見出し画像

栄光なき良コミック選書 腹ペコのマリー 編

竜神は昔からコミックが好きで結構読んでるんですが、自分が気に入った作品が悉く打ち切りを食らう、と言った特殊能力があります。好きになった作品に申し訳ないなという気持ちが大きいくらいです(汗)せめてもの罪滅ぼしに作品紹介できればと考えます。今はkindleとかで読めたりもしますしね。【2077文字】

腹ペコのマリー

あらすじ

道教の家柄である主人公の美女木タイガは、友人のマモルとともにお化け屋敷として有名な近所の教会に行き、鷺宮アンナと会い初めて恋をする。しかし、家同士の因縁から会うことを禁止され、初恋は始まる前に終わった、そのはずだった。
初対面から6年が経った今、まだタイガはアンナにうまく話しかけられないでいた。学校の帰り道アンナがフランス王朝最後の王女、マリー・テレーズ・シャルロットを降霊しているところを見てしまい、降霊の生贄として教会に拉致されてしまう。そこでアンナのマリー・テレーズに対する思いを聞き、タイガはアンナに告白する。しかしその直後、タイガに落雷が直撃し、なんとタイガの身体はマリー・テレーズとなってしまった……! (pixiv百科事典より)

竜神は好きでした

ざっくりと言うと、片思いしてる男子にマリー・テレーズ様が憑依してしまい、身体も共有化されてしまってお付き合いを邪魔され大変だ。と言うお話です。マリー・テレーズ様は、フランス革命で処刑されたマリー・アントワネットの娘です。『パンが無ければお菓子を食べればいいじゃない』の方の娘さんです(実際はマリー・アントワネットは言ってないらしいですが。作中でも指摘されてます)。主人公のタイガと同化したテレーズ様は、当初は空腹になると起きてタイガと入れ替わるという設定でした。なので腹ペコのマリー。


序盤はラブコメで進んでいき、タイガがアンナとどうお近づきになるのか…と言う切り口で展開していきます。途中、何かとわがままなテレーズ様が邪魔をして台無しになる、と言うのがパターン。作者の田村隆平先生の描く女の子と言うのは、見た目もとても可愛いのですが、内面的なところで憎めなかったり、優しさが垣間見えたりで非常に魅力的です。少年漫画的恋愛ものと言うか、そこまで甘すぎない感じが自分は好きなんですね(笑)結構ギャグで落としたりですとか。
学園内でのテレーズ様VS凛々須の抗争やそれに伴うバトルシーンですとか、結構いろいろ見どころはあります。そうでありながら、テレーズ様の過去だとか、暗躍する組織ですとか、普通のラブコメとは一味違う所も盛り込めそうな伏線も引かれていたのでした。
個々のキャラクターも、主要な人達はいろいろ描写されていて面白いです。タイガの親友であるマモルにも、きちんと見せ場が用意されていて、少しわきにそれたエピソードも印象に残るものはありました。

実際のところ

途中までは、それは上手くいっていたのです。テレーズ様のお話は匂わせながら、タイガとアンナの恋愛話で押し通せばよかったのですが…。
話の中盤を過ぎた所から、いきなりテレーズ様の力を利用したい、暗躍している組織がらみの話になってしまいます。マリーアントワネットを現世に蘇らせ、テレーズ様の力を利用して民衆に復讐する。それを、阻止しテレーズ様を取り戻すために立ちふさがるタイガやアンナ達…。
あまりにも話が急展開しすぎて、うまくまとめられないまま話そのものが終局してしまった…となってしまいました。


タイガやアンナ、テレーズ様と各々の特徴とか性格とか絡みとか。見てて楽しいんです、間違いなく。話の展開がぶれても、キャラとしての在り方はブレなかったですしね。最後は作者の田村先生もコミックスで認めているように『話がとっちらかってしまった』内容になってはいます。世間的には酷評する方もいるようです。ただ、それでも作品の世界に触れて、楽しさを味わって欲しい作品にはなっています。まぁ、幸か不幸かコミックスで4冊分ですので、読むのにそこまで苦労はしないと思います。時間がかかっても良い方はゼブラックでも読めます。【腹ペコのマリー/ゼブラック】

単に『話が破綻してるじゃないか』、だけで捨てちゃうのはもったいないなあと思うので、騙されたと思ってでも一回読んで欲しい作品ですね。こまけぇ事は良いんだよ!

田村隆平先生新連載!おめでとう!

実は竜神も腹ペコのマリーはゼブラックで読み返してました。本来ですと読了までにあと1週間くらいかかる予定だったんですが…。
敢えてそこを早めて(満喫で読み切って)今回紹介した理由は…。
田村隆平先生が今週のジャンプ本誌で、連載を開始したからです!
『灼熱のニライカナイ』巻頭カラーでスタートしてます。本当は何らかで本誌を読むと良いと思うんですが、きっと来週ジャンプ+でおためしが出るのでは…そんな気もしますね。あと、一個だけお薦めは…。巻頭の扉絵は良く見てから本編を読むとウケ方が倍増します(笑)

ここまでお読み頂きありがとうございました。

※本noteにある商品リンクはAmazonアソシエイト・プログラムを利用しています。

この記事が参加している募集

マンガ感想文

よろしければコーヒー一杯分のサポートをお願い致します☕️頂いたサポートに関しては、サポートされた記事の内容に応じて使っていきます。雑文ですと多分執筆中のお菓子代になります。鬼滅の刃の記事だと布教のための資金、漫画や競馬の記事の場合は購入のための軍資金に致します。何卒宜しくです。