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観劇記録 2022.2.20 山中企画 「転校生」@アトリエ春風舎と補足

さて、このnoteも立ち上げはしたものの、コロナ禍で観劇機会も減り、宙ぶらりんになっていた。

このままでは良くないので、始動する。記念すべき第1号の記事は、青年団の山中志歩さんが中心になって立ち上げた、山中企画の「転校生」(作、平田オリザ 演出、石渡愛)の観劇記録とする。

Twitterにも感想を投稿したが、ちょっと書ききれないので、noteの本格始動記念に書く。

まずは山中志歩さんとのご縁とこの公演について私が思うことを書く。私が山中志歩さんを知ったのは、コロナ禍の前、2019年のこと。「根本宗子の面談室」で知った。飾らない人柄と真摯な態度が見受けられた。同時に感受性の強さも感じられ、とても気になってTwitterもフォローして、動向に注目していた。今思えば、都会の冷たい風で擦れっ枯らしになる前の昔の自分を、山中さんの中に見ていたのかもしれない。演技をする彼女を初めて観たのは、青年団の無隣館の3期生修了公演「北限の猿」でのこと。実は私は観劇歴は15年を超えるのだが、青年団や現代口語演劇とは縁がなく、こまばアゴラ劇場に行ったのも、この時が初めてであった。あまりに面白かったので、リピ観劇までして、その際に山中さんにも終演後にキチンとご挨拶をさせていただいた。折角なので、写真も貼る。終演後の役者さんの笑顔って、皆、最高の笑顔だ。

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さて、山中さんを応援する日々はこうして始まったのだが、そうこうするうちにコロナ禍がやってきた。2020年などは、冬月先生(エヴァの冬月コウゾウね)の言葉を借りれば「地獄しかなかった。他に語る言葉を持たない年だった。」が、山中企画はこの時期に立ち上げられている。

2021年になると多少は好転し、ひょんなことからご縁ができた森谷ふみさんが山中さんと一緒に「ゆうめい」の公演に出るというので、5月はそちらを観劇。12月にも、同団体の公演に森谷さんと山中さんが出たので、勿論、これも観劇。あ、あと、9月にアンカルの「昼下がりの思春期たちは漂う狼のようだ」も観た。この間も山中企画は着々と進行。演出家交代、役者の交代というピンチも乗り越え、オミクロンの真っ最中に無事に幕が上がったのである。まあ、難産の子だわね。

正直ね、自分のことの様に嬉しい。面会できる様になったら本人に直接感想を伝えたい。

さて、ここからは真面目な観劇記録。

アトリエ春風舎は2度目(先月「忠臣蔵 OL編」観た)なのだが、まあ、あくまでアトリエであるので、そこまで大規模な舞台ではない。でも、9人で教室が舞台の作品を演るには適当な大きさだろう。あれ以上いると、手狭になる。

客席の配置も良い。コの字形に教室を囲む様になっている。座った場所で観えるものが変わる。今回、同行者がいたのだが、その人物はギリギリまで仕事があったため、結局、遅れてしまい、私とは離れた場所に座ることになった。結果的にそれが終演後に感想を語り合う際に、観たものの微妙な違いから、話が盛り上がる要因となった。決して広くないが、自由度は高いというハコの強味を活かしていたと感じる。年齢も性別もバラバラの役者達に女子高生を演らせたのも面白い。ネタバレになるので細かい部分の言及は避けるが、作品の内容ともリンクしていて、唸らされた。初演はかなり前の作品の様であるが、テーマは今にも通用するもので、先進性も感じる。同行者は観劇歴が浅く、現代口語演劇は初観劇であったが、とっつき易い内容と本人の思想とも一致するテーマであったからか、好印象を持ったようだ。そんなことから、観劇初心者にも薦められる一本。難産の子は大きく育ったと言えよう。

面白かったです。千穐楽まで、いや卒業までか。どちらでも良い。クラス一同駆け抜けて。

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