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【2019】 第13節 大分トリニータ戦 レビュー

平日に開催されたACL。4−0と敵地で勝利を飾ったが、2位上海上港に勝ち点1届かずグループリーグ敗退という残念な結果になってしまった。乗り越えたい大きな壁であったが、それは持ち越しに。

ただ、リーグ戦とそれはまた別の戦い。勝たなければいけない試合は続いていく。

今節は前日に首位FC東京が破れていたため、是が非でも大分との上位対決を勝利で飾りたかったところ。

『ACLアウェイからJリーグアウェイというスケジュールで、天候的にも暑かったが、みんなで我慢強く戦うことができた。』とチョンソンリョンが振り返るように、厳しい日程の中でもきちんと勝ち点を拾えたことに大きな意味がある。

気がつけば2位。今の段階で順位を気にしても意味はないが、このまま止まることなく走り続けることがどういう結果になるのかは全員が知っている。

さて、今回のラインナップはこちら。

①『当然、自分達は常に狙っている部分ではあります。』(鬼木達)
貴重な先制弾が生まれたのは必然である。その理由とは。
『大分は自分たちのやり方がある程度決まっていて、それを遂行していくるチームというスカウティングがあった。その狙いを把握して、事前に準備できたことは出せたかなと思う。』(大島僚太)
力を吸収して力を出す。そして夏場に向けて現れた課題。

以上ん2つです。では。

①『当然、自分達は常に狙っている部分ではあります。』(鬼木達)
貴重な先制弾が生まれたのは必然である。その理由とは。

この試合はお互いにボールを保持したがるチーム同士の戦いであったため、元々のチャンスの量は多くないだろうという見方をしていた。

実際は、多少のチャンスはあったものの、それが枠内にいったのかと言われれば、数えるほどしかない。

そういう意味で1回のチャンスが持つ意味は必然的に大きくなるため、こちらも相手も簡単にはボールの主導権を渡さない。だが、細かい部分で上回ったのは川崎であり、要所で確実に優位に試合を進められたに違いない。

大分の情報としては両ウィングバックの機動力、そして、藤本のスペースへの入り方が脅威となるだろうと予想されていたが、今回はこの両ウィングバックを巧く使えた。

松本と高畑の背後をどうやって取っていくのかということだが、その答えは単純で、相手攻撃時にボールを奪った時は素早く攻撃を始めることだった。

この試合では大分は多少前線に重心がかかりやすかった。そうすればシステム的に両サイドの深い位置のスペースが生まれる。

この試合から家長が戻ってきたのも大きかったはずだ。彼がいれば、サイドで時間を作ることができ、かつ起点をどこにでも作れる。

例えば、カウンターをしたとして攻撃が完結しなかった場合でもやり直せることできる。そういう部分での家長の存在は確実に大きかった。

ただ、『左サイドというところで左利き、左でオープンで持てる選手というのは戦術的にも大事だと思いましたので、そこで高畑がいけるところまで。』と片野坂監督が言うように、左利きの高畑が左サイドにいたのは攻撃を進めていく中で多少嫌な存在だった。

得点シーンだが、サブタイトル通り、川崎はいつもあそこを狙っている。見ていないことはほとんどない。

簡単に入ったように見えるが決して簡単なゴールではなく、あのゴールは駆け引きから生まれた。

あの時、中にはレアンドロダミアンがいた。相手からすれば一番警戒しなければいけなかったかもしれない。それはマギーニョも『ダミアンにボールが入るという予測』と言っていた程だ。

だが、『自分のところに落ちてくると信じてゴール前に入った。』とマギーニョはその先のスペースを見逃さなかった。

完全に相手がボールウォッチャーになっていたため、当てるだけだった。

拮抗した中でほんの一瞬の隙を突く。難しい試合になればなるほどチャンスが少なくなるが、こういう形でゴールを奪っていくことは絶対に必要なことだ。

②『大分は自分たちのやり方がある程度決まっていて、それを遂行していくるチームというスカウティングがあった。その狙いを把握して、事前に準備できたことは出せたかなと思う。』(大島僚太)
力を吸収して力を出す。そして夏場に向けて現れた課題。

大分はボールを保持するスタイルに加え、かつ時折カウンターを繰り出してくる。それはかなり厄介であり、藤本に関しては一瞬の隙を常に狙い続けているためディフェンス陣は中々落ち着ける時間帯がなかった。

ただ、大分がそういうスタイルでサッカーをしてくるということは事前に把握済みだったととのことで、大分対策はできていた。

しかし、1つ浮かび上がった課題がある。それを守田はこう振り返る。

『今日は相手も攻撃のレベルが高くて、割と走らされたところもある。これからもっと暑くなるので、攻撃の部分もそうだが守備でのメリハリを練習から突き詰めていかないと』

相手が攻撃的なチームの場合はどうしても相手に主導権が渡ってしまい、耐えなければいけない時間帯が現れる。そういう部分では守田が言うように、攻守のメリハリをきちんとつけたいところだろう。

昨季の夏場はかなり守備においての強度があり、観ている側としても非常に面白かった。試合での面白さもそうだが、守備の強度があるだけでボールの主導権をすぐに奪い返せることができる。

今節の試合はそこをすぐにできなかったがために相手の時間帯ができてしまい、急な気温の上昇などもあったが、体力的なところでやられてしまった。

それは大島も『攻撃で自分たちやりきることができないと、暑さもあって体力的にきつかったところはある。』と言っており、選手たちが身をもって感じていた部分だ。

ただ、一方で登里は『暑さもあったし、相手にボールを持たれる時間もあったが、そのあたりはチームとして意思を合わせて、回させるぶんにはいいかなと。こちらがプレッシャーをかけると相手は下げるというのは想定していたことでもあるので、そこは無理をせずメリハリをつけていこうという話になった。』と相手の出方をきちんと理解していた部分もある。

相手のパワーをどう使うのか。

巧くそのパワーを吸収して自分たちのパワーに変えていくのか。それとも自分たちのパワーだけで圧倒するのか。

だが、後者に関しては確実に夏場にガタがくる。そこにストレスを感じさせないために、どう相手を使っていくのか。

この夏、”使い方”が鍵になる。

(RYUJI.I)

参照:

川崎フロンターレ公式HP

DAZN

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