一番好きな焦点距離は？と聞かれたら、おそらく僕は35mmと答えると思う。
ぼんやりと眺めている時の人間の視野がだいたい35mmらしい。
そのためなのか、35mmは何となく肩の力を抜いて写真が撮れるような気がする。
気負わずに使える、自分を偽らない、だから35mmが好きなのかもしれない。

好きな焦点距離だからこそレンズに妥協したくない、そんな思いが新宿のサンタさんに通じたのか我が家にSIGMA 35mm F1.2 DG DNがやってきた。
メリークリスマス、マップカメラ。

F1.2と明るい開放値に妥協しない描写、そんな性能を盛り込んだため、重量は1,090g。
力を抜いて写真を撮りたいのに、力を込めないとレンズが持てない・・・
しかし不思議な事に購入したばかりの新鮮なレンズは重量は0なのだ。

買ったばかりのレンズは開放で撮れという、おばあちゃんとの約束を守り全て絞り開放で撮影。

開放値が明るいレンズは絞り開放だとゆるくてふわふわなイメージがあったが・・・このレンズによってそのイメージは覆された。
絞り開放でも質感がしっかりと感じられる。
あの時は僕にはこう見えていた、撮影時の雰囲気をしっかりと思い出せる。
空気が写るとはこういう事なのだろうか。

好きな焦点距離で好きな写りがするレンズに出会えたような気がした。
このレンズとは生涯付き合っていくと思う。
そんな僕らの関係を初めて恋人が出来て高校生カップルくらいの温度感で見守っていてほしい。

Twitter：Ryuji Siba