11回:ゼロから始める台湾留学 言語学習編

言語学校選び

  台湾の大学院に進学するにあたり、まずは中国語を学ぶところから始まりました。そこで私が選んだのは高雄にある中山大学の華語中心。なぜ高雄を選んだかと言えば、中国語だけでなく台湾語にも興味があったのでその場合は南部が良いとネットで調べたら書いてあったので。

 さて気になる授業料。3ヶ月、週に15時間(トータルで230時間程度)でだいたい30000元(今のレートだと11万円ぐらい) 相場的にも高すぎず安すぎず。英語版のサイトを参考にしながら書類を揃え、人生初海外なのでここでパスポートも取得し、1年間働いて貯めた50万円を片手に台湾本島へと旅立ちました(旅立ちの日は台風にぶつかり10時間近い時間空港で過ごしていました) 

 行くと決めて準備を進めるものも中国語についててんで知識がない。実際高雄に着いたその時も你好と謝謝しか分からない体たらく。そんな中で自分は注音(ㄓㄨˋㄧㄣ←こういう発音記号)という発音記号を学ぶところからスタートしました。どうにも台湾の他の華語中心では拼音(pin1yin1)で教えるらしいのです。ただ注音、台湾で生活する上で知って困ることはないです。

 そして2週間ぐらいそんな感じでひたすら基礎。基礎コースなので小学1年生の漢字ドリルなどもしながらひたすら反復。あと中山大学、キャンパス内に猿が溢れていて、歩きながら食べていた肉まんを後ろから盗られたり、それを追いかけたりしながらサバイバルをしていました。

反復and実践orDie

 1年半ぐらいで大学院レベルまで中国語を引き上げる必要があったので割りと忙しかったです。予算50万円だったので授業料、寮費、生活費であっという間に底を尽き、夜市で餃子を売るバイトなどしながら糊口を繋ぐ日々。ただ你好&謝謝の段階から3ヶ月でバイトという不特定多数とコミュニケーションを取る機会が出来たのは飛躍するきっかけでした。話せば話すだけ餃子とか蔥餅が売れるのでまかないも充実するし。兎にも角にも色々な人と話すことを心掛けました。毎日朝は3時間のカリキュラムかっちりした学習、夜は週3×3時間で超級実践編。オススメです。

 そして色んなテキストを読むのも大事。まずはPTTとかインターネットの掲示板や仲良くなった人のFBとかから始めてみるといいかも。台湾のテレビや映画には中国語の字幕が付いているのでそれを観ながらリップシンクで練習もオススメです。

 総合すると
・金なくてバイトせざるを得ない状況に追い込め。
・話し相手は必ず作れ。できれば最低でも共通の母語を持つ人とそうでない人を一人ずつ。関係性はどんな形でもいい。
・共同体に慣れろ。その土地の名産品は何か、田や畑に何が植えられているか、育ちがよいかわるいか、村の家が大きいか小さいか。そういうこともよく見ること。
・村でも町でも新しくたずねていったところはかならず高いところへ上ってみよ、そして方向を知り、目立つものを見よ。
・そこの人が何に重きを置いているのか。所属する階層によって当然異なってくるが、留学生は階層移動が特権的に許されている部分もあるから色々見て訊け。それでなくとも政治家の話す言葉と夜市の蔥餅焼いてる人の言葉、そして同級生のそれがどう違うか耳を澄ませ。
・時間のゆとりがあったら、できるだけ歩いてみることだ。いろいろのことを教えられる。

母語を磨け

 基礎から脱すれば、嫌でも翻訳的な作業をすることになる。だったらそこで要求されるのは母語の語彙やレトリックだ。先の色んなテキストの話だと、日本語の小説や映画の字幕が中国語ではどのように訳されているかをチェックしろ。先々週台中の誠品書店に行ったら小説売上一から三位まで東野圭吾だった。漱石だって大江だってばななだって訳されている。漫画も十二分に揃っている。
 ひたすらインプットしたらそれを誰かに話してみろ。それは日本語話者でも構わない。思考の整理まで無理に外国語で行う必要はない。こうして文章に起こすのも一つの手だ。言いたいことも無いのに言葉の学習だけを続けるのは苦痛だ。だから、まず状況に飛び込んでみよ。何が起こるかわからない。2013年の9月に台湾に行き、ちょうど半年学んだ頃、同級生たちは立法院に雪崩込んだ。そこからさらに台湾について学ぶべきことが増えていった。言葉を獲得するの大変だけど腐るもんじゃないからみんなも頑張ってね!

 とまぁ今回は前のめりになってしまったので、次は金銭面か今回も軽く触れたバイトについて書いてみようと思います。

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