M@STER SPARKLE 08 感想

 07の、といふか『教えてlast note...』の感想を書いて燃え尽きてました(いや逆噴射小説大賞とか書いてましたけど。続きも書いてますけど)。とはいへ、MS08、掉尾を飾るに相応しいエモさのあるアルバムだと思ひます。
 以下、いつも通り1曲づつ感想を。

太陽の下ビタミンが生まれていく。島原エレナ『シャクネツのパレード』

 いや、エレナですね。跳ねるドラムとパーカッションにホイッスル、突然のサウダージにもめげない、明るく弾けるスタイル。「体温調節できないくらい」を「体温調節できなくない?」と聞き間違へてゐたのは内緒です。なんかそのぐらゐこちらに「語りかけてくる」感じがあるのですよね。
 最後の「ゴーゴー!一緒に!ゴーゴー!君と!」もさうですし、エレナがこちらに「手をつなごうヨー」と手を差し出してくる感じ。1曲目から上げてくれます。

楽しみながらLet's Go! 北上麗花『空に手が触れる場所』

 タイトルからちよつと抽象的な歌詞かな、と思つてゐたら登山の歌でした。でも普段の登山もぷっぷかさんの目を通して見たらこんな風にハイで楽しいイベントなのかも。持ち前の伸びやかな歌声も相俟つてぷっぷかワールドへ誘はれます。「ヨロレイヒー」をこんなに楽しさうに歌へるアイドルが他に居るだらうか。
 やや速めの四つ打ちビートも気持ち良く、アウトドアもいいかもな、といふ気分にさせられます。「明るく爽やかな不思議ちゃん」北上麗花の面目躍如ですね。

私だけに騙されて。天空橋朋花『Sister』

 ここから一気にシリアスなムードに。ラテン系の熱さはありつつ、内省的で悩む心情を吐露するやうな歌詞と二律背反めいた掛け合ひに緊張感がグッと高まります。
 ここでやはり注目してしまふのは、「作詞作曲:小岩井ことり」でせうか。今まであまりクレジットには触れずに来たのですがこれは気になります。初めて「中の人」が作詞作曲したキャラソン(と敢へて呼ぶ)がこのシリアスさといふのは、まだ咀嚼し切れてゐないのですが、天空橋朋花のキャラ解釈として考へさせられざるを得ないといふか。「聖母」のイメージとは遠く感じられる楽曲をLTPから3曲続けてぶつけられたこともあり、個人的には育ちゃんとのデュエット『HELLO, YOUR ANGEL』のやうな曲をまた聴いてみたいと思つたりも。いやこの曲もいい曲で好きですけれども。

今の私が纏う光。田中琴葉『シルエット』

 これもシリアス路線ですね。「演じること」に長けた琴葉だからこその「他人の言葉を借りる」ことへの悩み、そして「私だけの光」を見出すまでの道が描かれてゐるのかな、と。器用なやうで不器用、不器用なやうで器用な琴葉だからこそ、悩み、壁にぶつかることも多かつたと想像されます。幾層にも被つた殻を破つて「私のまま光るよ」と歌ふのはそれゆゑに感動的です。
 オケやバックコーラスも衒ひ無くベタなまでに盛り上げてくれて、そこに琴葉の声が乗ることで強さと弱さがともに表現されてゐます。シリアスではあるけれど悲壮感は感じさせないメロの匙加減もよいですね。

52人での、これが完成型。765 MILLION ALLSTARS『Brand New Theater!』

 その田中琴葉が復帰して52人バージョンとして完成した『Brand New Theater!』ですよ。正直51人と52人で聴き分けられるかと言はれれば全く自信は無いのですが、かうして新たに出し直してくれる心意気が嬉しい。
 ……いやしかし改めて聴くといい曲ですね。『UNION!!』もいい曲だけれど、こちらにはスタートアップ特有の高揚感がある気がします。あとやつぱり大人数で歌ふのは圧があつてよい。

 はーひとまづといふかやつとといふか、MS感想シリーズもこれで終はりました。読んでくださつた方ありがたうございます。
 これを書いてゐる間にMILLION THE@TER GENERATIONも沢山出て、どれも良い出来で。まああちらはボイスドラマの比重が大きいのでいづれにしても同じ形式で感想を書くことは無いと思ふのですが、盛り上がつてゐるのは嬉しいことです。TBも終はつて今はTC期間真つ最中ですし、皆さん荒まない程度に激しく戦つて、これからも楽しみませう。

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