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【FIN DAY1】ファイナンスⅠ①

クラスの概要(前半)

【テーマ】事業価値評価結果に基づく事業戦略の評価
【ケース】ワールプール・ヨーロッパ

前半はファイナンス基礎のおさらい。
「カネ系科目が苦手という人が多いが、それは自分で苦手だと思っているから。苦手だと思っていると苦手意識が植えつけられる。公式を使ったり計算したりと“慣れ”が必要な部分はあるが、考え方は超簡単!」とグロ放題のファイナンス動画でもおなじみの鷲巣講師は、クラス中も「ね?ちょ~~簡単でしょ?」とファイナンスは簡単と刷り込みながら分かりやすく説明してくれた。

企業には実際のビジネスで関わるたくさんのステークホルダーがいるが、もうひとつ重要なステークスホルダーがいる。それが“資金の出し手”である債権者や株主といった投資家たち。彼らは資金を出す以上、投資した金額以上のリターンを求めている。経営者やCFOは彼ら投資家の求めるリターンを上回るリターンをビジネスで稼がなければならない。

10%の利率で100万円借りたら、1年後に110万にして返さなければならない。ということは、借りた100万を元手に110万以上稼がないと企業は赤字になるということ。ごく単純な話であり、これがファイナンスのもっとも簡単な図式だと図を使って説明。

その後、簡単な演習が4つあり、NPV、IRR、WACC、FCFを求める。1問につき5分しか時間が与えられなかったので、ファイナンス基礎の内容が頭に入っていないと5分じゃ解けない…。(一応時間内に解けた)

ファイナンスでは「キャッシュの価値は時間とともに目減りする。今日の100円は明日の100円より価値がある。」という考え方を元に、将来のキャッシュを現在の価値に直して計算する。それを額で計算したものがNPVで、率で計算したものがIRR。
NPV=Net Present Value,正味現在価値
IRR=Internal Rate of Return,内部収益率

クラスの概要(後半)

後半はケースに取り組む。新たにERPの導入を検討しているが、導入後のキャッシュフローの変化を予測し、得られるキャッシュの現在価値を求め意思決定を行うワーク。
「ファイナンスは経営!!」
これも何度かおっしゃっていた。

与えられたケースの情報(テキスト4ページ、添付資料6つ、エクセルシートが7つ…)を元に利益予測、諸経費からフリーキャッシュフローを出し現在価値と内部収益率から投資の意思決定を行う。

カネ系のクラスといってもまずは定性分析から。そもそもワールプールの経営課題、イシューは何か?というところから始める。計算だけしておしまいにしない。

Day1から重くないか…?とおもったが、ほぼ与えられた情報を整理して公式に当てはめるだけだったので終わってみれば簡単だった。しかし固定資産の計算に減価償却を足し戻すのを忘れててそこだけミスった。

そして投資の意思決定。NPVがプラスだから、IRRがハードルレートを上回っているから投資決定!という話ではない。計画どおりにいかなかったら?社員の反対が起きたら?などのリスク(不確実性)を考えてみる。意思決定に唯一解や絶対解はない。妥当解、納得解をいかに生み出し実行していくかに尽きる。講師の回答と同じ答えを導き出したからといってそれが唯一絶対に正しい答えというわけではない。実際の経営の意思決定と同じだ。

こんな感じで初日は終了。

介護業界への転用

ニチイ、SOMPO、ツクイなどの大手を除けば介護保険サービスを行う企業のほとんどは非上場の中小企業。株主=社長という場合が多いのでハードルレートは有利子負債の利率と考えていいんじゃないかと思う。社長(株主)も配当でもらうより役員報酬でもらったほうが経費にできるし節税になる。

今回はERPという統合業務パッケージ導入の可否を問うというイシューだったが、介護サービス事業所でも会計、請求、記録、業務管理など様々なソフトウェアを使う。初期費用やライセンス料が高額なインストールタイプのソフトウェアもあれば、サブスクでクラウドタイプのソフトウェアもある。その時に単純にソフトウェア会社に支払う費用や使い勝手だけで判断するのではなく、システムを変えることで売上、売上原価、販管費、純利益、キャッシュの出入り等にどのような変化が表れるのか視野を広げて考えることが意思決定の切れ味を鋭くするなと思った。

自社への落とし込み

実は昨年、勤怠管理ソフト、会計ソフト、保険請求と現場の介護・看護計画や記録で使うソフトウェアを総入れ替えした。このすべてをカバーする既製品のソフトウェアはないがインストールタイプのソフトからクラウドタイプにすべて変えた。

その時のイシューはこうだった。

①ソフトウェアにかかる費用の削減
②自宅でもPC作業ができるようにし、フレックスとテレワークを導入
③社員の稼働率を上げる=残業時間の短縮

しかし、フリーキャッシュフローを求めたり、NPVを出すなんてことはしなかった。というかそもそもその知識がなかった。今後は色んな投資の場面で定量的な指標もしっかり計算していくことをやっていきたい。(ていうかCFOほしい…。)

介護サービスの会社を経営しながら、経営学を学ぶため大学院に通っています。起業前の13年間は特養で働いていました。介護現場と経営と経営学、時々雑感を書いています。記事は無料ですがサポートは大歓迎です(^^)/