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酒は人生のファストパス

その昔、言い伝えによると某鼠さんランドでファストパスなるものがあった。(今は全部オンラインらしい)

どんなものかと言うと、あらかじめ追加料金でこれを買えば、並ばずに人気アトラクションに乗れるのである。

最近の酒は私にとってこんな用途である。

ADHDなのかASDなのか知らないが、日々がものすごく退屈で、故に「早送り」したい。
朝起きると自意識に目覚めるのが鬱陶しくて、
絶望的な鬱状態か、または身近な人に当たり散らすと言う有様である。

そんな時、どこでも買えるのがアルコールという「人生のファストパス」だ。(これは他の薬物、ドラッグ的なものに置き換えても良いだろう)

これにより、飲んでいる間は自己を忘れ、なおかつ健康寿命も削れ、あの世に召されるのも少し早められるというお得なチケットである。

しかし、経済的な負債は大きく、また他人に迷惑をかける、糞尿を漏らす、せっかく筋トレしているのにベンチプレスの重量が伸びない、など実利的な害も増していく。

希死念慮のある人間が、「のぞみ」や「はやぶさ」の指定席券を買ったからと言って、必ず先に目的地に着くわけではないのだ。
人生はそんな甘いものではない。

そう思うと、毎月無駄な携帯プランや行かないジムの月会費を払わされ続けている消費者のような気分になってくる。

赤ワインがないと牛肉のタリアテッレが物足りないとか、
寿司屋で一合の上等な純米酒を飲めないなんて、という心情は、私にとっては心苦しくて、なんかもう胃をボブサップか朝青龍に握り潰されるような既成概念なんである。(そもそも牛肉と寿司は苦手であるが)

そういうのが上手くできる酒徒にはより励んで経済を潤わせてほしいと思う、ホントに。

私はこのゲームから降りたいと願い、ひたすらに解離した自分が右脳と左脳の格闘を見守っている、一種のイッちゃった人なのかも知れない。

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