HyperDrive Gen2 18 ポート USB-C ハブの功罪

画像1

Kickstarter でキャンペーンが開始した日、すぐに支援したリワード品である HyperDrive Gen2 18 ポート USB-C ハブが先月末に到着しました。 7 月末に出荷され、何があったのか香港からオランダに送られ、そこから時間をかけて日本にやってきた品です。

なお、発送を担当した S.F.Express のトラッキング情報によると、まだどこかに転送中だそうです。この商品はいったい何物なのでしょうか?

画像2

HyperDrive Gen2 18 ポート USB-C ハブとは

サンホーコーポレーションが HYPER ブランドで提供している USB-C ハブです。名前の通り第 2 世代の HyperDrive で、 18 ポートは最上位モデルとなっています。

フロントは
・USB 3.1 Gen2 / USB-A ポート × 2
・USB 3.1 Gen2 / USB-C ポート × 1
・QC3 対応充電用ポート × 1
・UHS-II 対応 SD カードリーダー × 1
・UHS-II 対応 microSD カードリーダー × 1
・3.5mm オーディオジャック × 1

バックは
・USB 2.0 / USB-A ポート × 2
・Coaxial オーディオポート × 1
・S/PDIF オーディオポート × 1
・Gigabit イーサネットポート × 1
・HDMI 4K 60Hz ポート × 1
・DisplayPort 4K 60Hz ポート × 1
・VGA ポート × 1
・USB 3.1 Gen2 / USB-C ポート × 1
・USB-PD 100W Input ポート × 1
・専用 AC アダプターポート × 1

これで合計 18 ポートです。 OWC Thunderbolt 3 Dock 13 ポートモデル (今はモデルチェンジして、 14 ポートモデルになっています) からのリプレイス目的で購入したのですが、比較して良かったところと悪かったところがあります。

比較して良かったところ

1. フロントの USB ポートが USB 3.1 Gen 2 対応で高速
2. SD / microSD カードリーダーが UHS-II 対応で高速
3. S/PDIF 出力の設定を 24 ビット 96KHzにしてもノイズが載らない
4. 小型
5. 比較的低価格

正直に言えば、この 5 つのみです。 RX100M5 や X-T30 で写真を撮るので、 SD カードリーダーが高速になった (持っているのは UHS-I ですが) のはありがたいですし、とても安定しています。

また、 S/PDIF 出力も OWC のものでは 24 ビット 96KHz 設定では相性の問題かノイズが載っていましたが、 HyperDrive Gen2 では問題ありません。FOSTEX の HP-A3 DAC を使っているので、これは嬉しかったです。

ボディも小型で、この手のマルチポートハブとしては低価格なのも良い点だと思います。今は Makuake で 26,602 円で支援できるようになっていますね。私は Kickstarter で $99 だったので、比較すると高いですが……。

比較して悪かったところ

1. 正面の QC3 対応充電専用ポートはいらない
2. 背面の USB-A ポートは USB 2.0 限定
3. VGA ポートいらない
4. AC アダプターは付属しないので別途 100W USB-PD アダプターが必要
5. 本体で 10 〜 15W 消費する
6. MacBook Pro と接続するのに残りの USB-C ポートを使ってしまう

正面にある充電専用ポートはなんで載せた……?という感じですし、背面の USB−A ポートもせめて USB 3.1 Gen 1 ぐらいにしてくれていたら……と思いますし、 VGA ポートは使わないです。

特に正面にある充電専用ポート。クラファンの商品説明ページでは USB-A ポートの内部が USB 3.1 Gen 2 ポートと同じで青色に塗られていて、一見すると同じに見えますが、実物は黒色に塗られていて、違います。

画像3

商品説明ページをちゃんと読めば充電専用ポートだとわかるかも

背面の USB-A ポートも USB 2.0 なので Logicool の Unifying レシーバーを接続するぐらいしか活躍の幅がありません……。

AC アダプターが付属しないので別途給電用に高出力の USB-PD アダプターが必要になり、HyperDrive Gen2 側でいくらか消費します。そして MacBook Pro との接続で残りの USB-C ポートを使うため、背面にはもう USB-C ポートはありません。

では、専用の AC アダプターを別途購入すれば、USB-PD アダプターと接続している USB-C ポートが空くのか?と思うかもしれませんが、結果は NO です。このポートは電力供給専用で、データの転送はできません。

ELECOM が発売している USB-PD 100W 入力対応、 USB-C 3.1 Gen 2 対応の USB−C ハブを間に接続してみたのですが、ここではじめてデータ転送が不可能なことに気がつきました。 

なお、専用の AC アダプターは $49.99 で公式サイトで発売しています。 180W 出力なので相当にパワフルです。

私はこの AC アダプターは買わずに CHOETECH の 100W GaN USB-PD アダプターを 3,999 円で購入して接続しています。

結論として、乗り換えてよかったか?

OWC Thunderbolt 3 Dock からの乗り換えとしては、あまり正解とはいえない選択肢だったと感じています。これだったら CalDigit TS3 Plus の方が乗り換え先としては良かった。

ただし、私の場合は $99 + GaN アダプターを 3,999 円で購入しているので価格としては比較すると低く抑えることには成功しています。 GaN アダプターを買わなくても MacBook Pro 15 インチや 16 インチを持っていれば 87W や 91W の USB-PD アダプターがあるのでそれを使っても良いでしょう。

このポート構成で十分、接続するものも満足できるというのであれば、 HyperDrive Gen2 18 ポートモデルで良いと思います。専用 AC アダプターを使わず、 USB-PD アダプターを使って駆動できるのも持ち歩くとしたらメリットだと思います。

しかし、接続の構成を考えたときにこのポート構成では足りない、フロントとバックからケーブルが飛び出す、据え置きで使う前提、Thunderbolt 3 で接続したいというのであれば、 CalDigit TS3 Plus の方が良いでしょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?