現場レベルで感じる大学サッカーの課題とその解決策まとめ①

現在、私は早稲田大学ア式蹴球部(体育会サッカー部)でマネージャーを務めている傍ら、関東大学サッカー連盟という組織に学生幹事として所属しています。

そんな中、普段のリーグ戦や早慶サッカー定期戦、インカレなどの試合を「運営する側」の立場となることで、大学サッカーの課題がいくつか見えてきました。

その1つが集客
事実、大学サッカーは集客で苦戦しています。
リーグ戦では、1000人すら入らない試合がほとんどです。
インカレという全国大会の決勝戦ですら、動員を含めて6000人程度。
同じ学生サッカーの全国大会である全国高校サッカー選手権大会の決勝戦は、5万人近い人がスタジアムに足を運ぶのに。

どうしてなんだろう。考えてみました。
早慶サッカー定期戦における集客経験も踏まえて考えてみた結果、以下の4つの要因が浮かび上がってきました。

①そもそも大学サッカーに興味がない
②試合と予定が被った
③スタジアムが(駅からも)遠い
④チケット代を1000円も払えない

このうち、①②が全体の大半を占めていると思われます(90%くらい?)。
③④に関しては、「大学サッカーに興味はあるんだけど…」という人たちの意見(両方合わせてせいぜい10%くらい?)の印象です。

興味を持ってもらうこと、注目度を高めることは大学サッカーだけでなく、あらゆる大学スポーツの課題であり、対処しなければならないのですが、
まずは、コアな大学サッカーファンも存在する③④の10%の層を確実に集客に繋げるために尽力した方が効率的ではないかと考えます。

そこで、③④に関連して、
私が感じる大学サッカーの課題と、私なりに考えたその解決策
それを2回に分けてお伝えしたいと思います。
今回はその第一弾!


※以下はあくまで私個人の見解です。中には事実にそぐわないことがあるかもしれません。ご承知おきください。




大学サッカーの課題①:スタジアムが(駅からも)遠い


例えばJ1の場合、リーグ戦は年間34試合あるのですが、そのうち最低でも17試合は自分たちのホームタウン内にあるホームスタジアムでリーグ戦を行うことができます。

一方、大学サッカーは毎週各地を転々としてリーグ戦を行なっています
(少なくとも関東ではそうです)

〈今季リーグ戦で早稲田大学が使用した試合会場〉
第1節 龍ケ崎市陸上競技場たつのこフィールド(茨城県龍ケ崎市)
第2節 味の素フィールド西が丘(東京都北区)
第3節 夢の島競技場(東京都江東区)
第4節 浦和駒場スタジアム(埼玉県さいたま市)
第5節 東京国際大学坂戸キャンパスサッカー場(埼玉県坂戸市)
第6節 フクダ電子アリーナ(千葉県千葉市)
第7節 法政大学城山サッカー場(神奈川県相模原市)
第8節 味の素フィールド西が丘
第9節 龍ケ崎市陸上競技場たつのこフィールド
第10節 岩名運動公園陸上競技場(千葉県佐倉市)
第11節 Shonan BMW スタジアム平塚(神奈川県平塚市)
第12節 味の素フィールド西が丘
第13節 県立保土ヶ谷公園サッカー場(神奈川県横浜市)
第14節 Shonan BMW スタジアム平塚
第15節 笠松運動公園陸上競技場(茨城県ひたちなか市)
第16節 笠松運動公園陸上競技場
第17節 江戸川区陸上競技場(東京都江戸川区)
第18節 三ツ沢公園陸上競技場(神奈川県横浜市)
第19節 味の素フィールド西が丘
第20節 フクダ電子アリーナ
第21節 味の素スタジアム西競技場(東京都調布市)
第22節 味の素フィールド西が丘

中には、山梨中銀スタジアム(山梨県甲府市)や栃木市総合運動公園陸上競技場(栃木県栃木市)で試合を行う大学もあります。
(仮に遠いスタジアムに割り当てられたとしても、我々はお願いをしてスタジアムを使用させていただいている立場なので、文句は言えません…)


このように、大学サッカーのリーグ戦は各地で行われます。
しかし、これだと大きな問題が。

各大学におけるホームタウン?である練習場近辺や大学キャンパス近辺での普及活動が、リーグ戦の集客に直接的に結びつかないのです。

これが大学サッカーの難しいところであり、最大の伸びしろだと考えています。


我々早稲田大学は、東京都西東京市の東伏見にあるグラウンドを拠点として日々活動をしています。
ア式蹴球部では、ワセチャレと呼ばれるサッカー教室や留学生とのサッカー交流会を行うなど、日頃から地域での社会貢献活動に努めています。

しかし、ここで疑問が。
東伏見に住んでいる方々が、はるばる茨城県ひたちなか市まで足を運んでくださるでしょうか?
(実際、笠松運動公園陸上競技場で開催された早稲田の試合は極端に観客数が少なかった記憶があります)


