蘇婆/sobar
#俳句
初盆も四年前にてけふ過ぎぬ
夕焼けや元少年の髪染めて
試筆紙に色とりどりの あ あ あ あ あ
髪束ね素麺ほどく宵の口
夕立後に回覧板を後回し
ぬらぬらとねずみなめゆく熱帯夜
倒に世界眺むる飛蝗かな
半眼に一番蝉の轟きぬ
風死して蛇口に寄せる口と舌
みなづきのsin/cos/tan
モルタルに縋り羽化せし蝉何処
鬼灯や乳歯の痕に種残し
羽を地に蜚蠊足掻く空青し
午前二時鳥目を攫ふ青嵐
蕾より蕊漏れ出づる暮夜の百合
宙空に屍骸あしらふ蜘蛛の庭