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栄光なき良コミック選書 カガミガミ編

竜神は昔からコミックが好きで結構読んでるんですが、自分が気に入った作品が悉く打ち切りを食らう、と言った特殊能力があります。好きになった作品に申し訳ないなという気持ちが大きいくらいです(汗)せめてもの罪滅ぼしに作品紹介できればと考えます。今はkindleとかで読めたりもしますしね。

カガミガミ

あらすじ

勇敢なる式神つかいと心優しき探偵の物語、開幕!! 都内の櫻ヶ守公園内で起きた、4人の少年のバラバラ殺人事件!! 人の手では到底なしえない犯罪に、調査のため、式神つかいの少年・嘉神恭介が派遣される。現場で出会った探偵の美好マコと共に犯人を捜し始める恭介。だが、彼らに犯人の危険な式神が襲いかかり…!?(Amazon)

竜神は好きでした

主人公は式神使いの少年、嘉神恭介で心優しく好感が持てる性格をしています。それが一旦戦闘のために式神を憑依させると大胆な性格で超強くなる、そのギャップがまずイイです(お約束ではありますが)。そして、恭介がお世話になる探偵事務所の所長、美好真子も普段はダメダメの探偵志望でありながら秘めたる能力を持っている…とか、少年漫画っぽくてそこもイイ(笑)ライバルや敵役も盛り過ぎかなってぐらい色んな要素を詰め込んでいます。序盤はそのオーバースペックな要素を、テンポの良さとダイナミックな展開で読ませていきます。物語が進むにつれて、舞台もどんどん広がっていき、それに伴って増えていくキャラクター。多少、駆け足な加減も有ったんですが、多く登場するキャラクターもそれぞれ面白く魅力的で、少年漫画の王道で進んで行くのかな、と思ってたんですが…。

実際のところ

まず序盤の山になるキャラクター同士の力比べ(所謂天下一武闘会)が始まり、各キャラクターの思惑や禍根を絡めながら戦闘が進んで行きます。さて、これでライバルもはっきり書かれてここからだ…と思った矢先…。大ボスが出てきて、物語の核心を突くエピソードが始まっていきます。時をして単行本は3巻目。早い、早いよ、スレッガーさん。そこからはキャラクターの伏線も(半ば強引に)回収しつつ、物語もしっかり締めました
ただ・・・もったいなくね?キャラクターの背景も、ぶっちゃけ風呂敷広げながら畳んでる、みたいな…(泣)単行本は全5巻となったんですが、話の起承転結、特に起と結は良く書けていると思います(承・転は書く時間が与えられなかった)。ラストは涙なしにはいられません。はっきり言って絵もうまいし、マコも可愛い(笑)どうやら作者さんも、天下一武闘会の最中には作品の終わりの時期を悟っていたようで、ストーリーを描き切る事を最優先で進めていたようです。個人的にはその段階でなぜ打ち切り止む無しになってたのか、理解は難しい
もし、自分はあんまり長編漫画は読みたくないんだって方がいれば、この作品はお勧めです。駆け足で消化不良の感はありますが、その分スピード感はある、(意としてないとしても)良い作品だと思います。地力のとても高い漫画家さんだと思うので、ぜひいつか大きいのをかっ飛ばして欲しいですね。
ここまでお読み頂きありがとうございました。


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