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2023.07.17 月曜日


”「残念そこは〇〇(選手名)」”

おそらく、野球が好きな人であれば、一度は見かけたことがあるのではないかと思われるこのセリフ、今日は、コレにスポットライトを当てて論じていきたい。

まず、僕が知り得る限りで「残念そこは〇〇(選手名)」という表現が用いられやすいケースを挙げておくと、だいたい、贔屓にしている選手、特に、守備力に秀でていると感じている選手が、自分の期待に見合う、ないしは、期待以上のファインプレーを見せた時に、ドヤ顔を伴って、発せられることが多い。そんなイメージが僕にはある。

で。

これは意外に思われるかもしれないが、ドヤ顔で「残念そこは〇〇(選手名)!」と一度言われただけで「あぁ、この人…。」といった具合に、一発アウトで、マイナスのレッテルを張るわけではないのだ。ココ、今回、凄く重要。ポイントね。

僕が問題視しているのは「決まり文句そのもの」ではなく「いついかなる時も決まり文句一辺倒」であるのだ。一見すると、全く同じ振る舞いに思われるのだけど、少なくとも僕の中では、雲泥の差、という強い表現を用いて良いぐらいには、違う。まさしく、似て非なるものだ。

後者に属する野球ファンの方に対する僕の言い分としては「他に選手を褒める表現を知らないんですか?」と、皮肉交じりに問いたくなってしまうところにある。今風の表現を用いるのであれば「ボキャ貧」といった感じだろうか。

今、文章を作成していく過程で、具体的な人物名を出した方が想像しやすいのかな、と感じたので、厳密に言えば「残念そこは〇〇(選手名)」とは異なる表現なのだけど、意味合いとしては全く同じと言える表現である、源田壮亮選手の好守備を称賛する決まり文句「たまらん」を用いて、具体例を出すことにしようか。

例えば、三遊間(サードとショートの間)に抜けていきそうな打球を、名手のショートである源田選手が華麗なプレーでキャッチして、バッターランナー(三遊間に打球を飛ばした打者)をファーストでアウトにしたとしよう。

これを見たライオンズファン、ならびに、源田選手のファンは、ここぞとばかりに「たまらん」と、Twitterで呟いて、トレンド入りしたとする。

ここまでは良いのだ。

しかし、毎度毎度、極端なことを言えば、一年間、143試合の中で、源田選手のファインプレーによって、ヒット性の打球をアウトに取ることが出来た、と思われるプレーの全てを「たまらん」というツイートのみで称賛を終える、というのは、僕は正直、どうなんだろうなぁ、と思ってしまうわけだ。

今回、分かりやすさを優先して、実際にTwitterのトレンド入り常連だと思われる「たまらん」で述べてきたが、トレンド入りするにせよ、しないにせよ「ファインプレーをした時は〇〇って呟く」とルール化している人を、僕は解せない。

そんなことを「残念そこは〇〇(選手名)」という言い回しに対して考えさせられた一日だった。

僕としては「全く同じシチュエーションもなければ、全く同じプレーもないにもかかわらず、ファインプレーと思われる守備は全て『たまらん』とか『残念そこは〇〇(選手名)』という誉め言葉で統一するんですか?」と思ってしまうのだ。

正直、言葉を選ばずに言えば「ちゃんと試合見てんの?」といった、トゲのある表現すら頭に浮かんできてしまう。「脊髄反射的に『この選手が好守備を見せたらこう言う』と、決められた行動を取っているだけじゃないの?」と、一言多い質問を浴びせかけたくなる、そんな心情に駆られてしまうのだ。

ただ、さすがに、僕も、それなりの年齢ではあるので、自制心をもって感情をコントロールしているが、いずれにせよ、心の奥底では「もっと他にオリジナルの誉め言葉を考えたりしないのかな…。」とか「みんなが使ってる表現だから僕(私)も使おう、みたいな論理なのかな…。」などと、モヤモヤは残ってしまうわけで。

同じ野球好きである僕としては、例えば「この場面でそのプレーが出るのはホントにデカい!」などといった風に、試合展開・試合状況を踏まえた上で、ファインプレーを称えたくなるなぁ、と思うわけで。

ただ、僕の場合は「『たまらん』をトレンド入りさせよう!」とか「『残念そこは〇〇(選手名)』をトレンド入りさせよう!」などといったことは一切考えていないからこそ、ただただ、自分が感じたままに、自分なりの表現で、その選手を称賛するコメントを発することが出来るのは、否めない。

そこまで思考を巡らすと「じゃあそもそも『トレンドワード』という仕様自体に問題があるんじゃないか?」とか「トレンドに引っ張られた結果、その人の持つ独創性が失われました、みたいなことにならなければ良いのだが…。」などなど、別の問題を危惧しはじめてしまった。

こんなことばかりしているから、一人で勝手に心身を疲弊させてしまうのだなぁ、と、自嘲の笑みを漏らしたところで、今日の話は終えることにしよう・・・。

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