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あえてTOPと育成を分ける!?ブラジル1部・ECバイーアのプレーモデル活用法

今回の記事のメインテーマは、僕も所属した"ブラジル1部・ECバイーアのプレーモデル活用法"


ECバイーアのプレーモデルを一言で表すなら"フィジカルを活かしたカウンター"

ただし、この背景にある歴史などを紐解くと、もう少し面白いものも見えてきます。

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⑴順位

ECバイーアはブラジルリーグを59年と88年に2度制した事があります。
とは言え時代は移り変わり、当時と違ってサッカーにも多くのお金が流れ込む様になってからは、貧困率の高いサルバドール市に本拠を置くチームの資金力ではなかなか都会のBIGクラブに対抗出来ず、基本的には1部リーグ残留争いになります。

そのため、カウンター戦術という流れになります。


⑵街の伝統と文化

ECバイーアのあるサウバドール市は、歴史的には黒人奴隷の街。

街には奴隷の歴史を表す建造物があります。
実はカポエイラも、武器を持たない奴隷が身を守るための格闘技として側面、しかし支配者にバレずに練習するために「ダンスしているだけ」と見せる側面、その両面を合わせ持った特徴があります。


奴隷として肉体労働をさせられ、教育も受けず、教育を受ける重要性も稼ぎ方もお金も持っていない人が多くなってしまったわけなので、その連鎖は現代でも続いています。


黒人としての身体能力の高さという強みと、貧困や教育の不足という問題がこの街の特徴です。


なので身体能力を活かし、しかし技術と判断には劣るので、カウンターを戦術とするというのは自然な流れなのかも知れません。

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街が貧乏でもブラジルはサッカーが人気なので意外とお金が集まる。しかしBIGクラブと比べた時にはやはり資金力では勝てない。

🌟TOPチームと育成部のゲームモデルを分ける

ECバイーアはカウンターをゲームモデルとしていると書きました。
ただそれはTOPチームのお話。


育成部では、足りないからこそ、あえて戦術や技術、インテリジェンスの部分にフォーカスしてトレーニングしています。
勿論筋トレや食事などのフィジカルの部分もやった上での話です。


既に身体能力に優れた原石が沢山いるので、足りない部分を補えば自然と優秀な選手を輩出出来るでしょう。


ホッフェンハイムが持っている認知やパス能力を上げるテクノロジーを、資金的には真似できないまでもアナログ的に導入したり

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ポゼッション練習などもひと工夫加えた頭を使う練習が多いです。

インタビューコーチや、社会性コーチ、家庭教師もクラブで雇っていると考えると、かなりグラウンド外の教育も、国や街では出来ない分クラブが補っています。


TOPチームに足りない選手を自前で育てて使うという意味では、同じサッカーをしていなくとも、これも1つの一貫した育成として機能しているのかも知れません。


育成でそんな選手を育てても、TOPチームが勝てなくてカウンターサッカーになる事はよくある事で、潔さがあります。

また、そんな身体能力も技術や判断も持った良い選手はBIGクラブへ買われてしまうので、なかなか続かない現実も見なければなりません。
例えばダニエル・アウベス選手などですね。


しかし、買われたとしてもまたその資金を活かして次世代を育てていき、投資が回収されていくのはブラジルが育成に力を注げる所以でもあります。


ネイマール選手は100億円でバルサに行き、更に300億円でPSGに行った事を考えれば、育成に力を注ぐ事が実はお金としてもキチンと返ってくると思えるからです。

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はい、今回はECバイーアのゲームモデル編でした。

前回のサントスFC編も見てやってくださいまし。


まだまだこれから、レアルマドリード編、ニューウェルス編、ポルト編、Aマドリード編、コリンチャンス編なども考えています。

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