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【講義三日目No.4】境界線が全くないクラリティ

私は世界のダイヤモンドマーケットであるイスラエルでダイヤモンドを学びました。

イスラエルのダイヤモンドマーケットは4つのビルから成っており、そこには600を越えるダイヤモンド企業のみが入っています。ここに、スーパーブランドを含む世界中のバイヤーが集まってきます。

中は一種治外法権のような感があり、内部での税率や通貨、その他規則が外とは違います。一般の人は中には入れなく、すぐ近くの現地弁護士と話をしていても、「中で何が行われているのかわからない」というものです。

この中で私ははじめの半年くらい、毎日毎日うなっていました。原因は、この透明度です。どうしても、どうしても納得がいかないのです。

当時、「1日最低100個はダイヤモンドを見る」と自分に律し、毎日100個~200個くらいを見ていました。

重さとカットは機械で解りますから、カラーと透明度をひとつずつチェックし、ひとつずつ覚えてゆく。後半は自分で自分に質問をし、答え合わせをする。

この作業をひたすら、ただひたすら続けていました。カラーはなんとか解りそうなものでしたが、透明度、つまりインクルージョン(内包物)を見つける作業、いや、見つかりはするのですがその評価具合がどうも納得できなかったのです。

その度に鑑定機関の人を含め色々な人に聞くのですが、その答えは揃って一緒でした。「とにかく数をこなすことだ」と。ある人は「バケツ5杯分も見なきゃ、ダイヤモンドは解らない」とも言っていました。

それもそのはず、このクラリティ、透明度こそ境界線が全くといってないのです。――カラーも境界線がないのですが、マスターストーンという基準が一応はありますから。

境界線がない以上、言葉で説明するのは難しいのですが、図を用いながら“購入者目線”のポイントを説明していきたいと思います。


■次回の講義は下記よりお進みください。

【講義三日目No.5】クラリティ(透明度)について

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