KAn。

金髪だけどチキンのライター。サクサクのメロンパンが好きです。【ブログhttp://s0…

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金髪だけどチキンのライター。サクサクのメロンパンが好きです。【ブログhttp://s0ra308.hatenablog.com/ 】 【Twitter→https://twitter.com/s0ra308

最近の記事

たった1点のゴール

雨の日はちっとも気分が乗らないし、上司には怒られるし、唯一のたのしみである仕事終わりの缶ビールは今日に限って売り切れだし、それなら、と、ふと懐かしくなって買った、子どもの頃好きだったブドウ味のゼリーは全然おいしくないし。 嫌なことってどうしてこうもつづくのかしら 道端のちいさな石ころに八つ当たりという蹴りを入れながら、もうすっかり夜に包まれた道を歩いて帰る。 さすが終電後。 辺りに歩く人はいない。 ならば、と道路の真ん中を歩いてやった。 ふとこみ上げる、優越感。 …

    • パラソル

      雨のなか佇む君 みずたまり逆さの影 そっと振り向いた瞳のおくに うつる僕は泣いていた いつのまにかしわくちゃな 手のひらとシャツを見て なにも言わずにただ横で見つめる 君の瞳泣いていた 生まれたときから僕の世界は 色もなく真っ暗で だけど君と手を繋いだ夜 ちっちゃな花が咲いたんだ

      • お世話になった人へ。伝えたいことがあります。

        KAn。です。こんにちは。(こんばんは?) 今日は、ちょっと、伝えたいことがあります。貴重な5分間を、最後にいただければ嬉しいです。 ✳✳✳ 2017年3月に「ライター」というお仕事を始めてから、あっという間に半年が経ちました。 はじめの頃は、「書くお仕事してます!」と言うのもなんだか照れくさくて、甘酸っぱいような、でもちょっとだけビターなような、そんな、一言ではなんとも表しにくい気持ちを抱えていました。 ライター開始とほぼ同時期にはじめたTwitter、(ちなみに

        • 大切なひとを待つ時間の長さ

          「ゴメーン!待ち合わせ場所、変えてもいい?」 『ん?今から??』 彼の言う”あたらしい待ち合わせ場所”は、電車で50分以上もかかる遠い地だった。なんでも、想像以上におしごとが立て込んで、昨日約束した18時に、昨日約束した場所までたどり着けないらしい。景色が、急に暗くなったように感じた。まだ夏なのに。 これがもし、よくあるカップルなんかであれば、『えー!昨日と言ってること違うじゃん!』なんて拗ねてみたりするのだろうか。『遅れた分、おいしいスイーツ食べに行くの付き合って』な

        たった1点のゴール

          人生とは

          人生とは、嫉妬のかたまりだ。 人生とは、どこかで人と比べてしまうことだ。 人生とは、他人を羨むことでもある。 だけれど人生は、結局、自分のことだ。 人生とは、雨の日を愛せることだ。 人生は、晴れの日ばかりではない。 人生とは、天気に左右されながら進んでいくことだ。 人生とは、難しいものを削ぎ落とすことだ。 完璧なものとは、足りないものがないことではなくて、付け足すものがないということだと、どこかの偉人が言っていた。 だけれど人生は、完璧でなくてもいい。 だから人生は、足り

          人生とは

          遅刻癖が好きかもしれない

          彼女は、約束の時間に来たことがない。出会ってから3年ほどの付き合いになるけれど、それは変わらない。 ✳✳ わたしのお仕事はおもに文章を届けること。ライターは、一人でできるものじゃない。クライアントさんはもちろん、読んでくれる人がいなければ、ただの自己満足になりかねない。 お仕事をつくっている契約内容や報酬は、信頼があるからこそ生まれるのだと思う。見ず知らずの人にお仕事を頼むことはできないし、したくない。直接顔が見えないネットを使ったお仕事には、信頼がとくに欠かせない。

          遅刻癖が好きかもしれない

          眠れない日はきっと、不安な夜をしずめるために

          どうしても眠れない日、というのがある。降るような星に照らされても、これが夏の夜の風なんだろうかとちょっと背伸びした夜も関係なしに、それはやってくる。 今は、そんな日だ。 不安でたまらない夜、というのもある。穏やかな風が吹いていようと、麦茶にいれた氷がカラコロと音をたてて崩れようと、それはやってくる。 今日は、そんな夜だ。 願った夢はその通りにならないほうが多い。 信じたものは、儚く、もとからそこになんて無かったように消えていく。 伸ばした手は余計なものまで掴んでくる。

