新元号「令和」(2)

 昨日書いた記事「新元号「令和」(『万葉集』より)」に200スキ付きました。同日アップの普段書いている戦国記事「加藤廣『信長の棺』を読んでみた。」が2スキですので、普段の記事の100倍です。『信長の棺』は累計250万部の大ベストセラーですが・・・「令和」の話題性はすごいですね。

 ワタシ的に「令和」は、大伴旅人主催の「梅花宴(ばいかえん)」(場所は日本の玄関口の太宰府。咲き乱れるのは日本の桜ではなく、中国から輸入した梅、と国際色豊かな宴)であり、オリンピック、万博といった国際的な祭典(宴、祭り)のイメージです。紅白復帰を狙うゴールデンボンバーの新曲「令和」のように華やかでよろしいかと。

※「梅花宴」が開かれたのは、現在の坂本八幡宮(福岡県太宰府市坂本3丁目14-23)だとして既に観光客が増えているそうです。隣接する大宰府展示館には梅花宴を博多人形で再現したジオラマが展示されています。(32人いないけど。)場所は、部屋の中ではなく、庭ですね。

 意地悪な人(?)は、「令」は「美しい」で、安倍晋三『美しい日本』(文春新書)を指し、「和」は安倍晋三氏が大好きな言葉「和を以て貴しと為す」であって、「安倍さんらしい」と評価していますが。中西進氏によると、「令」は「美しい」の意ではなく、「麗(うるわ)しい」の意だそうですが。

 発表から1日たって、批判も出ています。
①「命令」されているようで嫌だ。
②出典は国書『萬葉集』ではなく、漢籍『帰田賦(きでんふ)』では?

①「令和」の出典が国書ではなく、漢籍でしたら、「令AB」(読み下し文:AをしてBせしむ。現代語訳:AにBさせる)ですから、「和せしむ」(平和にさせる)とでもなるのでしょうか。「和しむべし」(仲良くしましょう)、「平和にならなくてはいけない」・・・さすがに「世界を和(日本)にさせる」と世界征服の意味にとる人はいないでしょうけど。
 ──「弱国を侵さず、小国を憐むは、大国の令徳なるを知る」(矢野龍渓『経国美談』)
 「令」は、「令顔」の「令」で、「良い」「美しい」という意味です。令子さんは、美しい方です。(ラ行から始まる名前は・・・って、自分が「涼子」だから、言うのは控えます。照れる (〃ω〃) ポッ.) さて、『経国美談』の「令徳」は「美徳」の意です。明治の前が慶応、慶応の前が「元治」(1864-1865)で、その前が文久です。文久から改元する時・・・

「改元の議論は前年11月から始まっており、折りしも将軍徳川家茂の上洛と重なった。朝廷は「令徳」を希望し、次案に「元治」を提案した。即ち、松平慶永の『逸事史補』によると二条斉敬より幕府に相談された書付には令徳に●がつけられていた。令徳とは徳川に令するであり、元治とは元にて治る、つまり王代になさんとの意味也と二条城の老中部屋では眉を顰めた。春嶽は天下の政権は御所にあり幕府は覇府なりと笑い、その上で(日本の)元号に用いる文字はそれまで使われた文字を用いるのが習いであり「令」の字はこの例にあてはまらない。古来用いられたかどうかは定かではないが元治の方が穏当と意見を述べた。令徳に反対していた一橋慶喜と老中は春嶽に二条斉敬と中川宮への応接を依頼し、春嶽は同じ意見を両者へ開陳して了解を得た。朝廷も「元治」で同意したことにより採用された。後に春嶽は「実に今にて考ふれば、小児争いの如し」と回顧した。改元の儀式には京都守護職松平容保と京都所司代稲葉正邦が幕府代表として招かれた事が記録されている。」(Wikipedia)

文久から「令徳」になる予定が、①「令徳」とは「徳川に令する」の意か? ②「令」はこれまでに元号に使われたことがない、と却下されたおかげで、今回が「令」の初使用となり、「令和」を予想した人は1人もいませんでした。

②『萬葉集』は国書であり、「令」「和」は『萬葉集』に使われている漢字です。「出典は国書ではなく、漢籍だ」という主張は、たとえば日本が車を作って、「日本車」と世界に売り出したら「車を発明したのは日本じゃないだろ」と批判し、「日本製(メイドインジャパン)」に修正したら「部品には他国製の物があるだろ」と批判するのと同じような主張だとワタシには聞こえます。このような主張をする人は、「元号は中国の文化。廃止しろ」とか、「元号は漢字2字」とした時点で「漢字は中国文化。日本古来の神代文字を使え」と政府に抗議すればよろしいかと。
 さて、著作権は親告罪なので、張衡のご子孫や中国から、「この序文は張衡『帰田賦』の盗作で、「令和」の出典は漢籍『帰田賦』だ」と言ってくるのか、それとも、「日本の古典文学に中国の古典文学が引用されているってことは、中国と日本は、昔から深い交流があったということ。昔のように仲良くしましょう!」と大人の対応をするのか見守っていたら、

新元号「令和」中国メディアが報道内容を修正」(2019/04/01)
 新しい元号を巡って中国メディアが当初の報道内容を修正し、「中国の影響を消し去れない」と伝えました。
 中国共産党系の「環球時報」は、当初、新しい元号「令和」が、これまでの元号と異なり、中国の古典ではなく、『万葉集』に由来することに触れ、「初めての脱中国だ」と速報しました。しかし、午後になって、「令和」は「中国の影響を消し去ることが出来ない」と記事の内容を修正しました。
 「『万葉集』は、中国の古典文学の影響を受けている。中国の詩歌の素材や形式表現が参考にされている」などと指摘しています。
※ANNニュース
https://www.youtube.com/embed/Hsxz9bjsgkM

 中国外務省の耿爽副報道局長は、4月1日の会見で、新元号「令和」について、「日本の内政については論評しない」と答えるにとどめたそうです。また、清朝を最後に元号が使われなくなった中国では、「中国は、残念ながら「元号」という伝統を自ら捨ててしまった」と嘆く国民もいたそうです。
 ワタシ的には「これまで日本は中国に依存してきており、ここにきて初めて脱中国を宣言した」という解釈はハズレかなと思います。


 ダッシュボードを見たら、スキが4個増えて、25121PV!
 2万を越すなんて、芸能人ブログ並みですね。「令和効果」凄い!
 令和に入ったら、何かいいことがありそうな予感がします。

 2位が明智光秀の生誕伝承地巡りの記事「明智光秀の生誕伝承地」で68PV。まぁ、普段は頑張ってもこれくらいです。

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