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ポストアポカリプスの不思議な魅力に惹かれるアニメ『少女終末旅行』

こんにちは。ふんまつスープです。

今回はちょっとマイナー(?)なアニメ紹介をしたいと思います。

2017年の秋アニメ『少女終末旅行』です。

基本情報

『少女終末旅行』はつくみず先生の同名の漫画が原作のアニメで、原作は2018年で完結しています。

"絶望と、仲良く。"

繁栄と栄華を極めた人間たちの文明が崩壊してから長い年月が過ぎた。

生き物のほとんどが死に絶え、全てが終わってしまった世界。

残されたのは廃墟となった巨大都市と朽ち果てた機械だけ。

いつ世界は終わってしまったのか、なぜ世界は終わってしまったのか、
そんなことを疑問にさえ思わなくなった終わりの世界で、 ふたりぼっちになってしまった少女、チトとユーリ。

ふたりは今日も延々と続く廃墟の中を、 愛車ケッテンクラートに乗って、あてもなく彷徨う。

全てが終わりを迎えた世界を舞台に、 ふたりの少女が旅をする終末ファンタジーが今、幕を開ける。

TVアニメ「少女終末旅行」公式サイトより

TVアニメ「少女終末旅行」公式サイト (girls-last-tour.com)

雰囲気を楽しむアニメ

このアニメの最大の特徴は、舞台が過酷な終末世界であるにも関わらず、まるで日常アニメのようなどこかゆるい雰囲気を感じさせる部分にあります。

この世界には動物も植物もいないため、食料は廃墟にかろうじて残されたものを食べるような過酷な生活を二人は過ごしていますが、作品開始時点で主人公たち(チトとユーリ)は既に慣れているようですし、二人以外の人間も(ほぼ)いないため世紀末作品のように争いがあるわけでもないです。

「なら何が面白いんだよ」とツッコミが来そうですが、私個人としては、この作品の最大の魅力は「唯一無二の雰囲気」にあると考えています。

かつては確かに人がいたのに空っぽになってしまった世界は、寂しさを感じるけれどどこか美しい。黒い廃墟と降り積もる白い雪によるモノクロの世界観は形容し難い感覚を呼び起こします。

キャラデザとのギャップがすごい

少しずつ終わりに向かっていく世界

先ほど人間がほとんどいないと書きましたが、2人以外にも何人(?)かキャラクターが登場します。

終末世界の地図を書くことを生きがいとする男性、
自作の飛行機で別の都市へ行くことに希望を見い出す女性、
主なき後もその命令を守り続けるAI…

彼らのエピソードはここでは具体的には説明しませんが、「世界が少しずつ終わりに向かっている」という感覚を想起させるものであり、とても切ない気持ちにさせられる、作品の大きな見どころです。何と言いますか、世界が終わったら本当にこんな精神状態になるんだろうなぁ…ってなります(言語化が下手くそ)。彼らの行く末は皆さんに直接確かめて欲しいですね。

断片的に明らかになってゆく世界

物語開始時点でほぼ人のいない廃墟と化している本作品の舞台ですが、初めになんで世界が崩壊しているかの説明は一切ありません。おまけに、この街ではひらがなを崩したような謎の文字が使われており、我々には読めるようで読めません(これに関しては有志が解読してくれているけど)。

そしてチトとユーリは旅の途中で、我々がこの世界について考察する上でヒントになる、様々な過去の遺産に遭遇します。しかしそれらはかなり独特なものばかりです。

各地に設置されたチンアナゴのような謎の石像や、巨大な棚のような形をしていて引き出しにそれぞれの遺品が入れられているお墓、恐ろしい威力の熱光線を発射する古びた戦車etc…

あまりにも簡素な墓地

これらの他にもたくさん登場するのですが、どれもがかつての人々の生活や戦争の惨状を物語るものであり、胸が痛くなると同時に心を揺さぶられます。

特に複製美術史博物館にて、先史時代の絵画であるアルタミラ洞窟壁画(人類最古クラス)と、人類最後の絵であるユーリの落書きが並ぶシーンはもう…ね。

これまた形容しがたい感覚なのですが、人類最後の絵がただの少女の落書きというのが妙にリアルで何だか人類の無力さを感じさせます。

なんか癖になるOP・ED

※EDの映像付きがなかったです

…とまあここまで散々作品のダークな面に触れていきましたが、最初にも言った通りこの作品は基本的にはゆるい雰囲気です。ということでOP・EDはともにポップな感じに仕上がっており、かつとても耳に残る曲となっています。

OP『動く、動く』はポップの中にどこか切ない雰囲気を感じさせる電子音やメロディーが魅力の曲で筆者のお気に入り(サブスク配信されてなかったからわざわざ買った)。あと映像の二人の独特なダンスが可愛い

ED『More One Night』は数々の神アニソンを世に送り出しているヒゲドライバーさん作曲。イントロの「終わるまでは終わらないよ(Foo)」に始まり、「終末旅行がはじまるぞ」や終盤の「もう終わんない」 (More One Nightと掛かっている)の連呼など歌詞もユニークでこちらも中毒性高め。二人のゆるーい掛け声も癖になります。

二曲とも主人公二人のキャラソンなのですがCVが水瀬いのりさん、久保ユリカさんなので歌唱の安定感がすごい。あと5話の特殊EDも、演出含めてとても良かったのでぜひ5話まで見て頂きたい。

最後に:とりあえず1話見て判断してくれ

…とここまで長々と書いてきましたが、それでもまだ『少女終末旅行』の魅力を伝えきれた気がしません(笑)やはりあの独特な感じ(語彙力)は実際に見ないと分からないんですよね。

キャラデザや基本的なノリは超ゆるいですが、だんだん世界観のダークさとのギャップで風邪ひきそうになります。そこに魅力を感じるかどうか。

個人的にはめちゃくちゃおすすめですが、同時に好みが分かれる作品だとも思います。でもまずは1話見てほしい。『少女終末旅行』はそんな作品です。

てことで終わりです。それではまた別の記事でお会いしましょう~👋




ここまで読んでいただきありがとうございました。 寂しがりぼっちなのでスキを頂けると大変励みになります。モチベ爆上がりします!