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【PMI DAY3】パワーと影響力③

クラスの概要

【テーマ】「他部署を動かす」「印象のマネジメント」
【ケース】「Dr. ローラ・エッサーマン」

今回の舞台は、アメリカのカリフォルニア大学サンフランシスコ校付属病院(以下、UCSF)。大学病院、医科大学院の複数の部署を股にかけて進めるプロジェクトを進めていくために、ブレスト・ケアセンター所長のDr.ローラ・エッサーマンがどのようにパワーを発揮・獲得していったかを考えた。

このローラ・エッサーマンは実在の人物で、ハーバード大学科学史先行文学士号、スタンフォード大学外科医学博士号、スタンフォード大学経営大学院健康政策専攻経営博士号(MBA)という華麗な経歴の持ち主。

それにも関わらず、自分の描くビジョンを実現するためのプロジェクトを10年もの間進められないでいた。

今回のテーマは「他部署を動かす」ということで、ポジションパワーがない(トップダウンができない)中で、どのように他の部署を巻き込み、主要人物に協力してもらうためにエッサーマンが自分自身をどう変化させていったかというのがポイント。

プロセスに従って、ありたい姿(今回はエッサーマンの描くゴール)、状況分析(環境/組織分析、関係者分析、パワーの源泉、ターゲットへの適合)、基本スタンス(コンフリクト・マトリクス)、アプローチ、実行の順にクラスディスカッションをしていった。

嫉妬の種類“ジェラシーとエンヴィー”も面白かった。

クラス後半では、印象のマネジメントについての講義。ここでは介護でもなじみのある“メラビアンの法則”や好意を生む要因、身だしなみや色が与えるイメージなどを考えた。

介護業界での活用

今回は、プロジェクト実現のために他部署のキーマンの協力を得るというのがポイントだった。

特別養護老人ホームで働いている時に介護や看護・リハといった部署をまたぐアプローチが必要になり、業務の仕組みやプロセスを変えようと思った時に、部署長の反対というのがボトルネックになることがあったなと思いだした。

トップの施設長は賛同して「進めてみなさい」と言ってるのに、その部下にあたる部署長(大抵発言力がある)が反対して物事が進まない、みたいな。

自分にネガティブなイメージや感情を抱いている人に協力を得なければならないのって、なかなかつらい。とはいえ目的を達成するためには、相手に向き合い、印象を変える努力をしなければならないんだなと改めて思った。(そんなことがあったな…)

聞いてもらえない理由

正しいことでも、人は耳を傾け、望むように動いてくれないことがある。

①ビッグピクチャーすぎると、具体的にどうしていいか分からない。
②相手に信頼感が持てなければ、聞く姿勢になれない。
③嫉妬や利害意識を持つと、聞きたくなくなる。

①で注意が必要なのは、ビッグピクチャーかどうかは相手によるという認識だと思う。自分では大きな理想を話しているつもりはなくても、相手に取ってみたら壮大なテーマだったり、とても自分の手に負えるような話ではないと思うかもしれない。例えば、新人の介護職員にとってはケアプラン(個別援助計画書)を作るということすらビッグピクチャーかもしれない。丁寧にサブゴールやマイルストーンを置き、具体的な行動がイメージできるようにすることが重要だ。

②はホントに難しいことだと思う。直接話したことがない相手でも、人の噂や評判、ルックスや身だしなみでイメージを作られてしまう。自分も勝手なイメージでよく知らない人の人間性を想像してしまっている。イケメンかどうか、というのはもう所与のものなので変えようがないが(まあ、整形できるけど)、清潔感、身だしなみ、話し方、姿勢、振る舞い、笑顔の有無などで人の印象は変わるし、相手の態度・行動も違ってくる。見た目とか話し方、所作を変えるのって、けっこう勇気がいるよね…。とはいえ、一番の信頼を勝ち取る方法は、行動実績だと思う。つまり何をしてきた人なのか。言行不一致が一番信用できないもんだ。

③は、自分の行動が相手を脅かしてはいないかを考える必要があるが、まずは相手が手放したくないものや手に入れたいと思っていることを知るところからだろう。

嫉妬の種類

■ジェラシー
やる気が生じる良い嫉妬。自分が相手(嫉妬の対象)と同じだけ頑張れば、同様に認められる状態で発生しやすい。例えば、テストの点数でライバルに負けた時に感じるのがジェラシーと言えるかもしれない。次のテストで相手と同じかそれ以上の点数を取れれば自分も認められる。好敵手に感じるのがジェラシー。
■エンヴィー
相手の足を引っ張る、失敗を願う、出る杭を打つという悪い嫉妬。限られたポストや報酬を奪い合うような、得る者と失う者が存在する場合に出やすい。イケメン男子を取り合う女子とか、エンヴィーですよね。有能な部下に自分のポストを奪われそうな上司とか。

自分(自社)への落とし込み

自分は社内においては最もポジションパワーがあるが、業務命令したからと言って思うように動いてくれるものでもない。上記の①②③を頭に入れて、社員に働きかけるようにしようと思う。

介護サービスの会社を経営しながら、経営学を学ぶため大学院に通っています。起業前の13年間は特養で働いていました。介護現場と経営と経営学、時々雑感を書いています。記事は無料ですがサポートは大歓迎です(^^)/