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文化の総合性と、作品の時間軸

毎週水曜の早朝(7〜8時)に行っている、文化雑談会「トーキョーアーツのれん会」の話題を共有するnoteです。
前回は、久しぶりに両国門天ホールで行いました。
※今後の予定やおすすめ書籍の案内は最下部にあります。

◎文化政策の話題から
大学院生の熊田さんが、公共政策学会で発表を控えているということで、そんなテーマで話しました。
行政の文化政策担当部局に音楽教員が出向(鹿児島県=霧島国際音楽祭に伴い、財団と自治体にそれぞれ音楽教員が出向するようになった)している事例などを研究しているということでした。ちなみに、私が最初に務めた江東区文化センター(財団運営)では(90年代当時は)教員免許か社会教育主事資格取得が必須で、退職した音楽や美術教師の方が特別講師として、講座の指導や音楽事業のプログラミングなども担当していました。2018年の計画(文化芸術推進基本計画)で行政に専門人材をおくことが推奨されたことも後押しとなってきているという話でした。
▼文化芸術推進基本計画(文化庁)
http://bit.ly/kihonkeikaku
▼日本公共政策学会

また、若い世代からは、40-50代の人たちが特に新しめの言葉(カタカナ)を使いたがるのではないかという指摘が、ありハッ(笑)とさせられました。例えば、創造都市をクリエイティブシティと言うだけで、届かない人たちもいるというようなことですが。(私も気をつけなければです。←50代)

◎作品と時間軸
また、表現論のようなことにも話題は飛び、抽象的な表現について話しました。抽象的なものを観続けられる時間の問題について、例えば、絵画や彫刻のように観る側が鑑賞時間をコントロールできるものと、映像作品、舞台作品のように作品に時間軸が含まれているものの場合の、時間設定の難しさについて話しました。具体的な現象としては、ある抽象的な振付けのダンス作品があったとして、そこにある(かもしれない)文脈を探し当たられるかどうかは観客側と演者(演出)側の文化的な蓄積(≒教養)に大きく左右され、そこに上演時間も入るので、ここの設定(抽象的な表現に集中できる時間的限度への想像)がとても肝になるだろう、というようなこと。

◎総合政策としての文化政策
最後は、また文化政策に戻り、文化政策の総合性についての話題として、例えば、道路政策と文化政策があるときに、「街道」「路地」「バイパス」などを、機能/文化それぞれの観点から整理すると、文化政策の範疇に入る様々な事象が見えてくるね、なんて事も話しました。

今回は参加者それぞれが、深く考えながら話が進みました。

2019.6.5 @両国門天ホール 4名参加

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【今後の予定】
6/12 ALMOST PERFECT TOKYO(新御徒町)
6/19 PUBLIC HOUSE 渋谷
6/26 出張のためお休みです
7/3 両国門天ホール(仮)
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—おすすめ書籍—
ルールメイキング: ナイトタイムエコノミーで実践した社会を変える方法論
齋藤貴弘(著)


一言コメ:のれん会にも参加する齋藤弁護士の初単著。文化関係者も必読!
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