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A Mi Manera

最近、カラオケにはあまり行かないが、
会社に入りたての頃は、
毎週金曜の夜、上司のお供でよく行ったものだ。
まず、居酒屋で一杯やって、酒の肴で腹を満たし、
2軒目にカラオケBOXというパターン。

まずは、部長から1曲どうぞ、なんて気を利かせたつもりが、
若いもんから歌うのが夜の仕事のルールだと、
よくののしられた。
で、若いもんから中堅、課長クラスと続き、
やっと部長の出番となるのである。

その当時の部長の十八番が「マイウェイ」だった。
ちゃんと符割り通りに歌わず(酔ってて歌えず)、
妙にためたり
スピードアップさせたりした
部長バージョンの「マイウェイ」を聞いて帰ると、
一週間の仕事がやっと終わるのだった。

「マイウェイ」は、言わずと知れたフランク・シナトラの名曲。
そのカバーをしている歌手はゴマンといるが、自分が一番好きなのはジプシーキングスのバージョンだ。
学生時代にファンになり、ベスト盤「Gipsy Kings GREATEST HITS」を買った。

その中に「A Mi Manera (Comme d'habitude)」という曲がある。
そう、それが「マイウェイ」のカバー。そしてこのブログのタイトルでもある。

初めてこの曲を聴いた時、
ニコラス・レイエス(リードボーカル)の情熱的な歌唱はもちろん
トニーノ・バリアルド(リードギター)の演奏には、強く心を打たれた。
単なる速弾きではない彼独特の奏法は、技術の巧拙とは別の次元で語れるものだと思う。
何度聴いても飽きない。激しくて、どこか切ない。
喜劇王のチャップリンが、「A Mi Manera」をライブで聴き、涙を流したというのは
有名なエピソードらしい。
それだけ、人の感性に強く訴える魅力がこの曲にはある。

いつか「A Mi Manera」のように、人に届くものを。
そう思って、この曲名をブログのタイトルにした。
そして、許せば
いくらでもだらだらしてしまう自分が、いつか
「私の道」を築けるよう、戒めの意味も込めている。

(2008年2月12日過去ブログより転載)

(「Gipsy Kings GREATEST HITS」はAmazonでも購入可能です)

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