーケティングとは無縁の会社だったので、当時はホント死に物狂いで、勉強しました。そして色々な人にお話を聞きに行きました。
当時はまだガイアックスにいた栗原さん(いまはSAIRU)や、Ciscoの中東さん(いまはKDDI)にも、アポとって話を聞きに行きましたし、もちろんシンフォニーマーケティングの庭山さんやnexalの上島さんのセミナーには、よく行きました。

特に高広さん主催のインバウンドマーケティングのイベント参加(たしか2013年ごろで有料のイベントだった)は、僕にとって衝撃でした!あれに参加してなければ、いまは無いかなー。(高広さんには、まだお会いしたことはないんですが。)
とにかくめちゃくちゃカッコいいイベントだったんです。

Facebookに投稿した写真を発見(2013年2月25日)画像3

そのとき単純に思ったのは、こんなにマーケティングに関心がある人がいるんだ、と。そして、あとHubspot、こういったツールが今後、BtoB企業にとって、欠かせないものになるなーと、直観的に感じる体験でした。

まとめ

事業転換、そして社名変更は、当社と私にとって大きな転機となったのです。

上がるエスカレーターに乗ること。
下がるエスカレーターからは降りること。

神田昌典さんの書籍にあった内容ですが、これはホントその通りです。
めちゃくちゃ上がっているか?は不明ですが^_^。

今後、下がるようなら上がっているところに乗り換えれば良い。これが経営なんだなー、と。

あともう一つは、その上がる先に何があるのかも重要かなーと。
私が何をしたいのか、そしてこの会社をどうしていきたいのか。
単にお金儲けだけではない何か大切なものを持つことも、経営はとても重要なことだと思っています。

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