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腎細胞ガン療養記12:止まない雨はない、明けない夜はない

○手術から4日目

この日、初めて平熱に戻った
ドレーンが抜けたことが大きかったのかもしれない。
些細なことだが、これはうれしい。

その一方で、前日から喘息の調子がよろしくない
手術前から処方されている薬を(手術日を除き)ずっと服薬しているが、かなりの頻度で咳が出る。

これ、もう本当にね。
「地獄」以外のなにものでもない。

①咳き込みそうになるが、なんとか「コホコホ」と小さめの咳で乗り切ろうとする(それでも激痛)。

②喉元にひっかかったような感じが残りうまく呼吸できない&それがまた刺激になる。

③上記の①②をエンドレスリピート

呼吸は苦しいし、お腹は痛いしで、涙が出てくる。
するとその涙が、今度は咳の刺激になるのだからタチが悪い。

もしかすると、キズが痛むために吸入器を思い切り吸えないので、薬をしっかり取り込めていないのかもしれない。

そういった状況を担当医に説明すると、全身麻酔の時の気管挿管の影響もあるかもしれないとのこと。
たしかに、術後すぐは声が枯れてしばらく出なかったので、なんらかの影響はありそうだ。

喘息持ちの方、喉の調子は早め早めに担当医に相談することをオススメします。

この日は遅い時間に担当医と話したので、翌日に呼吸器内科の担当医に相談することとなった。

ベッドをフラットにすると咳き込みやすいので、結局ベッドを起こしたまま過ごす。

いい加減、フラットのベッドでぐっすり眠りたい。 


○手術から5日目

午前中のうちに、呼吸器内科の担当医が往診してくださった。
現在の吸入器(シムビコート)の朝晩3吸入ずつに加えて、ネブライザー(霧状の吸入薬)を1日3回にわけて吸入することになった。

私の喘息人生(?)の中でも稀に見る吸入薬の量だな、これは。

また、喘息を引き起こす要因となる副鼻腔炎の悪化も考えられることから、抗菌薬も追加された。
翌日には耳鼻咽喉科にも相談する予定らしい。

がんばれー、私の気管支と副鼻腔たちー。

さてさて。

話は変わるが、この日の朝10時から「24時間蓄尿検査」が始まった。
これは、24時間の尿を溜めてクレアチンがどの程度排泄されているかを測定し、腎臓の働きを調べるというもの。

なんかこういうのって、「退院が近づいてますよー」という感じがしてワクワクするのは私だけだろうか

部分切除した後の腎臓が、きちんと働いているかを確認する。
それはつまり、「問題なければ退院できるよ」といわばお墨付きをもらう検査だと思うのだ。

そんなことを思っていたら、実際にこの日の夜、「早ければ3日後に退院かなー」と担当医から告げられた(予定より1日早い、うれしい)。

やっぱり止まない雨はないし、明けない夜はないんだ。

もちろん、また雨も降るし、長い夜が続くこともあるだろう。
人生はその繰り返しだと思うから。
でも今は、夜明けが近いこの瞬間をよろこびたい。

スピッツの『大好物』を聴いていたら
時で凍えた鬼の耳も 温かくなり
呪いの歌は小鳥達に彩られてく やわらかく』
というフレーズが心を温かくした。


帰ったらニワンコとモフモフして、母と姉と一緒に「大好物」を食べることを夢想しながら、残りの入院生活もがんばろう、おー!

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