          眠れない日はきっと、不安な夜をしずめるために

          負けるな 勝たなくていいから粘れ

          相変わらず、雨は降っている。ゴウゴウと音をたてて、風も吹いている。そんな夜の街を、灯りの少ない田舎街を、ただただあてもなく歩いていた。 普段なら、おばけが怖いとかなんとかという理由で、こんな夜遅くに出歩くことはほとんどない。ジメジメとした梅雨の暑さに負けてアイスを食べたくなったときでさえ、夜の街は歩かない。 そんなどうしようもなくビビりなチキンだけれど、今日だけは違った。自ら選んで外へ出た。服を着替え、靴を履き、玄関の鍵を開けた。相変わらず、雨は降っている。ゴウゴウと音を

          負けるな 勝たなくていいから粘れ

          願ってもつかめないもの

          まだまだ眠り足りなさそうな目をこすりながら、これでもかというくらい大きな伸びをする。そうして、朝日が舞い込む入口となる窓を開けながら、これまた大きなあくびをする。それが彼のいつもの朝の儀式だ。 「んー?起きてたの??」 「ちょっと前に目が覚めてね~」 うそだ。本当は、この一連の儀式を見るために、目覚ましの鳴る5分前に起きているだなんて言えない。 人と接することが大好きな彼は、どんなに仕事が忙しくても「疲れた~」以外のマイナスな言葉を口に出さない。頭のストッパーがネガテ

          願ってもつかめないもの

          怪獣に学ぶ

          「キミは明日、怪獣と戦っていただきます」 もしもこんなふうに宣戦布告をされれば、約束の時間までに準備をすることができる。 相手の攻撃をかわす盾を選び、こちらから仕掛けるための武器を買い、長旅に備えて食糧も調達する。 お金も、必要ならば揃えるかもしれない。 だけど実際に、こんなことはない。いや、怪獣と戦っていただくことじゃなくて、宣戦布告のこと。 「来週これだけの記事をお願いします」という依頼に対して、わたしたちができることと言えば、パソコンや本でリサーチをしたり、ワー

          怪獣に学ぶ

          目の前で笑わずとも

          静かな夜が嫌い。 虚無感というか居心地が悪いというか、言い表せないような漠然とした不安に包み込まれてしまうことがあるから。 できれば出会いたくないものの1つ。 だけど、いまは違います。 いまは、そんな夜でさえ、ぎゅっと抱きしめて自分のものにしたい。「静かな夜」が持つ音の響きや、まっくろに染まった色、抜け出せない長い長い時間なんかまで、ぐるっとまるごと抱きしめて、自分のものにしたい。そう思うのです。 「見えなくても伝わるもの」というステキな思いの紡ぎがあって、わたしは

          目の前で笑わずとも

          好きなもの。

          朝のスズメのおはようの声 鼻を通り抜ける風 寄せて返さない、ベタ凪ぎの波の音 一瞬を切り取るシャッター音 コーヒーに映る空 小走りになる下り坂 おひさまの匂い 二人で食べるごはん 雨の滴 カーテンから伝わる朝 朝焼けの澄んだ空気 裸眼で見る夜の街の灯り 喫茶店のまるい木のテーブル 息が上がる上り坂 まぶしい笑顔 フランスの国旗 乾杯のグラスのドレミファソラシド 好きなもの。

          好きなもの。

          たとえば、通わなくとも

          好きでブログを書いている。 自分が「いいなぁ」と思うものを記事にしているので、そのほとんどが言わば自己満足のカタマリみたいなものなんだけれど、それでも、好きだから、ブログを書いている。 ただ、これは理由だ。 好き「だから」ブログを書いているのだけれど、『あの人に届ける「ために」』という「目的」もあって、ブログを書いている。 今日は、この「目的」のお話をしようと思う。 『あの人に届けるために』なんて、ちょっぴり偉そうなこと言ったけれど、じつはまだまだできていないのだ。

          たとえば、通わなくとも

          +3

          文章に写真を合わせてみました。

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          しあわせの引き出し

          『しあわせの大きさ』は、きっと人それぞれだ。 「しあわせだ…」と、のんびりほのぼのとするものから、「うわ、なにこれ、しあわせ」と、驚きながらもその瞬間をかみしめるようなものなど、ほんとうに、きっと人それぞれだ。 ひとが「しあわせだなぁ」と感じるものもたくさんある。たとえば、嬉しいこと、楽しいこと、おもしろいこと、笑顔になれること。 これから書くのは、そんな『しあわせ』のおはなし。 『見えないけれど、ちゃんとそこにあるもの』の1つに、「しあわせの引き出し」というのがある

          しあわせの引き出し

          一等星のせかい

          ひとは、いつか星になるという。 ちいさいころ、たしか母から「おばあちゃんはね、星になったんだよ。だから、いつも空から、見守っていてくれるよ」と、何度も何度も囁かれたおかげで、つい最近までそれを信じていた。 どの星がおばあちゃんとか、そんなことはわからない。分からないけれど、夜の空を見上げる度に、心の中でおばあちゃんと会話をしていた。 ただ、「クリスマスにサンタさんが来るよ」というのと同じくらい、信じていたけれど、いつのまにか信じなくなった。 これは、年を重ねたせいなのか

          一等星のせかい