”永遠の課題”とは

『ーそこのところは永遠の課題かもしれませんけどー』。

この言葉の主は風間八宏監督だ。風間監督”らしい”と言えば非常に”らしい”発言である。

私自身、川崎サポーターということもあり、風間監督が川崎フロンターレの監督として就任した2012年から2016年の約5年間という期間この風間監督”らしい”言葉を何回も聞いてきた。

(この風間監督が発言する言葉を「風間語」と表しているのが西部謙司さんの著書『技術解体新書』。風間監督の考えがわかりやすく、詳しく書かれているのでそちらを推奨したい。)

風間監督が言う”そこ”と言うのは”ゴール、シュートを決めること”だ。そして、この言葉が出た相手は奇しくも指揮を執っていた川崎フロンターレだった。

0−1と川崎に軍配は上がったが、シュート数は名古屋が6本、川崎が8本とシュートの数の差はほんのわずかだった。

川崎は流れの中ではなくセットプレーで得点を奪ったが、個人的に風間監督がフォーカスしているのはここだと考えている。

例えば、1本シュートを放ち1ゴールしたとする。得点率で表せば100%だが、こんな美味しい話は中々起きない。

この試合の川崎は8本のシュートを放って1点と言うことは得点率は13%。一方、名古屋は7本で無得点。得点率は0%ということになる。(※ここでは枠内・枠外関係なく、全てのシュートを対象とする。)

実際はかなりゴールが生まれる確率は低いことがわかる。

昨季のJ1第32節の川崎VSG大阪戦では川崎が25本G大阪が1本と川崎攻撃陣にG大阪の守護神東口が立ちはだかり失点を1に抑えた。

25分の1。得点率は4%。本数が多ければ多いほど得点が入りやすいというわけではない。

サッカーの得点には3つの要素が挙げられる。それは「シュートを打つ選手」・「シュートを止める選手」・「90分」。簡潔に言えば、「攻撃」・「守備」・「時間」ということだ。

この3つがあり、サッカーには勝ち負けが付く。

結論としては”質”の部分。

いかに1本のシュートを大切にするのか。

そして、そこまで持っていく過程の中で攻撃側は『いかに相手を攻略するか』、守備側は『いかに攻撃を防ぐか』。技術面もそうだが、試合の状況で攻め方守り方も変わってくるところが心理面として存在する。

決して一つの要素で成り立ってはいるわけではない。

全て完璧に出来ることはあまりないだろう。しかし、出来ないわけではない。打開策が見つかったとしてもすぐまた修正点は出てくる。

風間監督は続けて『もっともっと厳密にやっていきたい。』と言っていたが、理想を突き詰めていくその姿は名将そのもの。

ここでは”永遠の課題”の答えは導き出せないと言うのが筋だろう。

( RYUJI.I)

今回、作成にあたり川崎フロンターレ公式HPを使用させて頂きました。
下記にリンクを貼っておきます。

川崎フロンターレ公式HP




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