試合を開催するスタジアムを数カ所に集約する方が、集客面では有利でしょう。
しかし、リーグに所属する大学が増え、年間多くの試合をこなさなければならない現状や、使用させていただいているスタジアムの年間利用スケジュールなどを考慮すると、各地で試合を開催することには理解を示さなければなりません。

理想をいえば、日本の各大学がアメリカのように立派なスタジアムを持てるようになることが好ましいです。自由に使えますからね。
でも、現実問題、それがすぐに実現するとは思いません。

「各大学のホームタウンにおける普及活動とリーグ戦の集客を直接的に結びつける」という観点から考えれば、
各大学が普段から練習場としているグラウンドでリーグ戦をホーム&アウェイ方式で行うことが解決策の一つであると思います。
ですが、
1000人近い観客を収容できる立派なスタンドを持つ大学もあれば、
グラウンドにスタンドが併設されていない大学もあるため、
公平性を保つという観点で考えると、実現させるためにはまだまだ解決すべき問題が散見されるように感じます。


そこで、私なりにこのような現状を打開するための解決策を考えました。


【解決策①】〜スタジアム周辺の地域の方々を無料招待する〜

これは、リーグ戦を行なっているスタジアムのある市区町村に在住(・在学・在勤)の方を無料招待するというものです。

リーグ戦で使用しているスタジアムの多くが公園内にあり、地域の人々の散歩コースになっていたりと、地域にとって身近な存在となっています。

そこで、先述した大学サッカーの課題を逆手に取り、スタジアム付近に在住している方々を新たな集客のターゲットにすることで、観客増員につなげていく方が効率的だと考えました。
これは、各大学も今までターゲットとしてこなかった層を新たに取り込むことになるので、無料招待としても学連側の収支に大きな影響をきたすことはないはずです。(学連の経理には詳しくないので、実際はそうではないかもしれません)

↑以前、スタジアム周辺の市区町村を新たな集客ターゲットにすることをア式の集客ミーティングでちらっと提案したのですが、それを実際に形にしてくれたので非常に嬉しかったです。笑

しかし、集客をする大学側にだけメリットがあっても、それはいい案とは言えません。
スタジアムのある市区町村にとってのメリットを考えてみました。

そこで浮かんできたのが、大学サッカーの試合を通した地域活性化やPR
メディアへの露出度が低い大学サッカーにはまだそんな力がないかもしれませんが、特にJリーグの試合を行っていないスタジアムを保有する市区町村にとっては良い機会となるはずです。

私なりの最終目標は、スタジアムのある市区町村の人々から大学サッカーの試合を歓迎されるような状況を作ること。
そうすることで、各地に大学サッカーの輪を広げることが可能になりますからね。

【参考モデル】
・水戸ホーリーホックの「〇〇の市(町)の日」シリーズ
これは、ある該当のホームゲームで、ホームタウンに指定されている〇〇市(町)に在住・在学の人はメイン席に無料招待されるというもの。これによって、サッカーを通じて地域の絆を深めようとしています。

上のものとは異なるのですが、笠松でリーグ戦を行った時、ポスターがパッと目に止まりました。
ものすごくインスピレーションを受けたのを覚えています。


【解決策②】〜スタジアムまでの経路をデザインする〜

日本国内において、サッカースタジアムの交通アクセスは良いとは言い切れません。(日本国内のサッカースタジアムの交通アクセス問題は、今度改めてnoteに書きます!)

正直、スタジアムの交通アクセスが悪いと来る気失せますよね。
観客に全然フレンドリーじゃない
それだとリピーターは獲得できない

でも、我々には、スタジアムの位置を変えることも、スタジアム周辺に公共交通機関の駅を作ることもできません。

しかし、スタジアムまでの経路をうまくデザインすることによって、スタジアムまでの道のりを実際よりも近く感じさせたり、楽しませたりすることは可能です。

その具体的な方法としては、
①バスツアーを組む
②最寄りの駅から部員と一緒に歩いてスタジアムまで歩くツアーを組む
などが例として挙げられます。

①に関しては、筑波大学蹴球部さんが既に実践されてますよね。
すごい良い施策だと思います。さすがの一言に尽きます。

②に関しては、部員と楽しく話をしながらスタジアムまで歩くことで、その時間を楽しませることができるのはもちろん、部員とファンとの距離を縮めることによって、チームに対して更に興味を持ってもらうことが期待できます。(自分はかなり推してます!)

筑波大学蹴球部さんのバスツアーは部員もバスに同乗するということで、上記の①②両方を一度に達成しちゃうなんて、ほんと素晴らしいですよね。



以上、長々とお伝えしてきましたが、今回はここまで!
第二弾へと続きます!

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林 隆生

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