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PATMマン(ぱとむまん)参上!!



特殊能力を持った人間・・・。

『ミュータント』


『怪しい実を食べた能力者』


それは映画や漫画の話?

・・・否!

この話の主人公、
その名は…


『PATMマン』

数奇な人生を歩む男。

この話はノンフィクションである。



一見、どこにでもいそうな・・・


そして平凡な男。


が、彼の周りでは不思議な現象が起こる。
彼が近づくと

周りの人間が、

『咳、クシャミ、鼻水』

をしはじめるのだ!


平凡な男が『PATMマン』に変わる瞬間である!


彼の周囲数メートル圏内は、『ある種の気・念・オーラ』を纏っているかのように咳・クシャミ・鼻水を周囲の人に頻繁に引き起こさせる。

「いやいやそんなことなどあり得ない」

「その人達がたまたま体調が悪かっただけ」

「気のせい」

「お前の頭どうかしてるぞ…」

・・・否!

「PATMマンの…近くに来ると咳が止まらなくなっ…げほッゲホ!」

「お前がいると鼻水が止まらない…ズズズーズ、ズーズズ」

↑のように直接指摘されることが幾度となくあった。

幼馴染の『ま◯ちゃん』、
大学の友人の『◯◯もと』に、
バイト仲間だった『なか◯◯くん』、
元職場の上司の『にし◯◯さん』、

他にも・・・おっと、やめておこう。
挙げ出したらキリがない…。
10年以上もPATMer(PATMの人)をやっているとな・・・。

「じゃあなにが原因で?」
「『花粉』『ウイルス』『ハウスダスト』が服にでも付いていたの?」
「それとも『体臭』?」

・・・否!
いくら清潔にしても、体臭ケアしても変わらない。原因もはっきり分かっていない。

謎の能力だが、
研究・治療している大学教授や医者は存在する。

『Professor.セ◯◯』

『Dr.コ◯◯』

↑彼らは皮膚から出る化学物質が原因ではないかと疑っているが、真相解明には至っていない。

PATMマンは以前、ある病院で治療を受けていた。
『検査、サプリ、デトックス』
ありとあらゆることを試した。

もちろん保険適用外で自費治療だ。
給料一年分は使っている。

だが・・・
大金を使っても治らなかった・・・。
『ザ!世界仰天ニュース』というテレビ番組で取り上げられていた人は改善したそうだが・・・。
同じ治療をしてもPATMマンには効果がなかった。
食事、運動の生活習慣の改善も試みたが・・・あまり意味はなかった。

そういえば『PATM』の言葉の意味について説明してなかったな。
『People are Allergic To Me』 の頭文字を取った略語だ。
直訳すると「人々のアレルギー源である私」。

『自分自身が周囲の人々にアレルギーを引き起こす体質』という意味だ。

医学的用語ではなく、外国の誰かが名付けたそうである。
世界中にPATMの人達はいるようだ。
詳しくはよく分からんけど。


それではPATMマンの日常を覗いて見ようと思う。

毎朝4時頃、外にいる新聞屋さんの咳で目が覚める。これは・・・あれだ、PATMに関係なく咳に対しての恐怖心からか、神経が敏感になり過ぎて跳び起きてしまうやつだ。寝不足になることも多い。


昼。仕事場で周りの人のPATMの反応が酷すぎて震えで仕事が手につかないやつだ。集中できなくてミスばかり。ミスを減らそうと考えれば考えるほど、緊張して、慌ててしまう。負のスパイラルに陥りがちだな。自己嫌悪感MAXだ。


これは夜、買い物に行ったら何も買わずに出てくるやつだ。周囲の反応が気になって、買いたい物も諦めて帰る。「今日の夜ごはんは抜きだ!」それくらいの気概で帰る!


ご覧いただけただろうか・・・日常生活が破綻へと向かっていくさまを。

一日が終わる頃には精神的ダメージが蓄積されて↓のようなヤバめの顔になっている。

この間なんかは料理中に意識を失って倒れて、気がついたら仰向けで『ち◯ち◯をサワサワ』触っていたんだ。その姿を家族に発見されるという失態を犯すくらい精神的にキテいる。

そんなこんなで精神的にボロボロになる。
そして毎日周りに申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

「人のことなんだし気にしなきゃいいじゃん!」

そんな風にアドバイスしてくれる人もいた。(その人も鼻をかみながら…)
ただ、想像してみてほしい・・・

『嫌いな上司が四六時中近くで威圧してくる』

『赤ちゃんの夜泣きなどによる育児ストレスでノイローゼになる』

『蚊が耳元で常に「ぷ〜んっ」』


例えとして正しいか分からないが、こんな感じの辛さや不快さが永遠に続く言えばPATMじゃない人にも少しは分かってもらえるだろうか?PATMマンは10年以上このような嫌な気持ちを抱えて生きている。


そして時には心ない人からのイジメのようなこともある。
心をえぐられるような『コトバ』『イヤガラセ』

「これでもかっ」というくらい心臓を突き刺してくるやつもいる。鬼畜の所業ってやつ。しかしPATMマンには対抗する術がない。なぜなら、こちらが迷惑をかけているから。自分が意図しなくても嫌な思いをさせているから。だって周囲の人からしたら、ただのアレルゲンなんだもん。もし、対抗して「やめてよ」って言おうものなら、「いや、そっちがアレルゲン出すのやめてよ」って言われるのがオチじゃね?って思うから。『鶏が先か卵が先か』理論で言えば、『PATMが先っ!』と、手を挙げてみんな真っ先に答えるだろう。だから黙って耐えるしかないよね。自分が悪いんだから・・・。

ネットを見ていると、たくさんの人達がPATMについて悩んでいる。しかも年々増えているように感じる。

ほとんどの人は後天的にこの能力を授かっているようで、発症経緯は様々。ストレスがたまっていた時期。抗生物質を多量にとった時期。手術をした直後。ただ一貫性はなく発症経緯も特定されていない。

ちなみに上記の『Dr.コ○○』のところには今まで1000人近い人が受診に来たらしい。潜在的な人達を入れたら意外とこの能力を持った人は多いのではないだろうか?

明確な治療法も分からず鬱々とした気持ちで・・・。
家族、友人、恋人、同僚、医者など、周りの人達に相談できない。そして気のせいだと言って認めてもらえない。さらに辛さも理解してもらえない。

孤独になる。

PATMer達はそんな辛い日常を送っている。



僕(PATMマン)自身、何度も死んだ方が楽だなと思いました。周りの人達に迷惑をかけて。毎日毎分毎秒、PATMの反応に怯えて。治療法もなくて。イヤガラセにも耐えて。ただ、今は悲しませたくない人がいるから生きているだけで、いつ死んでも悔いはないです。

10代20代の多感で楽しいはずだった時期をPATMによってキツイ思いをして過ごしてきたんで(現在進行形ですが)、今苦しんでいる人達には治ってほしいし、これからPATMになる人を増やしてはいけないと思っています。同じ苦しみを絶対に味合わせたくないです。

そのためにはまず認知度を上げることが大切だと思いました。アイスバケツチャレンジで有名になったALS(筋萎縮性側索硬化症)も認知度を上げて研究費や寄付金を集めていました。なので少しでも知ってもらいたいと思い、PATMerの一人として筆をとらせていただきました。

研究が進み治療法や予防法が確立することを願っています。



おしまい



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