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NDフィルターの基本

NDフィルターとは、「ニュートラル・デンシティ・フィルター」の略で、直訳すると濃度を中立させるという感じの意味になります。日本語で言うと「減光フィルター」とも言います。こちらの方が意味がわかりやすいです。

(NDフィルターの種類)
NDフィルターにはさまざまな濃度があり、ND4とか、ND8とかの数字で区別されます。この数字が大きければ大きいほど光量を落とすことができます。

(なぜNDフィルターを使うのか)
なぜNDフィルターを使うのかを一言で言えば、「フィルターなしでは明るくなりすぎてしまうシーンで光量を落とすため」です。
光量を落とすとどうなるかと言うのは作例でご覧ください。

ND1000のフィルター使用

例えば、こちらの写真はND1000のフィルターを使って撮影しています。このとき設定はF9、SS30秒、ISOは200です。ここは実際には結構波が打ち寄せている場所だったのですが、波の飛沫が映らず、この写真では海の部分が全体的に白っぽく写っています。これは、シャッタースピードを30秒にすることによって、波の動きの軌道が写り続けたためです。スローシャッターの独特な表現方法になりました。こちらはちょうど夕日が沈むタイミングで、雲もなく結構明るかったのですが、もしフィルターを使わずにこの設定で撮って仕舞えば、光の量が多すぎて真っ白になってしまいます。
ではフィルターを使わずに明るくなりすぎないようにに撮るなら速いシャッタースピードで撮れば良いわけですが、そうすると下のような普通に波飛沫が写る表現方法となってしまいます。

速いシャッタースピードで撮ると波はこうなりますね(イメージです)

別にそれじゃあダメということもないのですが、ここでは見た目の雰囲気と違う長秒露光を試してみたかったのでフィルターを使って撮影してみました。

ちなみにシャッタースピードが30秒なので三脚が必須となります。裏話をすると、三脚を立てている場所は不安定な岩場で、波がすぐ足元まで来ているし、人は全然周りにいないしで孤独と恐怖を感じながら撮影していました・・・。

あとこの写真のポイントを解説しておくと、、岩=動かないものと波=動くものをバランスよく配置するという構図です。もしここが岩がなくて波だけだったとして、その場所で30秒の写真を撮ってしまったらただ白っぽいモノが写ってよくわからない写真になってしまうと思います。動くものを動かないものを対比させることで、こういう不思議な雰囲気を出すことができます。

他にも明るすぎるシーンでF値を下げるために使う、なども書いてありますが、自分の場合はそういう使い方はしません。Z9を使っていて、SSがSS1/32000まで速くできるからです。

すごく明るい場所で、SS1/32000で撮影

Z9使う方は多くないと思うので、あまり参考にならないかもしれませんが・・・。このときは実際非常に良い天気で、眩しい場所でF2で撮影しました。こんなに明るいシーンもそこまで多くないと思うので、自分の場合は必要なさそうです。でももしこういう撮影をしたくて、自分のカメラのSSがあまり速くできないならあっても良いのかもしれません。

(オススメのフィルターの選び方)
ということでここまでお話ししたので、欲しくなった方もいると思いますが私自身は私はそんなにNDを使った撮影が多くないので、あまり参考にならないと思います。なので、「NDフィルター 作例」などで画像検索をしてもらって、お気に入りの写真を見つけてください。そのデータをチェックして、やってみたい表現があったら同じものを購入してもらうという選び方が良いと思います。もし私のと同じものがよかったらこちらになりますので、チェックしてみてください。

ただここでよく初心者の方がやりがちな間違いがあるので言っておきますが、そのフィルターを買って、同じ設定にしたら同じ写真が撮れるわけじゃないということです。誤解しないようにしてください。同じ機材、同じ設定にしても光の状況は毎回違います。仮に同じ場所に行ったとしても雲が一枚入るか入らないかなどで光の量は全く違いますので、その場で光の量を判断しながら設定は調節してみてください。この辺りの絞り・SS・ISO感度の適切な判断が自信をもって行えない方はこちらの過去動画をチェックしてみてください。


ND1000、F11、ISO100、SS30秒で撮影

ということでその場の明るさや表現したい方法に合わせて適切な濃度のフィルターを選んで使う必要が出てきます。



もしサポートいただいたらいつも他人に譲ってしまう傾向のある心やさしい旦那さまと、彼の大好きなカニを食べに行きたいです。応援よろしくお願いします。