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東京という都市

東京が嫌いだった。

無機質で、統一性がなくて
寂しい街。

視界に入るものが人のセンスを
磨くとしたら、東京にはそれがないと
勝手に思っていた。

でも、世界中の都市を周るなかで
少しずつ、東京というものが分かってきたように
最近、そんな事を思う。

東京は、東京で、東京の持つ
クールさみたいなものが
あるような気がする。

・・・・・・

東京は、灰色の空が似合うと思う。

無機質で、機能的。

それはそれで、ミニマムな
極限を追求している
街の個性がある。

ミニマムだけど、ミニマムになりきれない
雑多さもまた、神秘的な情緒を
生み出している。

日本人は、北欧家具が好きだけれど
共通点はミニマムで無駄がないこと。

でも、北欧にはヒュッゲという文化があるように
そこに、暖かさを内包している。

それは、ろうそく文化であったり
レンガの色であったり
木材のオーガニックさであったり。

真冬の氷点下の中でもテラスを好むのは
ヒーターの物理的な暖かさと
その色自体の暖かさがあるからなのか。

暖色がちりばめられている。

北に行くほど、黒を基調とした
モダンな感じになるけれど
ほのかに暖色が常にある。

ミニマムで座敷牢のように無駄がなく
でも、やっぱり暖がある。

でも、東京にはそんな差し色がない。

灰色で、機能的で、寂寥感すら
漂わせている。

でも、もともと日本は、禅のような
ミニマムで、モダンで、機能美という
文化がある。

木の時代にあったそれが
コンクリーの時代になっても
脈々と引き継がれていて

そのように形が変わっても受け継がれているものが
この街をこの街たらしめているのかと思うと
少し見え方が変わってくる。

・・・・・・

都市というのは脆弱な存在だ。

電気も、食べ物も、水も
全部、地方が賄っている。

地方から分断されたら
3日ももたないのが
都市という存在だ。

都市は、がっついたモンスターのように
ただただ、消費をするだけの場所。

だから、東京ファーストというのは
ちょっと違うんじゃないかと思う。

なぜかって?

だって、都市は都市だけでは
成り立たないわけで
そこを見誤るのは、ジャイアン的な
わがままな子どもみたいなものじゃないかな。

・・・・・・

問題提起が大切だと思う。

もし、天災が起こったら
東京の人は生きていけるの?

であれば、電力の問題だって
自給率を高めなければならない
かもしれない。

それをこの東京という街で
産み出すには、何ができるのだろうか?

満員電車の通勤だってそう。

問題はたくさんある。

それを、オープンにして問題提起を
することが大事なのだと思う。

と、同時に、オランダみたいに
それをスタートアップの存在で
解決していけたら良いよね。

そもそも、事業とは社会を
良くするために起こすものなのだから。

個人的な考えとしては
事業や起業とはそういうものだと思う。

・・・・・

でも、もっと大切なのは
この街をどんな街にしたいかという
グランドデザインを持つことだと思う。

持続可能な街として
電力や食料や水を
どうするのか?

どいういう街にして
どんな暮らしをしたいのか?

そういうことを一人ひとりが考えて
そのためにどうするのかを考えて
そうやって、自分ごととして
考えていけば、もっと良い都市になると思う。

ぼくたちは、箱に入れられているわけではなくて
箱をつくれるのだから。

そんなの無理だって?

でも、北欧ではそうやって
国も都市もできあがっているのだから
無理じゃないと個人的には思う。

・・・・・・

東京都は、起業家が5%しかいなくて
地方よりずっと少ない。

だから、増やしたいらしいけど
増やすために、講座をやったりすることも
必要かもしれないけれど、

その前に、どういう都市にしたくて
どういう問題を抱えていて、それをどう解決するかを
起業のステップにした方がいいんじゃないか、

と、個人的には思う。

・・・・・・・

日本は安心できない国になってしまったと思う。

人口ボーナスがなくなり
終身雇用がなくなり
個人でどうにかしなくては
ならない時代になってしまった。

だから、テーマはサバイブすることで
生き残ることになった。

でも、人は本当は安心したいし
本当はその方が幸せだと思う。

でも今の時代、保証や安心を求めるだけで
ダメな人だと思われてしまう。

でも、本当は安心できた方が良い。

ただ、それができないから
生き残るすべを、ぼくは仕事として
伝えている。

そうして、日本は個人主義に走り
唯一、安心を担保してくれるものである
お金を求める。

お金、絶対主義。

でも、人として本能として考えたとき
個人主義も、お金主義も
そこに幸せはあるのかな?

どう思いますか?どうなんだろうね。

・・・・・・

人は、土地に根付いて生きるものだと思う。

だから、地方でも都市でも
一人ひとりがもっとどういう場所に
したいのかを考えることだと思う。

もっと真剣にね。

こういう話をすると、どうしちゃったの?
と思われてしまうかもしれないけれど、

そんな事を考えながら
ぼくは東京に住んでいる。

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