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ボードゲームって? その2

 前回『ボードゲームって?その1』では、よくわからない定義を置き去りにしてそのページを閉じた。以下の通り。

【テーブル上程度の空間でボード、コマ、カードなど非電源装置を使って行う、楽しさを表現するテーマ、コンポーネント、システムの総体】

 “ボードゲーム”にひと言を説明するのにこれだけの文字数を使ってしまった。ぼくの国語力の限界をみたところで、今回はそれぞれの語句を分解してひとつずつその心を説いていく。
 最後には、もう1つ大きな主張して本note閉めたい。


「テーブル上程度の空間で、」

 ボードゲームは別名テーブルゲームや卓上遊戯とか呼ばれたりする。おもにヨーロッパのテーブルを囲む習慣から想起された状況なのだろだろうが、テーブル上や最悪テーブルがなくても膝や手の上の空間が物理的なゲーム範囲である。

 この項目の適応例として、ツイスターとか缶蹴りとかが挙げられる。この2つはぼくの感覚からするとボードゲームとは言いにくい。
 
 余談だが、ヨーロッパのボードゲームで遊んだりすると、日本の机ではサイズが足りないこともあってしばしば生活様式の違いを実感する。


「コマ、カードなど非電源装置を使って行う、」

 これはそこまで解説はいらないだろう。人生ゲームなどを想像してもらうとわかりやすい。じゃんけんやスマホ人狼ゲームでこの項目の意味がわかると思う。よく聞かれる、大富豪やポーカーなどもぼくは広義でボードゲームとして捉えている。


「楽しさを表現する」

 ボードゲームひいてはゲーム自体の定義のキモになっている。さらに、遊び・遊ぶ・楽しい・ゲームといった言葉の認識にも関わる。
実は今回の定義においてエンジン的な役割を果たすこの文言は、遊びに関するプロからの請け負いである。これだけでも別の記事にしてもいいくらい。

 今回は簡潔に、ゲームとは楽しさを作り出す装置である、ということを言いたい。当たり前のことかも知れないけど、この明文化はすごいと思う。

 やっぱりこれに関してはいずれ別記事にまとめよう。


「コンポーネント、テーマ、システムの総体」

 ここらへんはボードゲーム業界用語的なのでわかりにくかったかと思う。
人生ゲームを例に説明しよう。 

 まずはコンポーネント。部品・パーツ・トークンにいいかえられる。人生ゲームでいう「車、ルーレット、ボード」などである。「コマ・カードなど非電源装置を使って行う、」という項目に少しかぶってしまうが、ボードゲームを分解したときに考えなければならない重要な要素である。

 次にテーマとは、そのゲームのストーリーで、人生ゲームでは「人の一生」がテーマにあたる。列挙した3要素のなかで、このテーマだけは抜け落ちていることもある。ポーカーがわかりやすい例である。

 最後は、システム。これが1番認識しにくいが、ぼくはボードゲームの本質はここにあると思っている。ルールや仕組みであると考えてもらえばわかりやすい。人生ゲームでは、「ル-レットをまわし出た数字の数だけマスを進み、その指示に従う」というルールがシステムにあたる。

 以上はハードウェア・表面的ソフトウェア・機能的ソフトウェアによる分解である。ここから今後ぼくが提唱していきたい『法芸論』はスタートする。それに関してはまた別機会に譲ろう。

まとめ

 複雑さを上書きしたかもしれないが、ボードゲームの定義をしようと思うと簡潔に書こうとしてもこれくらいの文量になる。

 それでも世の中のすべての物事をボードゲームとボードゲームではないものに分類できたかというと、そんなわけはない。ルービックキューブ・知恵の輪など、定義には漏れていないがボードゲームというのは難しいだろう、といったモノはこの文章を嘲笑するのように堂々と存在している。

 しかし世の中はグラデーション。だから人が分類するコトバとコトバの境界におもしろみが宿るのである。

 今回2記事にわたって書きたかったことは、もちろん「ボードゲームとは?」の大まかなぼくなりの答えについて。ただその“外れ”を楽しみ、そういうボードゲームを作りたいという意思もまた大きなテーマであった。

 ぼくはこれからどんどんボードゲームを作って、今回の定義を強化させて軟化させていく。


 次回からは、ぼくがなぜここまでボードゲームに取り組むのか、その根底にある『ボードゲーム無敵論』を複数回にわたって連載したい。

お楽しみにー


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