インターネットから本へ。

私が高校に入った時、親は携帯を買ってくれませんでした。代わりに、自分専用のノートPCを買ってくれました。dynabookの据え置きタイプでした。それを使って、ネットサーフィンを楽しみました。しかし、もっと効率的に有用な情報へアクセスできないかと思いました。
当時行き着いたのは、ソーシャルブックマークサービスです。自身の気に入ったページを登録できると同時に、他者が登録したページを見ることができました。登録数が多いものがトップに上がって、すぐにアクセスできました。それによって、ライフハック、ガジェットなど、今まで知らなかったことをたくさん見つけられました。
有用な情報の多くは、特定ジャンルに絞られたニュースサイトや、会ったこともない方のブログに集まっていました。たくさんの中から重要な情報をすくいだす彼らを、キュレーターと呼ぶと、後に知りました。これが美術品を選ぶ人としても言われることを知ったのは更に後でした。
しばらく見ていく中で、特に重要な事柄は、あるキュレーターの周りに集中している事に気付きました。彼らの情報をいつもチェックできるようにrssへ登録しました。

ある時、Twitterというサービスが流行っていることを知りました。実際に使ってみると、みんながつぶやいていました。自分もつぶやきましたが、よくわからないなあと、当時は思っていました。めんどいし、次第に見なくなっていきました。
変化があったのは、おそらく偶然にキュレーターのタイムライン(TL)を見た時です。彼は、つぶやき、宣伝し、他の有用な情報をシェアしていました。いつのまにか、ブログ記事をTwitterでシェアできるようになっていました。この事に興味を持ち、Twitterを再開しました。友人と話すためのプライベートアカウントと、情報を集めるための専用アカウントを作りました。
TLを見ていると、特定のアカウントの発言や投稿が、多数のリツイートを集めていることがわかりました。私はその方をフォローし、共有した記事を書いた人をまたフォローしました。いつのまにか、TLは追いきれなくなりました。
どうにか、有用な情報だけ抽出したい、更に知らない世界を見たいと思い、フォローする人を選別し始めました。方法は次の通り。
①キュレーターがフォローしている人を見る。
②フォロー数などからキュレーターの候補を見つける。
③TLを見て、欲しい情報を共有しているかを確認する。
④合致していればフォローする。
⑤事柄が特に知りたい分野の場合は、キュレーターをフォローしている人について調べる。
⑥中規模のキュレーターを見つけて、フォローしていく。
この時には気付きませんでしたが、方法を行う事で現在言われる「ツイッター村」にうまく所属していたのだと思います。
そして、現在では浸透している「個人の時代」の始まりを私は見ていたわけでもありました。

個人の発言力が、動かざるものを動かす時代は、順当に来ました。その一方で、私たちを混乱させる種も身を潜め、一気に開花したのがこの数年です。
ネットサーフィンは、高等な技術となりました。ブロガーが検索でトップに行くような研究を重ね、それは企業に継承され、嘘が撒き散らされました。SNSと意味付けされたものは、拡散を加速しました。一人で国の命運を狂わせられるようになりました。
画面を飛び出して、世界を1秒1秒ごとに、後戻りできなくさせました。
嘘は本当に。本当は嘘に。
日本では特に、流れが堰を崩し、闇を出し始めました。社会は受け入れられずに、嘘の中で本当を叫ぶしかできなくなりました。この状況は、世の中を多層にレイヤー化しました。
気づかずに生活する方が平和では無いかとも、思ってしまう今です。

しかしながら、今と戦う人たちもいます。彼らは、元々最適なキュレーションの場だと考えられてきた、ネットから別のアプローチへ舵を切りました。
本へ、です。

ネット上では埋もれてしまう情報も、本は物体である事により書店に並べられ、見ることができます。また、本を作成する際には編集者・校正者がつくことが多く、品質も保障されています。(例外もありますが。)

書店側も現状を理解し、独特な店舗を増やしています。大手で先端を行くのは、蔦屋書店です。本をベースにキュレーションした空間は、しばらく経った現在もテーマを変えながらカスタマイズされ、人々を魅了しています。その効果は、地方のチェーン書店にも影響を与え、明屋書店(愛媛松山)や大垣書店(京都)が新店舗をオープンしています。
ただ、この形態を第一に取り入れたのは、小店舗の書店です。特に有名なのは恵文社一乗寺店(京都一乗寺)でしょう。実はチェーン書店が減っていく中で、小店舗の書店が増加しています。例を挙げれば、京都の誠光社・ホホホ座・開風社 待賢ブックセンター、東京のtitle・BOOK LAB TOKYOなど。都市中心部から離れていても、わざわざ行きたい書店ばかりです。

別のアイデアを考えたのは、NewsPicks Bookです。主催するNewsPicksのアカデミア会員(有料)になると、講演に参加できると同時に、本がほぼ毎月送られてきます。異なる著者の本が。どんな本を提供するかは、編集者に委ねられてます。つまり、意図により、時には爆弾(比喩)を落とすことも可能なのは、面白いところです。(落とす予定らしいです)

あと、個人的には、雑誌が見直されているのも重要だと思います。人文学に携わる方々が集まって作られた『たぐい』のように、濃密な厳選された記事が集まる雑誌が創刊されています。双子のライオン堂が出版した『草獅子』のように、書店発も増えていきそう。CampFireを見に行けば、ZINEのクラウドファンディングが行われていて、一般の人もだすハードルが下がっている。

長くなってきたし、この辺でしめようと思いますが、何が言いたいかというと、、、インターネットによって本の重要性は寧ろ、高まった!

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自分がこれから何をしていこうかなと、日々考えてました。
その中で、本好きとして、本を売ることや市場を活性化する事に携わりたいなあと、思い至りました。

まずは以上のような文章を書くことから始めてみました。
準備を進めていきます。

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