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3分でわかるファルコンヘビー

STP-2 MISSION

2019年6月25日、スペースX社は24基の衛星を載せた「ファルコンヘビー」を打ち上げました。これらの衛星を3つの軌道に乗せることが今回のミッションです。

↑見てきました。深夜2:30なのに昼間のよう。

今回で3回目となるファルコンヘビーの打上げですが、メインブースターのランディングには失敗したものの、前回のミッションから再利用されたサイドブースターはケープカナベラル空軍基地に無事着陸しています。

↑サイドブースターランディングの瞬間。

ところで、以前ロケットの打上げ契約を取り上げましたが、打上げ契約の内容を理解するにはロケットそのものについても知っておかねばならないでしょう。
ということで、今回はファルコンヘビーそのものを取り上げてみます。

そもそもファルコンヘビーとは?

ファルコンヘビーは、米国スペースX社製の世界最大級のロケットです。
3基のブースターが連結され、それぞれのブースターにクラスター化された9基のエンジンが搭載されているため、合計27基のエンジンを有します。
3つのブースターは全て地上に戻るようになっており、再利用が可能です。
ファルコンヘビーが打ち上げられる「Launch Complex 39A」という射点は、アポロ11号を搭載したサターンVやスペースシャトルも打ち上げられている歴史と伝統ある射点です。現在はスペースXが使用しています。

↑打上げ当日昼の様子。再利用されたサイドブースターが黒いままなのが良い。

これまでのミッション

1回目 Test Flight
2018年2月6日にテストフライトが実施されました。搭載したのは私たちがイメージするような人工衛星ではなく、イーロン・マスクが所有する車「ロードスター(テスラ)」と、宇宙服を着た人形「スターマン」です。ロードスターは太陽周回軌道に投入され、サイドブースターは地上への着陸に成功しています。なお、センターコアはドローン船「Of Course I Still Love You」への着陸を試みましたが失敗してしまいました。

2回目 アラブサット商業打上げ
初の商業打上げとなった2回目の打上げは、サウジアラビアの人工衛星アラブサット6Aの軌道投入です。センターコア、サイドブースターいずれも着陸に成功しました。
しかし、センターコアは陸地に戻る途中に倒れました。おしい。

3回目 STP-2
ファルコンヘビーとしては初の夜間打上げとなった今回のミッションは、合計24基の衛星を3つの軌道に配置するというものです。これを1回の打上げで行なってしまえることからしても、ファルコンヘビーのスペック(搭載可能な物量、そしてパワー)がわかると思います。
今回のミッションでわかりやすい特徴は、アラブサットミッションの際に使用されたサイドブースターが再利用されていること、初の夜間打上げであったことです。センターコアの着陸は失敗してしまいましたが、サイドブースターは無事着陸し、さらにフェアリング(衛星を格納する先端の部分)を洋上の船が網でキャッチするという方法での回収に成功しています。
搭載した衛星は主に実験衛星ですが、こちらの記事でわかりやすくまとまっています。

今後のミッション
同社製の「ドラゴン宇宙船」を使用した有人打上げが予定されていますが、こちらはFalcon9での打上げとなっています。

お値段は?

ウェブ上では9,000万ドルです。
搭載できるペイロード(荷物)の重量制限は、LEOまでなら63,800kg、GTOまでなら26,700kg、火星までなら16,800kgまでです。

おわりに

宇宙法にしても何にしても、ルールは実務的なニーズあってのものです(立法事実といいます)。ロケットの製造・打上げや人工衛星の管理、衛星データの取扱いといった実務が先にあり、運用していく中で整理すべき点を解決するためのツールとして「宇宙法」があるのです。ルールありきとなってしまっては、実務に悪影響が生じかねません。宇宙法についての理解を深めるためにも、ロケットや衛星そのものの理解が必要ですね。

マンガ「姫のミッション」

冒頭のマンガに触れずにここまできましたが、なんと、機体が美少女になってしまいました!!
メガベンチャーのロケットということで「王女」、会社のMISSION的にも強気な感じをイメージしています。
決め台詞は「Of Course I Still Love You」ですが、センターコアが無事に陸地に戻ってくる日を楽しみに待ちましょう。

作成いただいたのは、昭和が生んだ天才美少女漫画家あんじゅ先生が運営するオンラインサロン「あんマンサロン」に所属するぽっくすさんです。
いつもありがとうございます!

実はマンガ作成に先立ち、キャラクターデザインも作成いただいています。

↓これが↓

出典:SpaceX 「STP-2 Mission」:youtube

↓こうなりました↓

機体を纏う液体酸素がドレスのように見えたので、このような感じに仕上げていただきました!サイドブースター切り離し後は身軽に!
本当にありがとうございます!

そんな宇宙法、ロケット美少女化という無茶振りミッションにも対応できてしまう「あんマンサロン」はこちら↓


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