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「願わくば、世界は平和であってほしい」

社会を構成するいちばん小さな単位は、家族。
そこに幸せを感じられなくては、この世に平和は訪れない。
私たち親業訓練インストラクターは、そのいちばん小さな単位の平和を守るために、コミュニケーションスキルを伝えている。

親は素人である

(トマス・ゴードン著
「Parent Effectiveness Training(親業)」より)

「親は素人である」
学び始めた時に出会ったこの言葉は、とても衝撃的だった。
そうそう!その通り!
この世で一番尊い命を預かり、一人前と呼ばれるように育て上げることは本当に困難なことだ。でも、素人だからといってやりなおしができるものではない。このプレッシャーが母親を押しつぶしていくのだと思う。
我が家はだんご三兄弟。ひとりっ子のママにこう言われたことがある。

「いいじゃない、三人もいるんだから。一人くらい子育てに失敗したって」

怒るというより、びっくり。そして、彼女のプレッシャーの重さが想像できた。

講座には様々な背景の方がいらっしゃる。
怒ってばかりの自分の子育てに自信をなくしていらっしゃる方。お子さんが思春期に入り、会話が困難な状態にある方。学校へ行けなくなってしまったお子さんをどう扱っていいにか悩んでいる方。社会人となったお子さんが、貝のように閉じこもってしまった方。夫婦のあり方に疑問と不満がある方。同居のご両親に対してストレスをためている方。
住人いたら十通りの背景がある。

人間らしさを捨てる必要はない

私たちは、一人の人間である。それぞれが持つ感情に、悪も善もない。
腹が立ったら怒っていい。嫌なことは嫌といっていい。

正直に伝えた後、相手が行動を「変える」、「変えない」の責任は相手に任せればいい。

「馬を水辺に連れていくことはできても、水を飲ませることはできない」
 中国の故事にあるように、相手の心を変えることはできない。
でも、相手に伝えるためにたくさん自分に問いかけることで、本当は何に対して嫌だと思っていたのかが明らかになっていき、伝えたいことが変化することがある。
 怒りは氷山に例えると、水の上に出ている一部分。
水面下にある、見えない部分に本当の感情が沈んでいるのだ。そこにフォーカスすることで正直な自分に出会える。
案外、「怒り」よりも「悲しみ」だったり「がっかり」だったりする。一人で考えると中々見つからないが、人に聞いてもらうことで見つかることは多い。

何も言わないことが、実際には何かを伝える

 そんな時、どんな人に話を聞いてもらいたいか。また、どんな人なら話せるのか。
口を挟まず聞いてもらえると、わたしは嬉しい。
ときおり、確認の質問くらいはあってもいい。
共感してもらえているんだな、分かってもらえているんだな、と感じたら、聞いてもらっている相手に対して、親近感や信頼感を覚える。
が、意外とこれができない。黙って聞くことは難しい。
 聞いている側の立場となったとき、話の中に自分と共通の話題を見つけたら、「そうなんだ!わたしもね・・」と会話のイニシアチブを奪ってしまったり、腑に落ちないことが出てきたら「それってさあ、こうなんじゃない?」と意見を言いたくなることがある。
 話している側がネガティブな感情を持っているときなどは、感情を吐き出したいのに吐き出せなくなり、最悪だ。もう絶対こんな人に話すまいと固く決心する。(と思う)

 沈黙して聞くことは、無視ではない。むしろ、話している方は、自由を感じる。
これは、自分が体験するとよーくわかる。

子は親の鏡

人間関係を構築するためのコミュニケーションは、自然に出来るものとして認識されている。なので、親がしているコミュニケーション方法を子どもは学び、それを実践していく。

「子は親の鏡」なんだなぁ。良い面も悪い面も。

PEACE MAKER

講座は、少人数のグループワーク。守秘義務を守ることを約束してスタートする。なので、みなさんがいろんな感情を出しやすい場だ。一種のデトックスかもしれない。何を話しても否定されず、受け止めてもらえる安心感で幸せを感じる。

学び得たことを家で、職場で、と周りの方へ分けていけたらきっと、幸せは伝播する。
受講生から「職場でいろいろ相談されるんです」とか「話を聞いてくれてありがとうって言われました」などと聞くと心底嬉しくなる。
その方がそこの場でのpeace makerとなっていくことは私たちが心から望んでいること。

家族という小さな社会の一つの平和から、世界の平和に繋がることを願って明日も頑張ろうと思う。











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