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ユーザーの解像度を上げなさい

最近当社サービスに「ネイルしてますが大丈夫ですか?」とのメッセージがやりとりされてる件が目立ち始めた。
社内でも社外(ユーザー個人のSNSなど)でもこのことが少し賑わったので自分の考えを整理してみた。

瞬間反射的に元医療従事者の僕の意見は、シャッター下ろす拒否感があったが、結論的には「それで仕事がもらえるならいいんじゃないですか?」に変わった、というのがこの記事の主旨でありる。

そして、その過程で自分のユーザーに対する解像度の低さが変化するポイントだったという話だ。
※タイトル[ユーザーの解像度を上げなさい]は自分に言ってる言葉ですね。

前提。
当社のサービスは、歯科医療人材のマッチングプラットフォームであり、↑の質問は当社サービスを通して勤務する歯科衛生士からの質問だった。
質問の受け手は当然歯科医院であり、歯科医院長であることが多い。

ちなみにあなたは、歯医者に勤務するスタッフが、ネイルしてたらどう思いますか?
[気になる]or[気にならない]??


医療従事者の風上にも置けないんじゃないの?

個人的には冒頭のように「医療従事者の風上にも置けないんじゃないの?」って思ってた。
少し細かいけど「医療(介護)従事者がネイル」に対して医療従事者の風上にも置けないという発想に至った経緯を補足したい。

  • 感染対策の観点で拒否感
    「医療(介護)従事者がネイル」と聞いて、[医療]機関の感染防止プロトコルという概念に基づく現場の緊迫感や、[介護]提供者が居宅へ訪問し身体接触のある生活介護を提供するような心労感に対する相性を考えた。
    例えば、ope室で看護師がネイルしてる?居宅で胃ろうやってるヘルパーがネイルしてたら?
    そんな状況があれば、感染対策委員が飛んできて、くびの後ろを手刀で「トンッ」で終わりなのである。

  • 場の違和感を感じる意味で拒否感
    障がいを持つ患者や家族への対応の現場で、必要以上に個を際立たせる装飾性を高めることの違和感。
    喪中の正月に年賀状をお断りするような感覚に近いと思う。
    ※「必要以上」の程度感は、現場の緊迫感で決まると思うけど。

といった考えで、医療従事者の風上にも置けないって「ぷんぷん」してた。

解像度が低すぎるぞお前

友人の看護師のこのことを相談したら「↑の意見わかるけど、たぶん状況が違うよね。医科歯科介護の領域で、場の重さって違うんじゃない?」といっていた。

ハッとした。
冒頭に戻る。

当社のサービスは、歯科医療人材のマッチングプラットフォームである。
そして↓ここが解像度の変化点だ。
歯科業界は、医科・歯科・介護業界で唯一「予防」というキーワードが根拠法令に含まれている。身体機能が障害を受けていない状態(平たくいうと健常者)に対しての医療サービス提供で算定がつく(保険が効く)という、一線をかく部分があるのだ。

要は、医科(医療機関)、歯科(歯医者)、介護(介護現場)という分野の違いで、患者の状態や緊急度が異なり、歯科に関しては身体機能が障害を受けていない状態(健常者)に対する医療サービス提供の側面もあるため、少しライトに捉えていい部分もあるということである。
(これは程度の問題であって、職種職能としての優劣を言ってるわけでないし、歯科にも緊急度や重症度が高い患者を対応する場面はある)

歯の定期検診やメンテナンスのために歯医者に通院する際、担当の歯科衛生士さんからカジュアルに話をしてきてくれた方がなんでも相談しやすいよね。という話だ。
結果、その雰囲気が身なりに反映してても違和感ないということである。

属性をいっしょくたに見すぎてただけ

「医療(介護)従事者がネイル」に対する拒否感は、「医療(介護)従事者」という属性(医科・歯科・介護)を全部いっしょくたに見すぎてた、解像度の低さから勝手にぷんぷんして風上にも置けないなんで言っていたというわけだ。

ここまで話をしてじゃあ歯科医院はネイルしている人はOKなのか?という話ではなく、あとは個人の感覚の問題になる。
現に当社のプラットフォームでは、「ネイル禁止です。」という歯科医院もよく見かけるし、感覚の問題だけの話なのであれば僕はNGでいいと思ってる。

解像度を上げる

以前、馬田隆明氏の「解像度を上げる」を読んだ。
解像度を上げる観点として、「深さ・広さ・構造・時間」をもとに解説をさている。

今回で言うと、「医療(介護)従事者」と広義の対象としたら広さが足りていなかったし、「歯科医療従事者」と狭義の対象としたら深さが足りていなかった。

人は、自分が知っていること以外のことを言われると感情が乱れる。
「ぷんぷん。」
自分あほだったな〜と思った、そんなお話でした。

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