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#YJMS2019 パネルディスカッション② 「DOUBT!THE MEDIA」イベントレポート

登壇者のみなさま
株式会社クラシコム 代表取締役 青木 耕平 さん
dely株式会社 代表取締役 堀江 裕介 さん
新R25 編集長 渡辺 将基 さん
モデレーター:アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 取締役CMO 徳力 基彦 さん


徳力さん「非常識になってしまった『マーケティングの常識』ってどんなこと?」

青木さん「生活者をデータから理解できると思っているか否か。自分たちは無理だと思っている。無理なので、自分自身を深掘るしかないと思っている。自分に似ている人も多少なりともいると思っている」

鈴木さん「生活者・読者のキャラクターは定性的にはもっている。ただ、それをデータ化して証拠を出せと言われると難しい」

青木さん「マーケティングを財務として扱っているきらいいがあると思う。マーケティングを説明責任を果たすためのテクノロジーばかり発展している気がする。本質的にニーズやインサイトを深掘る技術はまだまだ」

堀江さん「これまでは評価指標はPVだけで良かった。今はそれが疑わしい。理解度や気持ちの動きが1PVでも全然違う。指標がもっと多様化してもいいと思う。そこをフェイクを使っているメディアもあることへの苛立ちはある」

青木さん「一見さんの1PVと常連さんの1PVの質も違う」

堀江さん「そこを判別できるのがマーケターの能力かなと思う。Yahoo!もこのようなイベントをGAFAに対抗しようと思って開催したりしている。1PVの質を高めるのはブランドなのでは、と思う。自分の1tweetには数十いいねかもしれないけど、ヒカキンなら数千はつく。
メディアにとってのユーザーには、受動的な読者(SNSで見かけて、プッシュ通知で見かけて)と能動的な読者(わざわざ見に来て)がいる。そういう分解をしていく必要がある」

渡辺さん「そこは自分たちもやっているが、広告主や代理店にそこの判別がなかなか伝わらない部分もあるのが難しい」

徳力さん「WELQ騒動が象徴的で、SEOで新規をどんどん取れるのが正義、という時代だった。ビジネスとしてメディアの常識が変わったことは?」

堀江さん「MAUと売上が比例しなくなっている」

渡辺さん「大量生産は非常識になった」

青木さん「メディアにトラクションを増やして、コマースでマネタイズするというモデル自体が難しいのでは?クラシコムはそもそも『お店』として自己紹介している」

堀江さん「北欧暮らしの道具店が面白いのは、MAU少なく見えるけど1PVあたりの売上がすごいのが面白い」

堀江さん「誰が言ったかが大事。豆苗レシピの動画を出したら、豆苗の出荷量が前年比160%に急伸した」

堀江さん「TRILLの事例。大丸松坂屋百貨店さんとの事例。店頭売上が前年同期間比で5.1%で、WEBサイト平均滞在時間も全体平均+70%となった。『だれでもなくTRILLが紹介するから』という効果があった」

青木さん「安倍首相が首相官邸で話すことで好感度上げるのは難しいが、テレビのバラエティ番組に出て、『実は妻のしりにしかれてて』みたいなことを言った方が好感度上がる、みたいな話ですかね」

渡辺さん「コンテンツが増える中で、文脈のない情報にどんどん価値が下がっている。そのなかで、面白いものには『人』がいる。真R25では必ず人が出ることを意識している。タイアップにもそれを適用している。
メディアの常識で一つ壊せたと思っていること。全体としての規模は小さいが、1記事のインパクトが大きければ広告として成り立つということ」

徳力さん「WELQ騒動の影響もある?」

渡辺さん「メディアとしてのブランドを作らなかったのが失敗で、そこを自分たちはやってこれているのが大きい」

徳力さん「自社のマーケとしてチャレンジしていることは?」

渡辺さん「ブランドを浸透させるフレームワークを確立している。サムネイルにもルールを作ったり、記事の吹き出しフォーマットをしつこくやったり」

堀江さん「ブランドを育てるチャレンジを常にしていて、テレビのコンテンツを作ったり、オフラインイベントを開催したり。kurashiruはメディアというよりは、ブランドをコアとしていろんなところにタッチポイントをつくっている会社」


青木さん「青葉家のテーブルというオリジナルドラマコンテツを作っている。タッチポイントをつくるだけでなく、深さをどれだけ出すか。自分たちのお客さんが、その番組を見たときに自分たちを肯定できるような番組を作っていくことを目指している。再生回数もとても伸びていて、2020年には映画化も決まっている。映画をつくるのはポップアップショップをやるのと似ている。ポップアップショップやるくらいなら映画を作りたいと思った。今は、複数タイトルを作っていて、映像レーベルも目指していきたい
もともとは広告をゴリゴリ回していたりはした。ダッシュボード上で損益成り立ってはいたが、世界が変わっている感覚がなかった。せっかくお金を使うならば世界が変わる可能性があることに使いたいと思った」

ラップアップ
徳力さん「もともとは、マスとの比較的な話をしていくのかな、と思っていたが、ちょっと当初のイメージと違った。デジタルで、エクセルでデータを管理できるようになったからこそ、人を数字でしか見なくなった。そこの弊害から、どう戦っていくかが今後大事になっていくのでは?」

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